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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
六月だって暴走中
129/410

129 いつもと違うことをするのはよくないらしい

「さぁって、今三点差で負けてるわけだが」

「ぜったいリレーの最後、高山君の方が速くゴールしたわよね?」

「……まぁ、そこんとこは得点係の判断だから」

「え、おれのせい!?」

 何でだよ。

 リレーの時は五年がやってたろーが。

 岳だ!

 今はとりあえず、昼食休憩中。

 んでもって作戦会議……先生曰く。

 ぜんっぜん作戦練ってねーけどな。

「あー、赤飯うめー。赤だぜ、赤。俺らの赤!」

「五月蠅い」

「うん、オレも思った……」

「落ち込むならやめときゃいーのに」

 とゆーのはまぁ、冗談で。

「作戦どうしますチームリーダー」

「……なぜそこで俺に振る」

「オレってば応援専門だから!」

 あれ、なんでオレ目そらされたの?

「はぁ……」

 あれ、なんで修也溜息ついたの?

「修也ちゃん疲れてるなら「お前のせいだ」えー!?いや、わかってたけど」

「分かってたならやめんか!」

「それはともかく「ともかくするな!」いつものやるか!」

 ちょうど弁当も食い終わったし!

 食後の運動だ!

 ……うん?食後の急激な運動は体に悪い?

オレいっつもこれやってるもーん。だから大丈夫だ!

 ……たぶん。

「さー、修也!かかってこい!」

「……岳、岳」

「あん?」

「今日は椅子運動場に運び出しててみんな机に座ってんだから・・・」

 机の上を飛び回るなって?

 誰がいつそんなことをした!

 ……オレいっつもやってますね、はい。

「んー、よし、廊下でやろう!」

「ったく……」

 とか言いながらついてくる修也ちゃん。

 文句言うつもり無いっしょ?

「そこ二人!今日は暴れるなよ!うちのチームの切り札なんだからな!腹壊されたら困る!」

「でも残ってんの100m走と組体だけじゃん」

「馬鹿!その100m走で思いっきり走れなかったらどーする……」

 うーわー。

 いつものせんせの面影ゼロじゃん?

「とゆーわけで今日は駄目だ!」

『はぁい』



『プログラム17番、六年生の100m走です』

「うぅ……」

「岳?どうした?」

「暴れ足りなくて逆に腹痛ぇ……」

 普通逆だろ!?

 と、自分の体に突っ込んでみる。

「普通逆だろ!?」

 あ、突っ込まれた。

「大丈夫かよ……お前、うちのチームで一番足速ぇんだぞ?」

「はい、一つしつもーん。修也、50m何秒」

「7.9秒」

 あーうー……。

「オレ7.7。チェッ、せっかく一番を修也に仕立て上げようと「思うなよ」……」

 だぁってぇー。

 よし、最終兵器。

「にーちゃんどこか分かんねー?」

「お前兄さんいるのか?」

 修也はそっからかよ!?

「えーっと……なんか!あの人だよね!」

 古閑!んなんでわかるか!?

「んー……と、あのガ……元気いっぱいの人」

「そりゃねーちゃんだ!」

 最初の『ガ』についてはスルーしてやる。

 たぶん『ガキ』だろ?

「にーちゃんはー……ほら、あの……何てーか、怖ぇ奴」

「あぁ!よく岳が百マス計算挑んでる」

「それ!」

 あ、最近やってねーな、百マス計算。

「そーだなー……。確か、リレーの前は鉄棒近くにいて……」

 役に立たねー情報だなおい!?

 大分前じゃねーか!

「今は給食室の前に」

「遠っ!?」

 うーわー、遠っ。

 うーん、でもいるってことは見てるってことだよなー。

「うーん、うーん、にーちゃん見てるんだよなー」

 うーうー、ぷれっしゃー。

「ちょ、余計具合悪くなってない?大丈夫?高山君」

「古閑、お前次」

「あっ!」

 うーん、うーん。オレの番まであと五人ー。

「あ、おれも行ってくる。修ちゃん頼んだ」

「だれが修ちゃんだ」

 脱力させるなぁっ!

 わー、にーちゃんこっち見てるー。

「おい、高山お前次だからな」

 うーうー、オレ次だから間違いなくにーちゃん見てることになるよなー。

「はい次ー」

 わっ!オレの番。

 にーちゃん見てるぞー。

 よし、プレッシャーOK!

「よーい……」

 パンッ!

 あぁもう、この音心臓に悪いからやめてくれよ!

 んな事より、ほらほら、にーちゃん見てるぞー。

 よし、行ける!



「……高山、腹痛いんじゃなかったのか?」

「とてもそうは見えないけど……」

「あ、アイツ純さん利用したな!」

『純?』

 あぁ……そーだった。

「岳の兄さん」

「あぁ、そう。で、利用って……」

 なーんかなー。

 前からピンチになったら、岳の奴純さんで自分にプレッシャーかけて……。

 というか、恐怖でピンチ乗り切るのが癖みたいなんだよな。

 パンッパンッパンッ

「ふへぇー。怖かった」

「ほらな」

『………………』

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