145 砂人と死神と妖怪と人間と
「太陽さん~、もうちょっと~……もっと~、かなぁり遠慮していいんですよ~?」
暑いよ~!
「雲! もーちょっと出しゃばっちゃっていいんだよ!」
「……あ、蜘蛛の、巣」
蜘蛛は出しゃばらなくてもいいんだけど~。
光です~。
二度目ですが~、暑いです~。
「あれ、お前もしかしてあの性格悪い中学生達の妹じゃねぇ?」
はて~。
何やら後ろから声がするのですが~。
「ひーちゃん! みーちゃん! 逃げるよッ!」
「お~!」
「……えと、お~?」
みーちゃん~、もうちょっと思いっきり言っていいんだよ~?
「逃げるなよおい!?」
「犯罪者にあったら子供百当番の家にすぐ逃げ込んで、警察を呼ぶのが常識!」
「人を勝手に犯罪者にするなぁあああああ!?」
違うの~?
「……犯罪……誘拐、未遂、者」
「違ぁう!」
ほらほら~、買い物帰りのおばちゃんに見られてるよ~?
「はぁ……あの兄妹と血ぃつながってるもんな、しょーがねーよな」
「簡単にあきらめられちゃ面白くないんだけど~」
「あれ、ひーちゃん知り合い?」
「ある意味~」
一回しか会ったことないけどね~。
「サンゴのおじちゃんでしょ~」
「だ・か・ら、おじちゃん違う!」
さっきから違うしか言ってないよ~。
『この、不届きものー!?』
「はい!?」
あれ~?
なんだかサンゴの人が飛んでっちゃった~。
すぐそこに墜落したけど~。
『子どもに手、出す。何事ね!』
「お前も大概子どもだろうが!」
突っ込むのそっちなの~?
確かに私と同じくらいの背しかないけど~。
『何言うか! 私、今年で十三ね!』
以外~。
「十分子どもだ!」
『年寄りは黙るね!』
「年寄り!?」
じゃあおじいちゃんやおばあちゃんは何になるんだろう~。
「……ひーちゃん、あの子知り合い?」
「違うよ~」
「……こっちに、もう一人、居る」
ほぇ?
あ~、本当だ~。
地面から生えた男の子がいる~。
『きゃああああああああああ!?』
生えてる~!? 生えてるよ~!?
『……人間、うるさい、うるさい』
思いっきり人間じゃないよ発言~。
「じゃじゃーん! 未理阿ちゃんでした!」
「霧瑠依くんでしたー」
あ~!
「久しぶりだね~、盗人姉弟ちゃん~」
「わっ! 光でした! お久しぶりでした!」
「久しぶりー、お菓子持ってるー?」
今日は持ってないな~。
いつも持ってないけど~。
「……ひーちゃん、何か、居る、の?」
あ~、二人には見えないんだった~。
「ほら~、大分前に岳お兄ちゃんの教室に出たでしょ~? おっきな耳の妖怪とか~」
『みゅみゅっ! それはみゅーちゃんのことでしゅか!?』
……出た~。
耳で歩く妖怪ちゃん~。
「貴様等……来るなと言ったはずだが?」
出た~!
なんだか偉そうだった人~。妙羅だっけ~?
「あれ居るの!? 見たい見たい!」
……どうやって~?
「……そう、大変、だね……」
『んむ』
みーちゃん、なんで生えてる男の子と意気投合してるの~?
「未理阿、霧瑠依、帰れ」
「えぇーっ!? いいじゃないでしたーっ!」
「迷子の保護みたいなモノっぽいですよー?」
迷子?
『そうそう、それでどういう訳かこんなところに出たある』
「そっかー、やっぱお前迷子じゃねーか!!」
『ちょとまよただけある! 他人に迷子言われる筋合い無いね!』
「訳分かんねーよ!」
こっちはこっちで意気投合してるような~?
え~っと~……かおす? だね~。