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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
六月だって暴走中
124/410

124 篠の修学旅行記:民泊の雑談

「うわー、これ美味しい!」

「うんうん、いっぱい食べて」

「はい!」

 少しは静かにしろ!

 ……と、思うだけで口には出さない。

 篠だ。

「いっぱい歩いたから飢餓で飢えそうだったんだ~」

『…………飢餓で飢える?』

 飢餓=飢えでしょ。

「はぅっ! 違うの! 飢餓が飢えそうだったの!」

 飢えが飢える?

「余計におかしくなってるわよ!」

「飢え死にしそうだったの!」

「飢餓を使うのあきらめた?」

 ……とりあえずすごくおなかが空いてたのは分かった。

「あぅ……お、美味しいね! ちゃらんぽらん!」

 ちゃらんぽらん:いい加減で無責任なこと、そのさま。

 意味不明。

『ちゃんぽんね(よ)!』

「あわあわあわあわ」

「とりあえず落ち着きなさいよ!」

「ふぅ~」

「落ち着くの早っ!?」

「あわあわあわあわ」

「慌て直さんでいい!」

「す、こ、し、は、静かに食べろ!」

 まったく、やかましい。

「し、篠が怒ったわ!」

「お、お母さん!?」

「人を勝手に母親にするな」

 長女だから半分癖みたいなものなんだよ!

「いや、だってだって、ねえー? 桜」

「はわっ!? え? 何々? 納豆に集中してたの」

「納豆に集中って……。どこに集中するようなところがあるのよ?」

「ほら、この最後の、ほら!」

 分からないから。

 最後の粒を取るのに集中してたってこと?

「バターのバター焼き……」

『何て!?』

 何でこんなに話がころころ変わるんだよ!

「あ、いや、なんとなく思いついただけだからスルーして?」

「しようにもできないわよっ! 何よそのわけわからない単語……単語? 熟語? 文?」

 バターのバター焼きって……どうなのそれ。できるのか?

「ほら、なんか、なんかわからないけどできそうな気がしない!?」

「わかるよ~」「分からないわよっ!」「…………」

 何とも言えない。

 何このバラバラな意見。

「あ、あのね~、今日バスに乗ってる時に玲奈面白かったんだよ!」

「え? この話終わりなの!?」

 玲奈、しばらくすればきっと慣れる。

「あのね、バスに乗った時椅子がすごく倒れてたからね、戻すためのレバー探してたの」

 ふむ。

「それでね~、玲奈の席、補助席ついてるところだから、椅子倒したり戻したりする黒いボタンがあったでしょ?「ちょっ」それでね~、玲奈ってば「やめ」それは椅子戻す奴じゃないって勘違いしてたの。一回それをポチッて押して、『戻らないじゃない』とか言ってね「止めてって言っ」結局レバーを探し続けるのがかわいかったよ~」

 ポチッくらいじゃ戻らないわな。

「それでね~、わたしが押してあげたんだけどね~。ふふ、ふふ「ちょっと!」その間、ね! ずっと、補助席抑えてたの!」

 補助席?

「だって! あそこを押したら補助席が開くんだと思ってたんだもの!」

「玲奈、顔がイチゴみたい」

「う、うるさいわね!」

 今じゃ白いイチゴもあるけど……。

「そうそう~、このイチゴ美味しいよ~」

「いつの間に食べてたの?」

「ずっと食べてたよ?」

「ん~、あたしもうお腹一杯なんだけどな……」

 茶わん蒸し残ってるな。

「わたしが食べるよ~、貸して」

「え、まだ入るの? マジで?」

 いつもお弁当少ないのに……。

「昼は少食だけど朝と夜はいっぱい食べるよ!」

 なぜ?

「あ、ね~、イチゴ食べるときにさ~、フォークでプスッて刺す感触気持ち良くない?」

 グサッッ

『……プスッ?』

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