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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
七月だから暴走中
151/410

151 テストとテストと死神さん

「せーのーでっ!」

 んあ?

 昼寝してたのに……ねーちゃんの声で起きちまった。

 岳だぁ。

「うあ、うあ、うあ! 純兄に音楽で負けるとは!?」

「……英語、一点差……勝ったはいいけど、一点差かよ……」

 んー、テストか?

「見せて見せて~」

「光、いつの間に……」

 今来たとこだぞー?

「うわわ~! お姉ちゃんもったいないよこれ~!」

「光、オレもオレも」

 えーっと、あ~、一番最後の楽譜写しのとこ?

 ……確かにもったいねー。

 だってな、だってな?

 終止線が縦線になってるし、四分の四拍子の上の四が途中から書かれてねーし……。

 a tempoが、a tenpoになってるし……。

「良かったね~、純お兄ちゃん~。忍お姉ちゃんがうっかり者で~」

「あぁ、たしかに」

「良くないもん!」

 んな事言っても。

「にーちゃん、オレ中学のテスト0点取る自信が出てきたぜ!」

『威張るな』

 にゃはは……。

「英語は~?」

「見ーしてっ」

 うぉぅ、読めねー。

 よし、中学なったら先生に言ってやる!

 日本にいて英語なんてどこで使うんだ!

 外国人に道聞かれたってこう答えりゃいーんだ!

 アイドンノゥ。

 完璧。

「あ~、これ分かるよ~! プランでしょ~」

「惜しい! それはプレイ!」

「むぅ~……これは~……セエン~?」

「シーンね!」

 えぇーっ、だってseenだぜ? セエンとしか読めねーじゃん!

 ローマ字読みだけどさー。

「これは分かるぜ! 五だ!」

「数字だから! 読めないとまずいから!」

 だってここしか読めねーし。

「ずいぶんと騒がしいな」

「……妙羅……ほんっとにお前、置物なんだな」

 置物?

「何だこれは」

「読めるか? 和約してみ」

「……マークは映画を見たことが無い」

 おぉ、すげーっ!

 死神って英語もできるんだ!

「人の名前からして違うな」

 違うのかよ!?

「マイクは映画を二度見たことがある、だ」

「で、貴様は何がしたいのだ?」

「自分より上の奴をからかうって面白いもんだぜ」

「……これはからかわれているのか?」

 激しくビミョーなとこだな。

「そうだな、馬鹿にしているということにしておく」

「純、表に出ろ」

 あ、怒った。

「めんどくせぇから今度な」

 にーちゃんの今度ってぜってーこねーぞ!

 先にめんどくせぇがついたときは特に!

「妙羅先輩っ! 大変でした! あ、未理阿ちゃんでした!」

 わざわざ言わなくていいから……。

「霧瑠依くんでしたー。妙羅先輩ー、大変大変ー」

「貴様等はいったいいつ学校に行っている?」

 おめーこそ。

『そこんとこどうでもいいのでしゅ! みょーら、お仕事でしゅよ!』

 仕事と聞いてめんどくさそうな表情になるあたり、にーちゃんの同類なのか?

「何だ」

『んとでしゅねー、ユーレイの保護でしゅ』

「保護? 成仏させろではなくてか?」

『んとでしゅね、どこかの誰かさんのうっかりミスで死なせちゃった人でしゅから』

 おいおいおいおいおいおいおい!?

 うっかりミスって!? うっかりミスで死なせちゃったとか言わなかったか!?

「そのどこかの誰かさんを調べておけ」

『はいでしゅ!』

 ……耳で走ってるのに、なぁんであんなに速いんだろうなぁ……。

「そういう訳で、仕事が入った」

「とっとと行って来い。戻ってこなくていいぞ」

「はは」

 今の笑いってなんだろ……。

「忍お姉ちゃん~、落ち込まない~、落ち込まない~。次勝てばいいでしょ~」

「……うぅ」

 ねーちゃん……静かだと思ったら落ち込んでたのか。

日本にいて、どこで英語なんて使うんだ!

誰もが一度、思ったことがあるはず(笑)

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