表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

青い龍との出会い

菊一神社というところに野中悟という学生が住んでおりました。

彼と病で臥せっている母親がおり、父親は亡くしてしまっていて、1人で生活するには限度があるため、両親の知り合いに生活を支援してもらっていた。


「いってきまーす」


「気を付けてね」


この人物は東蒼院龍華(とうそういんりゅうか)と言う名前で、悟の父親の知り合いである1人。名前から女性だと思われるが、彼は男性である。


「さて、僕も仕事行こう」


着替えて仕事へ向かった。



______放課後。


悟は自宅へと下校する。部活には所属しておらず、家の掃除や境内の整備などで忙しくしていた。


帰り道。道端で人が倒れているのを発見した。悟は迷わず声を掛ける。


「だ、大丈夫ですか⁉︎」


「…すまないが、家まで送ってくれないか?」


「病院に行かなくていいんですか?」


「薬が家にあるんだ… あと少しのところなんだ」


「わ、分かりました。家までお連れします」


困っている人は放置できないと判断した悟は懸命に家まで送る事にした。


「…ここだよ」


一見普通の家なのだが、悟は不気味な気配を感じていた。


(…何だろう。とても不気味だ)


「あ、あの。ここ、本当に貴方の家ですか?」


恐る恐る悟が聞くと、不気味な笑みを浮かべ、人間の姿ではなく別の姿へと変化した。


「う、うわぁ⁉︎」


思わず転んでしまった悟。妖怪は長い舌を出して悟に近寄った。


『遂にお前を喰らう時が来た‼︎ 骨の髄まで食ってやる‼︎』


(だ、誰かっ‼︎ 助けて‼︎)


恐怖で目を閉じる。その時、妖怪が悲鳴を上げる。


『ぎゃっ⁉︎』


舌に切り傷がついていた。悟はゆっくり目を開けると驚きの声を上げる。


「り、龍華⁉︎ 何でここに?」


「そりゃ、主人のピンチに駆け付けたからさ」


「しゅ、主人って? 僕が?」


「他に誰がいるって言うんだい?」


龍華が悟の前に立っていた。妖怪は龍華を警戒して、後退りした。


『き、貴様‼︎ 何者だ‼︎』


「この姿じゃ、分かんないよね? これを見たら流石の君でも分かるんじゃない?」


左腕の袖を捲り上げ、手袋を取った。それを見た妖怪は驚愕していた。


『ま、まさか⁉︎ 貴様…』


「お察しの通り。今はこの子の守護神やってるよ」


『くそっ‼︎』


悔しがる妖怪を尻目に、龍華は悟の容態を見た。怪我が無いので安心した。


「よかった。怪我はしてないみたいだね」


「龍華。一体どうなってるの?」


「説明は後でするよ。だけど今は彼を倒す事が先決だよ。悟、動かないでね?」


「う、うん」


龍華は妖怪の頭上まで飛び上がった。呪文のようなセリフを使っていた。


「木術 木ノ葉手裏剣‼︎」


葉っぱが妖怪の頭に命中し、急所を突かれたのか、悲鳴を上げながら消えていった。


「…ふぅ。これで終わりっ‼︎ さて、帰ろうか」


「龍華。助けてくれてありがとう」


「当たり前さ‼︎ 僕は約束してるからね。天海と」


「え? お父さんと?」


「まぁさっきも言ったけど帰ってから話すから。僕が何者なのかもね」


龍華は悟の隣に付いて、自宅へ歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ