131 体育大会、閉会!
『成績発表をします』
どきどきどきどきどきどきどきどきどき……
とまではなってねーけど、緊張すんなー。
岳だ!
体育大会終わって、んで閉会式の成績発表。
を、得点係の翔がやってる。
『白組、325点』
……マジで?
うわ、もしかしてヤバくね?
「た、高山君……汗凄いよ」
「そりゃそーだ。朝からずっと運動してたんだから」
「えーと、冷や汗凄いよ。漫画みたい」
漫画て。
でもなー、やっぱ負ける可能性が大分高いんじゃね? とか思ってたらな、そりゃー怖くて怖くて冷や汗だらだらにもなるっしょ。
にーちゃんとねーちゃんが何してくるか!
……あぁ、余計怖くなった。とりあえず考えるのやめた。
「でも、中谷笑ってるから勝ってるんじゃねぇのか?」
「んー、そっか! んならよし!」
『単純……』
単純で何が悪い!
『赤組、325点。引き分けです!』
……まさかの引き分け!?
すげー。
ま、負けてねーから帰った途端絞め技とかはねーよな!
ねーよな!?
帰った途端とび蹴りとかねーよな!
な!?
あーうー、怖ぇから考えない。
「……喜べばいいの!? 悲しめばいいの!?」
「リアクションをしなければいいだろう」
「それはそれで何か悲しいもん!」
「なら悲しめば……」
「あ、そうか……なぁ?」
違うと思うんだけど。
「翔ーっ! 何で引き分けなのにあんな嬉しそうだったんだ!?」
「こ、怖いから突進するな!」
そっか?
「質問の答えになってねー」
「だから怖ぇよ番長!」
「だーれが番長だゴラ! いーかげんなこと言ってんじゃねーぞコラァ!」
「ノリノリじゃないかぁ!」
うん、ちょっと楽しかった。
「ってそれも答えになってねー!」
「あ、ごめん。んーと……ごめん、その質問には答えられない」
ハァ?
「なんでだよ?」
「そ、それは……実に言いにくいんだけど……」
なんだ? まさか質問を聞いてませんでしたとかじゃねーだろ?
「質問を聞いていなかったのだ!」
まさかのそれかよ!?
「威張るな!」
「高山君、首絞めるならもーちょっと手加減を……」
んー、じゃあちょっと手加減。
「余計強くなって……ぐふぅ」
「あ、気ぃ失った」
「えぇっ!?」
「失ってねーよ!」
まぁ冗談は置いといて。
「んで、さっさと答えろよ」
「そ、それは……実に言いにくい「それはもういいから!」じゃあ質問をどうぞ」
占い師?
それともあれか?えーと……
ロシアンルーレット!
……違うな。
「何で引き分けだったのにあんなに嬉しそうだったんだ」
あ、修也ナイス。
言うのを忘れるところだった。
「あー、それは……うん、引き分けだったらどっちのチームからも文句言われないしさ、楽なんだよ」
文句ぅ?
「数え間違いじゃないの!? とか?」
「そうそう、そんな事去年言われた」
「そりゃそうよ、あたし言ったもん」
「お前もかぁ!!」
何人に言われたんだろー。
いや、誰かが数えてるわけじゃないけどさ。大体で。
「だ、だって……修也のチームが負けてたんだもの」
「……お前いったいいつから修也が好「いやーっ!」耳がぁああああああ!」
今のは翔が悪いっ!
「おーい、そこ。チーム集会始めますよー」
あ、せんせが元に戻ってる。
「それじゃあ最後にエール! 行け! 団長!」
オレはポ○モンか!?
ってかなんかまた熱血になってるし!
「ふー。よし! 行け! 応援団!」
『ポ○モンかよ!?』
あー、最後まで女子も男口調な突っ込みだったなぁ。
「赤組のーっ! ……あー、違うな。ちょっとせーんせ」
「何だ?」
「いやー、んとな……」
『赤白のーっ! 引き分け祝ってーっ! エールよーい!』
『そーれっ!』
……んーとだな。
『フレーッ!』
どーせ引き分けなんだからエールなんて全くおんなじことになるでしょーと思って。
『フレーッ!』
赤白合同で最後のエールをやろうということを提案した!
『あーかーしーろっ! そーれ!』
うお、オレってば結構いい事したんじゃねー?
『フレッフレッ赤白』
白組の女団長もノリノリだったし。
『フレッフレッ赤白……』
皆の息もなんかそろってるしな!
『オォ――ッ、ファイトォ!!』
ピッ!
まぁとにかく、最後の体育大会はすっげー楽しかったということで!
『ありがとうございましたぁ!』
……中学の応援団は学ランらしいし、やってみよっかなー?
オレは番長!ってな。