108 お風呂は罠だらけ?
「うわぁっ!?」
何コレ何コレ!? 髪の毛!?
怖っ!
忍ですっ!
んとね、何かお風呂入って、風呂桶の蓋開けたら謎の物体Xが漂ってた……。
『どうした?』
「お風呂ん中に何か変なの入ってる!」
髪の毛だったらヤだなー。コレ何?
『……親父、風呂ん中に何か入れたか?』
『あー、スギナ入れた。スギナ風呂』
へ?
『聞こえたか?』
んー、あ、ほんとだ。
よく見たら草だ……。
せめて出汁パックか何かに入れてよ!
何も無しでポーンと突っ込まないで……。
「あー、びっくりした。純兄ありがと」
『ん』
『……純、いきなり殴るのはあんまりだと思うぞ』
殴られたんだおとーさん。
うん、とりあえず頭洗お。
シャンプーシャンプー、っと。
ピシュッ
「きゃわっ!?」
何コレ!?
何か前にもあったような気がするんだけど……。
何でいきなりこっちに飛んでくるの!?
『……あっそだ、ねーちゃーん』
「何ー?」
あぁもう、目に入ったぁ。
『ごめん、シャンプーの先っぽ、さっきオレ入った時に折っちまった』
「はぁ!?」
どうやったら折れるの!?
『あははー、そーゆー訳で、気ぃ付けて』
「遅いから!」
『ドントマインド! 略してドンマイ!』
気にするなって……おい。
「やった本人が言うな!」
『……よし、逃げよう』
こら。
もー。ほんとにどーやったら折れんの、これ……。
がん
「いっ!?」
お風呂の蓋倒れてきたぁ……。
何か色々と前にも似たような事があったような気がすんだけど?
さっさと頭洗お。
ピシュッ
「きゃわっ!?」
あぁもう、また引っかかった!
「んーと、リンス」
かちゃ
……水?
「あれ?」
『あ~、お姉ちゃん~』
今度は光かー。
『ごめんね~、リンスなくなっちゃったからお湯入れちゃった~』
「何で!?」
『誰か引っかかるかな~って思って~』
しっかり引っかかったよ!
はぁ……。
「リンス位入れとこうよ」
『めんどくさくて~』
さすが我が妹。
ぜんっぜん嬉しくないけど。
『リンスとろうか~?』
「や、いい。いっそおとーさんも引っ掛けよう」
仕返しはきちんとしないと。
岳と光はもう入っちゃったしなぁ……。
純兄は何も仕掛けてないからやっちゃ悪いし。
……めんどくさいからもういいや。