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宿命

父は言った。

世界中で起きている血なまぐさい革命や戦争というものは、人間の暗い本能の一部である報復という傷つけ合いであると……

人は怨恨から仇を傷つけたいと欲求し、「正義」という美名で着飾ってお互いを傷つけ合う……そして残されるのはまた新たな報復の種子である。戦争や革命はそんなものではない、家族への愛や止むに止まれぬ理由で戦った人々も沢山いる、そこにある愛を忘れてはならないという人もいるだろう。だが、本当の愛というものはたとえいかなる理由があっても、報復という卑き本能に隷属するものであってはならないのだ。愛は人を癒し許し合う世界の下で永遠に輝く希望の光でなくてはならないと思う。人間が本能を超えてそれを理解した時本当の平和は訪れるのだろう。

残念ながら歴史は進化すればするほど人間社会の残忍さを剥き出しにし、人は黙示録のような社会を絶望的に信仰するばかりだが、多分本当に神というものがいたなら、神はこんな人間たちを憐れむと同時に呆れ返り嫌気がさしているだろう。神は人間社会に手を借したりはしない。神は人間が自分たちの知恵と力で愛の真実に辿り着くことを願っている。人間が信仰してきた神は罰を下してばかりいる残酷な神だがそれは報復という人間の暗い本能を神格化した似姿だからだろう。人間はその時点で過ちを犯していた。人を癒し許し合うことを諭す平和が神格化されていたら人類の歴史は違っていたであろうに……


これから私が語る物語は、人間が生きてきた中で最も残酷なエゴの下で報復の傷つけ合い、血塗られた宿業の世紀に生きた人々の記憶である。この物語を聴くことによって皆が真実の愛を少しでも振り返り考える機会にしてくれたら私は嬉しい。

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