表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
六月だって暴走中
144/410

144 結局何しに来たんだか

「うー、暑い」

「暑い?」

「……?」

 ちょっと人間のマネしてみただけだッ!

 だからンな変なモノ見るような目でオレを見るな!

 剣だ!

「えと、斬。今日もバナナは美味しいな」

「……普通」

「…………」

 何かぜんっぜん会話続かねー。

「んで、オレ等何しに現実世界こっち来たんだったっけ?」

「んむ、んぐむぐむぐ?」

「……とりあえずバナナ飲み込んでから喋ろうな?」

 もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……

 もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……

「っていつまで噛むんだ!?」

「……バナナ、溶かす?」

 斬、それって確か人の体溶かすクスリじゃなかったかー?

「んむっ。いらん! 砂人すなびとが出たから、幻想的世界あっちに戻せ、って事じゃ無かったか?」

 さりげなく二本目のバナナスタンバイ。

「……これ、普通自分達にまかす?」

「斬の言うとおりだッ! よってオレ等はこの仕事をサボる!」

「お前らぁああああああ!! 仕事をサボるとは何事だぁあああ!?」

 らおん!?

「いつもの事ながら見事な走りっぷり。エネルギー補給にバナナいるか?」

「あぁ、どうも……って違う!」

 とか言いながらちゃっかりバナナ貰ってんじゃんか。

「あむっ、もぐもぐもぐ……いいかお前等、今回の仕事はだな、あむっ」

 食いながら話すなって、入学直後オレに説教してたのは誰だったっけ。

「……そもそも、学生に仕事与えるのが変」

「その通りだ! ごちそうさま」

 認めるんだ?

「バナナの皮はそこの土に埋めたらいい肥料に……」

「ん? そうだな。って話を逸らすな!」

 ノったのは誰だ!

「えー、話を続けるぞ。学生の、というか天を除いてこんな六つにも満たないガキが学生ということ自体がまずおかしいのだが」

「はーい」

「何だ剣」

「オレもはこないだ五歳になりましたー」

 ハッピバースデーディーアオーレ―

「そうなのか? お前等誕生日分かってたんだな……」

「オレ等三人で作りましたー」

「こらッ! っと、言うか五歳も六つに満ちてない!」

「だぁって、本当の誕生日なんて知らねーもん。後簡単に引っかかったのはだーれだ」

 あのー、地味に悲しそーな顔するのやめて?

 いや、なんかすぐ青筋浮かんだけどさ。

「まぁ、えぇと、とりあえず! 天はともかく剣と斬までもが何で学生なんてできているかと言うと!」

「尊い実験台モルモットの犠牲と、校長の離婚、後裏でコソコソやってる奴の逮捕。そのほか臨死体験をした教師の皆様の犠牲の……」

「思い出させるな!」

 あれ、らおんにもやったっけー。

 あ、確からおんにはバナナの皮ですってんころりのシャシンって言うのを取って皆に見せよーってやったんだ。

「はぁ……。なんだかすごく疲れた。疲れたからさっさと言うぞ。

 つまりな、お前等は実力で教師を負かせて学校うちに居る。

 早い話が、んでもって認めたかないがおれ等教師よりお前等の実力は上だ」

 おぉー、なんか大人。何か知らんが大人だー。

「……さっさと話すと始めに聞こえた気がした」

「空耳だろう?」

 ……お前等、話が長いの基準低くね?

「だぁから! 少しずつ仕事を与えて、それをきちんとこなせるようならば卒業させてもいいんじゃないか、という話が出た」

 二か月……あー、もう三か月くらいかな? だけで?

「オレ等ってば結構目、かけてもらえてるんだなー」

「嫌でも目に入るだろ! 毎日毎日毎日毎日問題ばかり起こしやがって! オマケに生徒には人気なんだから質悪い……」

 あれ、面倒事からの解放が目的?

「まぁ、そう言う事だ」

「そっかー」

 さて、どうしよう?

「はいまず、天君!」

「私は今の生活が気に入っている」

「斬君!」

「……特に意見は無い」

「はい、剣君」

 あ、自分で言おうと思ったら天に言われた。

 ぐっじょぶ。……使い方あってるよな?

「オレも天と同じー! という訳で帰ろーぜー」

「アホかぁッ!?」

「うむ。それにしてもいたずらに使う力をもう少し抑えたほうがいいか? そうすれば卒業なんて話も出ないだろうし……」

 うーん、でも思いっきり暴れられねーのもなぁ……。

「……とりあえず、ペーパーテストは白紙で出せば……」

 んーでも、入学前からあんなこと思われてるんだったら……。

 どーするべきかなぁ。



『……けきょく、何しに来たかあいつ等』

『知らない、知らない』

『せかく家に帰れる思たのにな』

『そもそも、迷子、シャースのせい、シャースのせい』

『む、お前だて乗り気だたある!』

『アイツ等、声かければ帰れた、帰れた』

『あ゛……何でそれ早く言わなかたか!?』

『気付いて、なかった? 馬鹿、馬鹿』

『五月蠅いある!』

 ……うん? 何か後ろの方で砂柱みたいなのが出来た気がするんだけど……。

 気のせいか!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ