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プロローグ
戦場を支配するのは、力だけではない。
策を巡らせ、仲間と共に勝利を掴む。
これは、俺が"ゴミスキル"で"最強"を目指す物語だ。
陽が落ちかけた空が、静かに朱に染まる。
遠くで草が揺れ、木々の葉が微かにざわめいた。
少年は剣を握る。
標的を捉え、刃を振るう。
「レオンは、ちゃんと考えてるよね。
どんなに遠くに行っても、私、信じてるから」
真っ直ぐな視線が、彼を捉える。
「お前の指示は的確だ。
誰がどう言おうと、俺は信じる」
「不思議ね。
あなたの言う通りに動くと、勝てる気がするわ」
レオンは息を整え、剣を握り直した。
“行こう”
分からないのなら、知るしかない。
何も掴めないのなら、掴める場所へ。
旅立ちの日が、迫っていた。