137 美代の人物ファイル
「じめじめだな~」
「じめじめだね」
「……じめじめ」
うーん~、何しようかな~。
光です~。
梅雨でしょ~。雨でしょ~。暇でしょ~。
皆じめじめでテンション低……。
「いよっしゃぁああ! 俺様大富豪!」
でもないみたいだね~。
「俺様っ!? 俺様っていう奴本当に居るの!?」
「……危険人物、登録されてる」
「危険人物~!?」
というかその小っちゃいファイル何~!?
「……水ヶ岡小学校全人物調査ファイル」
『全人物!?』
「…………三から六年までの」
それでも多いよ~!
「見せて見せて!」
「……プライバシー保護のため……」
だったら作らなかったらいいのに~!
「じゃあじゃあ、ウチのとこかひーちゃんのところでいいから!」
「……ん。はーちゃんの……はい」
どれどれ~?
《海中春
生年月日 2001年11月20日》
「……春って名前なのに……誕生日、秋とは思わなかった」
不思議だよね~。
なっくんはちゃんと誕生日夏なのに~。
「お父さんが冬で、お母さんが秋で、お兄ちゃんが夏なんだもん! だからお父さんが全部揃えようってこうなったらしいよ」
「……メモ、メモ」
メモするんだ~。
「他になんて書いてあるの~?」
《声がでかい。五つ上に兄がいる。以外と反射神経は鈍い。ついでに方向音痴》
ついでにって~……。
「あれ~、はーちゃん反射神経鈍いの~?」
「どっちボール……よく当たる」
「あ~!」
「それだけっ!?」
こくん。
あっさりうなずかれたね~。
「ぅー。ひーちゃんは?」
「……あ、消し忘れ……」
ん~? 何を消し忘れてたんだろ~。
「……はい」
え~っと~。
《高山光
生年月日 2002年1月23日》
……ところで~。
「何で消した後のところに危険人物って跡があるんだろ~」
「危険人物だったから……」
あっさり言われた~。
「なんでなんで?」
「……ポーチ」
ポーチ~?
「これがどうしたの~?」
「何がdてくるか……わからない」
文房具しか入ってないよ~!
「前……カッター3本くらい入ってるの、見えた」
「惜しいな~、四本だよ~」
「いるの!?」
……う~ん~。
「水小祭りのときは大活躍~」
文化祭って言うのかな~?
お化け屋敷は六年しかできないけど楽しいの~。
保護者が来たりとかは無いけどね~。
「他に何て書いてあるの?」
《語尾が伸びる。四兄弟の末っ子。地味に運動神経はいい。昼寝好き》
「地味にって~?」
「めったに、本気出さない」
あはは~。そうだっけ~。
「そういえばそうだよね。体育大会の時もぎりぎり一位取れるくらいに手加減してたし」
あはは~。
「なんでバレバレ~!?」
怖いよ~! 純お兄ちゃん位……よりはマシだけど怖いよ~!
『だって、本気見たことあるし』
いつの間に~!?
「……電気から落ちたカッターをつかんだとき」
あ~……。
「大分前だけど、幼稚園からの帰りに雷鳴って走ってっちゃった時」
あぁ~……。
そういえばそうだね~。
「……メモメモ」
「あ、そういえばさっきの大富豪野郎は何で危険人物?」
「……カッター、けんかに使った」
あ~、そういえばあったな~。