表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
六月だって暴走中
120/410

120 お土産欲しいな

「さて」

「さてさて~」

「明日にーちゃんとねーちゃんは行っちゃう訳だけども」

「逝っちゃうみたいな言い方だね~」

 怖くすんな!

 岳だっ!

「分かった、言い直す。修学旅行に行っちゃうわけだけども」

「お土産に何くれるか会議~」

 と、ゆーわけだ。

 前に聞いたけどさー。イマイチ真面目に聞いてくれないじゃん?

 ガチャポンとか安モンとか安モンとかって。

「お姉ちゃんはいいんだけどね~」

「オレはどっちもよくねぇっ」

 ねーちゃんは終始無言だったんだぜ!?

 聞きに行った時!

 考えてるみたいだったけど……。あれは暗算してる顔だった。

 間違いなくお小遣いの事考えてやがった!

「さてさて~、何かってくれるのかな~?」

「長崎っつったらやっぱカステラだよなー」

「ビードロがいい~」

 ビードロかー。

 ……えっと。

「ビードロって何だ?」

「んーっと~……きつねがつるに意地悪してスープを平たいお皿で出して~、その後でつるに仕返しされるお話あるでしょ~?」

「うん」

 あのつるの仕返しってさ、手で持って飲めばいけるよな。

 ってずーっと思ってんだけど。

「あれのつるが仕返しに使った皿みたいな形のガラスのおもちゃだよ~」

 ……あの絵本についてたやつみたいなのだと……。

「でっか」

「もっとちっちゃいの~。丸い所が手に収まるくらい~」

 ふんふん。

 ……おもちゃ?

「何処がおもちゃ?」

「ミニチュアつる仕返し皿だとほそ~い管がついてるでしょ~?」

 無理やりまとめた!?

 コレだと何かつるがちっちぇー見たいなんだけど。

「あそこから息吹き込んだら音が鳴るんだって~」

「あ、見たわけじゃねーの?」

「お母さんに聞いたの~」

 ふーん。

「ガラスだから乱暴に取り扱ったら割れちゃうけどね~」

「えー。やっぱそんなら食いもんの方がいいな、オレ」

「キレイだって言ってたもん~」

 オレは綺麗より旨い派だ!

「綺麗でも割れたら終わりだろー」

「瓶詰めにするもん~!」

 っておーい。

「何ムキになっちゃってんのお前」

「欲しいんだもん~」

 いや、これで買ってくれるわけじゃあるまいし。

「欲しいんだもん~!」

「オレに言うなよ!」

「違うよ~」

 何で急に小声になるんだよ。

「純お兄ちゃんと忍お姉ちゃんって地獄耳でしょ~」

 そーだな。うん。

 前に宿題の分かんねーとこ聞きに言った時、オレが言うより先に解き方教えてくれてびびった。

「だから普通の声で言えば絶対聞こえてるから~、買わないわけにはいかなくなるでしょ~?」

「……おまーな」

 聞こえて無かったよ設定で買ってくんねーかも知れねーじゃん。

「だってさー、純兄」

『うぇっ!?』

「急にごにょごにょってなったから聞きに来てみたら……」

「あぅ~……」

 あー、逆に怪しまれちまってたわけね。

「ビードロねー。高いのかな?」

『さあ』

「……いや、そう返されるのは分かってたけどさ」

 ガラスで綺麗って何か高そうなイメージあるけどな。

「買ってくれる~? 買ってくれる~? 買って買って~」

「オモチャねだる子供?」

オモチャ(ビードロ)ねだる子供()だもん~」

「……あ、そか」

 おーい。

「もー、しょーがないから買っとくよ。あったらだからね!」

「やった~!」

 えーっ!?

「んじゃオレカステラー!」

「それは元から買うつもり」

「俺等も食いてぇし」

 なんだよ。それ。

「この食いしん坊!」

『お前(テメェ)が言うな』

 にゃはは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ