明かされた真実
帰宅した2人は、机を挟んで座る。龍華は真剣な表情で話し始める。
「本当はもっと早くに話そうと思ってたけど、君を狙う妖怪たちが沢山いてね。中々機会が無かったんだ」
「そうなんだ」
「君は産まれた時から狙われてたんだよ」
「そうなの⁉︎」
「当時は守るのに必死で、話す余裕が無かったんだよ」
「僕の霊力ってどれだけ強いの?」
「うーん。例えるのが難しいね。とにかく強かったよ〜。何処にいてもすぐ分かっちゃうくらいさ」
「それで、お父さんとの約束って何?」
「自分が死んだら君を頼むって。立派な陰陽師として、これから先を生きてくれって」
「じゃあ、龍華は何者なの?」
「本当の名前は”青龍”。そして昔は安倍晴明に呼ばれた」
「そんな前からいたの⁉︎ というか青龍って十二天将にいた神様の1人だよね。龍華は何の為に呼ばれたの?」
「悪鬼や邪悪な妖怪から人間を守るために呼ばれたんだ。晴明と一緒にたくさん倒して来たよ。で、晴明の没後、元就が晴明の子孫だったことから、元就と契約した」
「元就って、僕のご先祖様である「菊一元就」さん‼︎」
「彼も非常に霊力が強力だったからなぁ。悟と同じくらい妖怪から狙われてたよ。で、彼の霊力をそのまま君が受け継いちゃったんだよ」
「そ、そうだったんだね」
「ちなみに今の名前は元就からもらった名前だよ。人間になって霊力を感知されないためさ。それに、年を重ねる事は無いんだよ」
「道理で僕が子供の頃から変わって無いと思った。ずっと同じ姿だから不思議だったんだ」
「永遠に生きることが出来るんだよね。でも、正直なところ晴明や元就の死に立ち会った時、凄く虚しさを感じたよ。人間の寿命は長くて100年くらいって聞いたよ」
「100年以上生きる人もいるけど、やっぱり亡くなってしまうと、ものすごく悲しいよね…」
「それも覚悟の上さ。僕たちはこれからもずっと君たちの事を守り続けるよ。だから、これからもよろしくね」
「至らないところがあるかも知れないけど、こちらこそよろしくお願いします」
お互いに頭を下げた。これから何が起きるかわからないが、父親の期待には応えようと誓ったのだった。