143 暑い
「あぢー」
「わ~、なんだか清君不良みたい」
カッターシャツ全開、その中に赤いシャツ。
……確かに。
制服が学ランだから余計に不良っぽく見える。
忍でーす。
「あぢーもんはしょーがねぇだろ」
「あー、激しく同意。夏嫌いだぁー」
まだまだこれから暑くなると思うんだけど。
「それよりさー、忍も桜もよく長袖でいられるな? オマケに第一まできっちり締めて」
「それがあたしですから」
「なんとなく? あはは~」
大体、皆長袖だし。袖まくってる人の方が多いけど……。
「せめて第一は開けてくれよー、見てて暑い」
「黙れ変態」
「篠、なーんでオレは変態呼ばわりされにゃならんのだ?」
しーちゃんの変態基準は低いもんねー。
「んな事より「んな事なのか!?」違うのか?」
おー、なっくんトドメ刺した。
「ここの学校クーラーあるんだろ? 俺それ聞いて凄ぇ楽しみにしてたのに……何でつかねぇの?」
前の学校なかったんだ。
「後0.2℃で付くよ~」
「はぁっ!? それくらいまけてくれてもいいだろ、カバ校長」
校長カバ呼ばわりって……あー、おとーさんも言ってたしいいか。
校長の顔、カバに似てるって所から付けられたんだけど、まんまだよね。
「あ、後0.1℃」
つけー、つけー。暑い。
「誰がカバだって?」
『突っ込み遅いよ!?』
というか、居たの!?
「暑い」
「いきなりそれかよ!? っつか突っ込みは何処にやった!?」
「では」
「聞けよ!?」
って言うか、何しに来たの?
「あ、後0℃」
「よっしゃあ! つく!」
…………………………
「ついてねぇえええええ!」
うるさぁい。
「よし清、どう言う事か聞いて来い」
「何でオレ!? ちょっと純、どー思うこれ」
「ん? ……どうと言われても……やっぱり清が行くべきという方に一票」
純兄聞いてたの?
「あぁ、お前に振ったオレが馬鹿だった」
『何を今さら』
「うわっ、お前ら覚えてろよ!? 今回の期末オレ勉強してるからな!? 負けても文句言うんじゃねーぞ!?」
明日は雪かな? 今なら大歓迎。
「生憎だがあたしも勉強してるぞ」
「わたしも~」
「あたしもー」
「うわ負けたぁあああああああ!」
おい。
「まぁ、清が本気出したらどうなるかは分かんねぇんだからさ。気を落とすな」
「夏ぅ!」
「上げて落とす。はは」
「ぎゃーっ!」
おーい、清?
なっくん何もしてないよ?
ぶぉおおおお
あ、クーラーついた。
『…………暑い』
風が生暖かいっ!