150 バランバランな点数
「皆せーので行くよ、せーのーでっ」
ばっ
玲奈:七十一点
清:七十五点
しーちゃん:九十四点
桜:六十一点
なっくん:六十点
純兄:九十五点
あたし:九十五点
忍でーす。
理科のテストが戻ってきたのでせーので見せ合いっこしてます。
「うわぁん! なっく~ん」
「俺最下位……俺最下位……平均点も明らかにレベル高すぎだろおい? うぁあああああ」
ちなみに平均点は七十点でした。
「ちょっと! 何であたしが高崎何かに負けないといけないのよ!? 別に、悔しい訳じゃないからね!」
「嘘つけって、オレ様に負けて悔しいんだろ~ほれ、言ってみ、ほれ」
えー、あー、うん。
「とぅ」
「ぎゃああああああ! ちょっ、忍!? 今肩の方からゴキッって!?」
「久しぶりに出ました凶暴忍ちゃん! 今日は合気道で清君をやっつけるようです!」
あ、これ合気道なの?
やった本人が知らない。
「む……また忍に一点差で負けたっ!」
「しーちゃん殴るのやめーっ!」
そういうあたしが清の腕ひねってたら説得力無いけどさっ!
「忍と同点? やべぇ……」
「ちょっと純兄、どういう意味?」
「そのままの意味だ」
何であたしと同点だったらやばいの!?
「ちょちょちょっ、しーのーぶー! 痛い! 痛い!」
「男の子ならこれくらい我慢しなさい!」
「はぁっ!? 無理!」
全く、情けない。
「し、忍……あなた、意外と頭良かったのね!」
意外と……えぇとー、褒められてるのかけなされてるのかわからない。
「褒め言葉として受け取っておけ」
「はーい」
「……す、素直ね……」
そーお?
えぇー、そーお?
「しーんくーん、大丈夫~?」
「はぅ、やっぱ桜はめが「言わなきゃよかった」前にもあったぞこの展開!?」
そーお?
「だからー! 僕はシジミじゃないの! 紫波なの!」
「…………じゃあ、頭の中が……シジミ並?」
「ひっどーい!」
シジミ並の頭って……初めて聞いたよ、そんなたとえ。
「紫波ー、何点だった?」
「だから僕はシジミ……あ、合ってた」
紫波……ちゃんと名前を呼ばれても突っ込むんだ。
「で、何点だったの、シジミ」
「シジミじゃなぁい!」
「話が進まなあい!」
「えぇっ!? 僕のせい!?」
さぁ。
「んで結局何点だったの?」
「…………わ、笑わない?」
「点数による」
「言わない?」
嘘つかれるよりマシでしょ?
「じゃ、笑わない」
「じゃ、ってなに!? じゃって!?」
細かいことかどうかはともかく、細かいことは気にするな!
「そういう訳で、何点?」
「どういう訳で!?」
こういう訳で。
「……四十五点……」
……んーと。
「大丈夫! 下には下が居るから!」
「フォローになって無ぁい!?」
そーお? (←確信犯)