153 短冊に願いを込めて?
しとしとしとしと
「……雨だね~」
「雨だー」
「雨だね」
「他に言う事はねぇのか」
だってぇ。
忍でーす。
七夕なのに星が見れません。
「せっかく短冊書いたのに~!」
「何だ、その量……」
パッと見二十枚超してるけど?
「学校で書いたの~」
「答えになってねーし」
織姫と彦星見たかったー。
「純兄、天気変えられるような霊とかいないの?」
「居る訳ねぇだろ」
どーかな、知らないだけで居たりして。
「光、短冊見せて」
星の方はあきらめた!
「どれがいい~?」
「どれでもいいよ」
んーと?
『欲しい!』
何が!?
「これ学校の人の奴もちょっと混ざってるよ~」
「これ誰?」
「佐紀ちゃんだよ~」
誰。
「これは?」
『食べたい!』
何を!?
つ、次!
『行きたい!』
どこに!?
「正確に書いてる奴はいないの!?」
「え~……あ~、これは細かく書いてあるよ~」
どれどれ?
『週刊フォア・ア・ウィーク三十五号の十ページから十五ページを独占して乗りたい!』
「細かすぎるよ!」
て、言うか週間フォア・ア・ウィークって……。
週刊一週間?
「普通のは無いの?」
「注文が多いな~。これは?」
あまり期待はしてないよ。
『お花屋さんになりたい』
うわぉ。なんだかすごく普通。
「あ~、○○屋さんになりたいシリーズこれだけあるよ~」
四分の一くらいこれじゃん。
ケーキ屋、パン屋、本屋、八百屋……あれ、なんか珍しい気がするものも。
サッカー屋。
…………え。
「サッカー屋って何!?」
「サッカーを売るんじゃないかな~」
どうやって!?
「サッカーボールを売るんじゃないかな~」
言い直した……。
「サッカーグッズを売るとか?」
それだけで儲かるのかな……。
「あ~、こんなのもあったよ~」
『パズルマスターに俺はなる!』
頑張ってください。
「純兄、会ってあげたら? この子」
「嫌だ。面倒」
「バッサリと」
パズル好きなくせに~。
「これ……何かすげー」
「どれ?」
『一寸法師になりたい』
…………マ○キノコでも採ってくればいいのかな?
「こんなのもあるよ~!」
『楽しかったあのころに戻りたい』
君はいくつですか。
『最近すっかり老けちゃったよ』
だから、君はいくつですか。
『十五人目にはㇷラれたくない!』
何て!?
「……真面目に書いてるやついねーし」
「これ書いた子は真面目だって言ってたよ~?」
『織姫さん、オレと付き合って下さい!』
「モロふざけてるだろ!!」
織姫って美人なのかな? やっぱり。
「すっごく真剣な顔してたよ~?」
「…………すげー」
すげー。
んと、何を応援しよう。
……織姫を取られないように頑張ってね、彦星。