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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
六月だって暴走中
132/410

132 数学しま……す!

「はーい授業始めるぞ」

「きりーつ、れーい」

『さようならー』

「こらっ!」

 きっと今日はみんな帰りたい気分だったんだよ。

 忍でーす。

 んとね、どういう訳か、そんでもっていつの間にか『ドッキリ係』なるものが作られてて。

 それの第一回目のドッキリとして今のやり取りが出来上がりました。

「鈴木! お前意外とこんな才能があったんだな」

「ば、馬鹿にしないでよね!」

 玲奈の不登校もどっか飛んでっちゃってたし。

 相変わらずのツンデレ(だっけ?)だけど。

 こういうクラス全員の協力が必要なモノが出来るようになったってかなりの進歩じゃない?

 教師はまぁ、大変だろうけどさ。こんなことされたら。

「今日先生へらへらなんだからさっさとやるぞ」

「へらへら?」

 へらへらって、なんか笑ってるやつ怒るときに言う『へらへらするんじゃない!』のへらへら?

「へろへろのちょっと軽いものバージョン。おら、プリント配るぞー」

「へりへりは?」

「へらへら以上へろへろ以下」

「へるへるは?」

 ……プリントは?

「へろへろ以上」

「へれへれは?」

「へろへろ以上へるへる以下」

 おぉ、へろへろ五段活用……って。

『プリントはー!?』

「お前らが質問するからだろが!」

「あ~っ、人のせいにした」

「やかましい」

 否定しないんだ。

「あ、せんせー、車の中の卵入れ取ったんだって?」

 卵入れ……?

 卵入れ!?

 なぜに!?

「日焼けしたから捨てた」

 もったいなー。

「卵入れって何~?」

「買った卵を置いておく所。割れなくて便利だったんだけどな」

「……それをつける前は割れてたのか?」

「………………」

 割れてなかったって意味だよね、この沈黙。

「でもさー、そんなの卵置き忘れたらピーちゃんなるじゃん?」

『何で生まれるんだよ!?』

「普通腐るでしょ!?」

 あ、一人だけ違う突っ込みした。

 誰かは不明。声だけじゃわかりません。

「はいプリント回ったな、回ったと言え。よし、んじゃまずー」

 確認になっていない気が。

「はい、これ一センチ一センチの正方形。これが四つ集まったのがこれ」

 黒板に図ペタリ。ポロリ。

「あ」

 図落ちたー。

 磁石が弱いんだね。

「どー見ても一センチ以上あると思いまーす」

 小学生かお前は。

「はい、これの面積は」

 おぉ、見事なスルー。

『四平方メートル』

「はい単位違うなー。平方センチだから」

 見た目はもっと大きいけどねー。

「はい、実はこれを使って二平方センチメートルが出来る!……あ」

 ポロリ。

 また落ちた。

「はい、四つの四角の対角線をそれぞれ結ぶ!……あ」

 ポロリ。

 なんか落ちるまでの時間が短くなってきたような。

「はい、こうすれば中にできたこの四角は半分になって二平方セン……」

 ポロリ。

「つまり、一辺×一辺が二になるわけだ」

 いちいちはりなおさなくても、手で持った方が早くないかなぁ。

「√2?」

「そうこれを発見したのが」

「マゼランとゆかいな仲間たち!」

「なんでだよ!?今は数学!地理の時間じゃなぁい!」

 ポロリ。

「ピタゴラス!」

「違う」

「アルキメデス!」

「の弟子」

『えぇー!?』

 弟子いたんだ!

 ポロリ。

「その磁石、むなしく落ちていくなぁ、先生みたいに。あ」

 はいそこー。

 ……えと、花坂はなさかって言ったかな?

 顔が笑ってるよ。

「くそっ」

 あ、なっくんなんかは大爆笑中だ。

「先生若いな!」

 清、追い打ちをかけるようなこと言わない。

「もういい」

 あ、落ち込んだ。

「今日は宿題なしのつもりだったけど出す!はい配るぞー」

『花坂ぁ!ついでに海中!』

「いやーっ!ごめん!ホントごめん!」

「何で俺までっ!?」

 しかもついでだって。

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