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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
二月で暴走中
14/410

14 もし〇〇が降ってきたら

「桜ー」

「は~い?」

 忍です。

 暇だったのでなんとなく桜に話しかけてみた。

「何か面白いこと無い?」

「無いよ~」

 なんてキッパリと言うんだろう。

「よ」

「あ、しーちゃん」

 今来た、挨拶を一文字で終わらせてしまう女の子は、中谷篠なかたにしの

 通称しーちゃん。

 って言ってもそう読んでるのあたしだけだけどね。

「しーちゃん、何か面白いこと無い?」

「無い。何か面白いこと無い?」

 今あたしが言ったことと同じこと返したな。

「第一回、もし〇〇が降ってきたら~!!」

 桜が手をパーッと広げて高らかに宣言。

『突然だな!?』

「え~? だって面白いこと探してたんでしょ?」

 うん、それは確かに。

「何? 何かやんのかおめーら」

 桜の斜め前の席で振り返るは高崎清たかさきしん

 なんだかんだでよく話したりはする男子。

「じゃ、始めよっか」

「オレは無視か!?」

『うんそう』

 あ、しまった。返事したら無視じゃないじゃん。

「まずは篠からね~。

何か降ってきたら面白そうだな~って感じのを〇〇の中に入れて」

「あたしから? ……ん~……あ」

 何か思いついたみたいだね。

「もし一万円札が降ってきたら」

 なんてピンポイントな

 さー、皆で想像しよう。



 ある日、突然一万円札が大量に降ってきた。

 どさーっ

「ママーこの紙お絵かき出来ないよぅ」

「ママのお財布に詰めておきなさい!」

「あぁ!! これで借金全額返済出来る!!」

「夢のマイホーム!!」

「よかった。お小遣いなくなりそうだったんだ。へへ」

「この金はオレのだ!!」

「馬鹿野郎! オレのに決まってんだろ!!」

「あなたのお金は私のもの。私のお金は私のものよぉ!! おーほほほほほ!!!」



……戦争になりそうだ。

「って言うか最後の、何?」

「ウザかったね~」

「なるほど、そんな風にすればいいのか。

おーい、純! なんか面白そーだぜ!!」

 なんでそこで純兄を呼ぶかな。

 まぁ、しーちゃん、桜、清、純兄、あたしがいつものメンバーって感じではあるんだけど。

「あんだよ」

「じゃ~次は~……純君で!」

「……もし木刀が降ってきたら」

 話聞いてたんだ。

 想像……するまでも無い。

『怖いよ!!』

「あそ」

 大体なんで木刀が出てきたのさ!

「次~、忍行こ~」

「あたし?」

 ん~、そうだなぁ……。

「もしケーキが降ってきたら」

 想像してみよー。



 空からいろんな種類のケーキが降ってくる。

 ひゅるるるるぅ……

 べちゃ。

 それを拾い食いする犬や猫。

 おなかを壊す犬猫。



 悲劇だ。

「後が大変そう」

「だめになる服が大量に~」

「クリーニング店は悲鳴を上げて喜ぶだろうけどな」

「よし決めた!!」

 お?

「オレはケーキが降ってきたらクリーニング店を開くっ!!」

 馬鹿だ。

「いや、本当に降ってくる訳じゃないから」

「ならオレが降らす!!」

 ドカッ

「純君のパンチ!見事に鳩尾へ決まりました!」

 何も中継しなくても。

「うぐぐ……」

「南無阿弥陀仏」

「殺すな!!」

 ……ん?

「なぁに?般若心経の方が良かった? あれ長いからヤだ」

「ちがうっつーに!」

 え? 違うの?

「はーい次行こ~! ……清君」

「何でオレの時はテンション低いんだ!?」

「あはは~なんとなく♪」

「ったくぅ……んーと、もし数学のテスト問題が降ってきたら」

 なんてピンポイント過ぎる。

 想像しよーう。



 空からハラハラと降る数学のテスト問題。

 地面はどんどん白い紙と黒い文字で埋め尽くされてゆく。



 だから何。

「うわあああぁぁぁぁぁああ!! 怖いっ!!」

 ドカッ

「今度は忍のパンチが眉間に~、入りましたぁ!」

 だから実況せんでいいと言うのに。

「何でアレが怖いの」

「どこも怖いトコねぇだろ」

「だって、だって!! 数学のテスト問題だぜ!?」

 ……あ。

 清って数学が異常なほど苦手なんだっけ。

「清、1+1は」

「2。ってそれは算数だろ!! 馬鹿にしてんのか!」

 Yes!



 その日の夜。

 お札と数学のテストがケーキをサンドして、さらにそれに木刀が刺さったものが学校に降ってくる夢を見た。

 と、言う話を皆に話す夢を見た。

 何故?

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