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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
六月だって暴走中
126/410

126 帰ってきました

「あー、三年終わったぁ」

「早っ」

「いやー、だってさ? 何かほら、何か一番のイベント終わったから……」

「分かんないよ」

 とりあえず今は、電車の中立ちっぱなしで足が痛いなー以外には考えられないや。

 忍でーす。

「やぁっと帰れる……俺帰ったら即行寝るけん、忍ちゃん起こさんとってな」

「夏、何で山口弁「何となく」……あそ」

 あ、純兄絶対に沈黙の時『話し続けるのめんどくせぇ』とか思った!

「皆だるだるだね~」

「だらしないわねっ!」

「まぁこいつらだし」

 おいこらー。

「お兄ちゃんっ! 忍ちゃんと純君もお帰り!」

「お帰り~。お土産は~?」

 光、いきなりそれはどうかと。

「うわ、帰ったら絶対会う前に寝ようと思った奴に会った」

「ちょっと、お兄ちゃ~ん?」

 なっくん……。

「わ~、光ちゃん久しぶりだね!」

「お久しぶり~」

「……兄上……岬、知らない?」

 おわっ、美代までいた!?

「岬? んーっと……あ、おーい! 美咲ちゃん!」

「人の名前を勝手に変えるなと言うに!」

「……居た、姉上」

「美代はまねすんな!」

 完全にいじめる側からいじめられる側になってるねぇ、美咲ちゃん。

「お袋か秋さんはどこだ?」

「いないよ~?」

 あれ?

「母上に……会いたかったの……?」

「黙れ。つまり、テメェ等だけで来たと?」

 純兄、五つ下の子に黙れはどうかと。

「そうだよ?」

『ここは校区外だ!』

 うわっ、なっくんまで!?

「三人居るから大丈夫だもん!」

「関係ねぇよ。あぁもう、何かあったらどうするつもりだ?」

「でもでも~、校区外の一番遠いところよりこっちの方が近いよ~」

 へ、屁理屈!

「それでも駄目だ。光、ビードロ抜きだな」

 ご飯抜きみたいな言い方だね。

「えぇ~っ!? 買ってくれてたの~!? もうしないから~!」

「本当に?」

「本当だよ~!」

「…………」

「あぅ~、お姉ちゃん~……」

 叱ってる時の純兄の沈黙って怖いんだよね。

 オーラというか、何というか。

「んー……、でもまぁ今回は光が悪いからなぁ」

「お姉ちゃ~ん~」

「純兄ー、今回はいいじゃん、大丈夫だったわけだし」

「あぁ、光はテメェじゃねぇからな」

 どーゆー意味だよっ!?

「純、純」

「あ?」

「土産抜きはねぇだろ。こいつ等、早く土産が見たかったから来たんだと。それじゃ踏んだり蹴ったりだ」

「本当に土産抜きにする気は無かったけどな」

 だろうね。

「あぁ……何かもう面倒になってきた。ついでに疲れた。ん、光、もうすんなよ」

 うあ、何か突然ぱっきりと終わった。

「はい~」

「ん。ほら、ビードロだ」

「やった~! 開けていい?」

「家に帰ってからだ」

「え~」

 ありゃ、桜たち居ないや。帰ったのかな。

「はぁ……。帰ったら父上にまず報告するのがコレかよ、おい」

「……嫌なら、しなかったらいいのに」

「馬ぁ鹿。言わんでもばれてるだろ、どーせ」

「……むぅ。父上、怖い」

「んなこたとっくに知ってる」

「……うん、だから……兄上も一緒に「絶対に嫌だ」ふふ」

 ふふってなんだ!? ふふって!?

「帰るかー」

「帰ろ! 帰ろ!」

「……さっきから歩いていたのは帰るためではなかったと?」

「いやー、何となくな。何か喋ってないと出そうな気がして」

 幽霊見ても怖がるやつじゃないくせに。

「そうだな、こんな時に出られるのは迷惑極まりない」

 いつ出ても迷惑がってるくせに。

「……でも~、ここの踏み切りって~「そういえば岳は来なかったんだな? テメェ等が行くと言ったら一緒に来そうなのに」」

 話遮ったね。

 ここの踏み切り通らなかったら遠回りになっちゃうもんね。

 だから周りの幽霊達をスルーしようと頑張って話そらしてるんだね……。

「岳くんならひーちゃん家で屍になってるよ!」

「明日体育大会だから~、ものすご~く練習してたんだって~」

「声がかれないように押さえてたーって言ってたけどね。動きとかが激しいって」

 そっかー、明日なんだ、体育大会。

 んじゃ、宿題は『早く寝る』とかかな?

「でね~、宿題は『中学生にお兄ちゃん、お姉ちゃんが居る人はお土産をしっかりと味わう』だって~!」

 何でだよっ!?

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