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リクエスト小説シリーズ

公園とコーラと運命と

作者: ダン

「私彼氏出来ちゃった。」


朝の学校、HRホームルーム前の教室でそんな衝撃的な話をしたのは私の親友である海月うづきだった。


「嘘っ!いつ!?」

「えへへ、昨日。」

「何で言わなかったのよ!」

「だってぇ恥ずかしいんだもん。」


私の前で顔を赤くして照れながら話す海月。いつもは可愛く見えるその表情も今日だけは憎らしく見える。


「アンタ昨日優子の彼氏の話になった時「私には綾がいるから彼氏なんていらない。」とか言ってたじゃない!」

「いやね、その夜に前に合コンで仲良くなったイケメンから電話きてさ~何の用かと思って行ったら告白されちった!」

「されちったじゃないわよ。アンタまで彼氏できたらもう彼氏いないの私しかいないじゃない!」


そう、今はまさに告白の季節。しかも私達は今高三だ。もうすぐ卒業となると後輩や同級生がやっきになって狙っている女の子に告白するのだ。私の周りにいた友達も高三になってからどんどん彼氏を作っていき残りは私と海月だけ・・・のハズだったのに。


「何で彼氏作ってるかなぁ。」

「綾も早く彼氏作れば良いのに。」

「それが出来たら苦労しないわよ。」

「綾はえり好みしすぎだよ。顔は悪くないんだからさぁ。」


顔は悪くないってそれは性格ブスだって言いたいの?でもえり好みしすぎかぁ…そんなつもりないんだけどなぁ。そこでチャイムが鳴った。それと同時に先生が教室に入ってくる。


「あっとじゃあ放課後ね。」


海月は隣の教室なので急いで出て行った。そしてまた退屈な授業が始まった。


------------------------------------------------------------


「え~今日買い物に行くんじゃなかったの!?」


退屈な学校が終わって放課後、私は海月に向かって怒鳴っていた。まぁ急な用事が入ったなら仕方ないのだが用事の内容が・・・


「ごめんね。急に彼氏とデートする事になってさぁ。」

「アンタは友情より男を取るの!?」

「この埋め合わせは必ずするから。じゃあね~」


そう言って海月はさっさと帰ってしまった。あの裏切り者め、と思いながらも海月の気持ちは分からないでもないのでトボトボと帰路につく。ふと近くの公園が目に見えた。私は休憩がてらにその公園に入った。


公園では子供達がブランコや砂場で遊んでいた。私はそんな様子を近くの自販機で買ったコーラを飲みながら一人、ベンチでたそがれていた。何やってんだろ私…


「はぁ~っ・・・」

「ため息をつくと幸せが逃げるよ?」

「…ほっといてよ。」


いつの間にか私の横に一人の男が座っていた。彼は片手にコーラを持って私にほほ笑みかけた。誰よコイツ…新手のナンパかしら?


「何があったか知らないけれど憂鬱な時はコーラを飲んですっきりしようよ。好きなんでしょ?コーラ。」

「はぁ。」


たまたま炭酸が飲みたかっただけで別にコーラが好きなわけではないのだけど…めんどくさいから適当に相槌打っとこう。


「何かあったのかい?」

「女友達にドタキャンされちゃってね。周りの子みんな彼氏いるから暇でしょうがないわよ。」

「あぁそれ分かるよ。オレも昔は彼女出来た友達にドタキャンされまくったよ。」

「でしょ!それならもっと早く連絡しなさいって感じよね。」

「全くだ。」


それからお互いに笑った。なんだかこの人と話しているとスッキリしてきた。これもコーラのおかげかな?


「じゃあオレはそろそろ行くよ。」

「待って。名前は何ていうの?」


男は私の方を振り向かず、手を上げて名前を名乗る。


「オレは川平かわひらせい。この公園によくいるから何か嫌な事があったらまた来なよ。」


上げた手をヒラヒラさせながら男は公園を出て行った。聖か…また会いたいな。

私は公園に入る前とはうって変わって上機嫌で家に帰った。



「綾~昨日はごめんねぇ。」


次の日、学校に行くと教室で海月が気不味そうな顔で謝ってきた。


「どうしたのよ急に。ドタキャンされた事なら別に気にしてないわよ。」

「それが聞いてよあの男、実は二股かけてたのよ!?頭にきて平手打ちかまして帰ってやったわ。」

「アンタも男運悪いわね~」

「本当よ。でも珍しいわね~綾が怒らないなんて。まさか男でも出来た?」

「そ、そんなわけないじゃない。」

「怪しいわね。さぁ白状しなさい!」


それから放課後まで私は海月につきまとわれた。でも彼氏か~そういえばあの男の人ちょっとカッコ良かったな。聖とか言ったっけ・・・


「綾~今日買い物行こうよ。」

「ごめん、今日はパス。用事あるから!」

「男!?やっぱり男なのね!?私というものがありながら…」

「だからそんなんじゃないってば!!」


裏切り者~!と後ろから海月が叫んでいるが先に裏切ったのはどちらやら…あっと公園に行かなきゃ。

公園に着くと昨日いたベンチに男の人はいなかった。私は周りを見渡してみる。だがいない。

そうだよね。そうそう来るわけ無いよね…


「あれ?昨日の人…また来てくれたんだ。」


落ち込んでいると公園の入口から聖がやってきた。来てくれたんだ…


「遅いわよ!」

「ごめんごめん。仕事が忙しくてさ。で、何かあったの?」

「うん、海月がね・・・?」


それから私は毎日私は公園に行って聖と会った。楽しい事、悲しい事、イライラした事、たくさんの事を聖と話した。彼の片手にはいつもコーラがあった。そんな充実した毎日から一カ月が過ぎた…


「綾、最近綺麗になったね~?」

「そうかな?」

「うん。前から綺麗だったけどさ~今はそれ以上。まさかバージン捨てた「そんなわけないでしょ!!」だよね~」

「じゃあ私は用事あるから。」

「また~最近付き合い悪いよ~!」

「ごめん。じゃあね!」


それから私はいつものように公園に行く。そこに聖は…いなかった。


「また遅刻してるのかな?」


それから一時間待っても二時間待っても聖は来なかった。夜暗くなってきた所で私は仕方なく家に帰った。家に帰ってから私はお風呂にも入らずベッドに倒れこんだ。どうして来ないのよ…私の事、嫌いになったの?

涙が溢れてくる。私はそのまま次の日の朝まで眠ってしまった。


「綾、昨日とは違ってヒドイ顔だねぇ・・・振られた?」


次の日、学校をサボるわけにもいかずフラフラになりながら行った私を海月は容赦ない言葉を浴びせる。でも・・・うん。


「そうかもしんない・・・」


私はきっと聖の事が好きだったんだなぁ・・・あの時に告白しとけばよかった。私の中でそんな後悔の念が押し寄せる。


「あ、まぁ・・・嫌なことは水に流せって事で今日カラオケでパーっと遊ぼうよ!」


海月が背中を叩きながら私の手を引っ張る。これは彼女なりの優しさだろうと私はそんな親友の様子を見てクスりと笑った。

学校についてある自販機が見える。もうコーラともお別れだな。


「ちょっと綾、あそこで自販機の中にコーラ入れてる人カッコ良くない?」

「そうなのっ・・・・ぇ・・・」

「あ、綾さん。お久しぶりですね。昨日はすみません。実はこの場所に担当を移動になってしまいまして・・・」


学校の自販機でコーラを入れていたのは紛れもない聖だった。私は彼の姿を見た途端走り出す。


「ちょ…綾!?」

「綾さん!?」


私は彼に抱きつく。もう後悔したくない。だから言おう・・・


「あなたの事が好きです。」

「ぇ・・・?」


今度は聖が驚く番だ。いきなり告白されたのだからそれも当然ともいえるが・・・けど私は精一杯の笑顔で彼に言った。


「私と付き合ってください。」

「えぇ~と…とりあえず、」


彼はコーラを差し出してくる。


一緒にコーラでも飲みませんか?


それは私のこれからの刺激的な毎日の始まりだった・・・・

はいきましたベッタベタな王道恋愛。これは私の友人である綾様を主人公にしたリクエスト小説です。みなさん楽しんでいただけましたでしょうか?


もしよろしければリクエストでもくださればまた書きたいと思っておりますので皆さんいつでもどうぞ!しかし・・・ベタ恋愛は良く分からないなぁ・・・

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