122 清と桜の修学旅行記:ホテルだ! ベットだ! 飛び跳ねるのだ!
1女子部屋
「わっ! 和洋室だっ!」
「ベットだ!」
「喧しい」
篠~、ノリ悪いなぁ。
桜でぇす!
「跳ねる跳ねる!」
「やっぱりこれはやら無いとダメだよね」
ホテルのベットってトランポリンみた~い!
何だか筋みたいなのが足から伝わってくるけど……。
「しーちゃんもやろーよ。ほら、…………玲奈さんも!」
忍~? 鈴木さんの名前忘れてたの?
なんかやたら淡々と荷物の整理してたのは鈴木玲奈さん!
不登校だったんだけど……ん~と、何があったのか知らないけど修学旅行には来てくれたの!
「……あたしはやらないから」
「視線はすっごいベットに向いてるよ?」
「べ、別にやりたいなんて思ってないわよっ!」
……これって、もしかして、これって……。
「ふーん、そっか」
「って忍~!」
「へ?」
これはアレだよ! 絶対アレだと思うよ!
「きっと鈴木さんツンデレなんだよ!」
「…………」
こてん。右に首をかしげる。
こてん。左に首をかしげる。
「……つんでれって何?」
『そっからか!?』
「鈴木、ツッコミするんだな」
「ば、馬鹿にしないでよねっ!」
う~ん、それにしても忍はツンデレの意味知らなかったんだね。
純君だったら知らなさそうだけど……。
「忍~、ツンデレって言うのはね、普段ツンツンしててたまにデレ~っとする人のことだよ」
「擬音ばっかじゃん」
これ以外に説明できないんだもん!
「あたしは別にツンデレなんかじゃないんからねっ!」
「んじゃあつんでれを代入し『数学!?』て考えたら玲奈さんはベットぴょんぴょんしたい、となるわけだからおいでよ」
ツッコミスルーしたよね~? 今。
「……玲奈でいいわよ。高山」
「何でこっちが名前で呼ぶのにそっちは名字なのさ」
「え、だって」
「いや、だってじゃなくて」
「だって! 下の名前知らないもの!」
「そこかぁああああああ!?」
自分だって忘れてたくせに~。
2男子部屋
「おーい、じとしもやろーぜ!」
ぼん、ぼん、ぼん、ぼぼん
「何そのまとめ方!?」
純、亮、紫波に決まってんじゃん。
オレと夏はやってんだし。
清だ!
「清、多分それは下にも響いてるぞ」
そんなのオレの知ったこっちゃねー!
だってどーせ下、うちの学校の女子だし。
たしか篠ん所だったし。
「んー……響いてるのなら止めとくよ」
「……シジミ、やろうとしてた?」
「シジミじゃないってば! 紫波だってば!」
今日だけでそのツッコミ何回目だよ。
「俺やめた。後で怒られんのは清だけで充分だしな」
どーゆー意味だよ、おい。
「……暇だな」
「お風呂って何時からだったっけ?」
「五時」
「今は?」
「四時」
うえー。一時間もあんじゃん。
「誰かトランプとか持ってないの?」
「……持ってない」
「てっきり夏が「ねぇよ」うん、オレもねー」
「俺もだ」
「じゃあ僕のを出そ『初めから出せ!』あはは」
やーこいやっちゃなぁ……。