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第32話【対戦カード発表】

 王都学園の大講堂。

 一年生全員が再び集められた空間は、熱と緊張に包まれていた。


「誰と当たるんだ……」

「Sクラスのいるチーム次第で勝敗が決まるだろ」

「黒髪のCクラス……また見られるのか?」


 ざわめきの中、視線が自然とユウマに集まる。彼は肩をすくめ、内心でうんざりした。


 ……平凡に生きたいって言ってるだろ、俺は


 壇上に立つセシリア教官が、羊皮紙を手にして声を響かせる。

 その声音はいつも通り淡々としていたが、厳しい視線は生徒たちの胸を射抜いた。


「――いよいよ、チーム対抗戦の組み合わせと試合順を発表する」


 ざわつきが一瞬で静まった。



「第一試合――マユミ・シルバーレインのチーム 対 ハルト・オルディアのチーム」


 会場が小さくどよめく。氷と光――冷静な戦術家と万能の支援者。

「これは頭脳戦になるぞ」

「堅すぎる組み合わせだ……」


 リナが興味深そうに呟いた。

「観戦する価値があります。戦術構築の参考になるでしょう」



「第二試合――ユリナ・ダークネストのチーム 対 カズマ・フェルドランスのチーム」


 場内がざわめき、空気が一変する。

「闇と雷……やばすぎる」

「死人が出るんじゃないか……」


 ユウマは無意識に息を詰めた。壇上にいるユリナが、彼を一瞥し、口元を吊り上げる。

 ――獲物を見つけた獣のように。


 ……期待してんじゃねえよ

 背筋に冷たいものが走る。



「第三試合――エリカ・フレイムハートのチーム 対 サクラ・エーデルリーフのチーム」


 一瞬の静寂。そして大きなどよめき。

「炎と風! 真正面のぶつかり合いだ!」

「これは派手になるぞ!」


 ショウが思わず拳を突き上げる。

「おーし! 一番盛り上がる最後に回されるとか最高じゃん!」


 だがエリカは険しい顔をしていた。

「サクラの風は速く鋭い……簡単にいく相手じゃない」


 ユウマは静かに頷く。リナもまた冷静に補足する。

「最終戦は観客も増えます。……プレッシャーは、他の試合以上です」


「だからこそだろ!」とショウ。

「派手に勝って締めれば最高にカッコいいじゃん!」


 あまりの能天気さに三人は揃ってため息をついたが、不思議と心は軽くなっていた。



 セシリアが最後に言葉を重ねる。

「以上の三試合を順に行う。不戦はレイジ・ヴァルハルトのチーム。

 各チーム、すぐに準備を整え、午後より試合を開始する」


 再びざわめきが広がり、生徒たちは解散していった。



 四人は人目を避けて集まり、短く作戦を確認した。


「サクラの風は、斬撃にもなる。接近すれば一瞬で切り裂かれるわ」エリカの声は真剣そのもの。

「その風を受け止めるのが私の役目です」リナが冷静に言い切る。

「俺は正面突破! ぶっ飛ばすだけだ!」ショウが胸を叩く。

 ユウマは苦笑しつつも、「俺は……切り札を出すだけだ」と応じつつ、

「俺の複合魔法はお前たちの連携で発動したように見せかけるからな」

 最後まで平凡を演出しようと悪あがきをしようとしていた。


「……誰も信じませんよ」リナが冷淡に切り捨てる。

「むしろ不自然に見えるわね」エリカがため息をつく。

 ショウだけが「いやいや完璧に誤魔化せるって!」と笑っていた。




 異なる思惑が交差しながらも、拳を合わせた四人の絆は確かだった。


 ――こうして、チーム対抗戦の幕が上がる。



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