表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/50

精霊の気まぐれ

自分のことを知るために、話し込んでしまっていたら


ガサガサ

急に近くで何かの動く音が聞こえたため、話していたアレク兄様の動きが止まる


しまった!話に夢中で注意を怠っていた!

魔力に限りがあるから気配探知も切ってしまっていた


ドキドキしながら息をひそめる


ふと、うめき声のような声と、枝のガサガサ言う音が聞こえた


気配を消す魔法はかけているが、確実ではない


それに魔物も0ではないのだ。今ここで魔物が現れたらひとたまりもないだろう


思わずアレク兄様にしがみつく


彼はギュッと守るように私を自分の後ろに隠す

いざとなったら魔力枯渇覚悟で戦うしかない


ガサガサがさと枝で葉を払う音が聞こえ、ふと私達の前に血だらけて黒髪の兵士のような若者が飛び出してきた


エルミーナからみると背は高いが、顔は幼く見える

少年??アレク兄様とさほど変わらないボロボロの少年だった


敵?味方?思わず身構えるが、相手もまだ子どもだし判断かつかない


「姫様〜グズッ‥‥ズズズ」

え?なっ泣いてる?目を見開いてアレク兄様を見上げると、


「あっあれは確か‥‥彼は大丈夫だ!ジョン!こっちだ!」


と声をかけた


「!!え?王子?どこですか?うちの姫様は?」


キョロキョロとあたりを見渡しながらジョンと呼ばれた男は私達を探している


気配を消す魔法をこっそり解除した


「わあ!こんな近くに!見えませんでした!姫様!?無事で良かっ‥‥ぎゃー!!姫様!血!血!血が!!」


うっうるさい。私の関係者だったの? 

誰この人

王子の後ろに慌てて隠れる


「エルミーナ大丈夫だ!この人は僕たちの幼馴染でもあり、君の護衛なんだ。」


ちらりと王子の後ろから黒髪の人を見ると、目に涙を浮かべて私を見ている


洋服はボロボロで血だらけ


よく見ると右足を引きずっていて、右手は骨折しているようだ


「姫様無事で良かった〜馬車から落ちたときはもうダメかもと。もし姫様に何かあったらと、ううう」


この子も落ちたのだろうか?それでもその酷い怪我で私を探しに来てくれたらしい


「すぐ他のやつも来ますんで!」ジョンと呼ばれた少年はそう言うと、首にかけた笛を吹いた


「これで大丈夫ですからね?」

ニコリと笑った少年の顔は尋常じゃなく青いことに気が付いた  

かっ顔色が悪い…この子ケガは大丈夫なんだろうか

早く治療しなきゃだけど‥‥


「アレク兄様は魔法を使えるの?」


「えっ?魔法?一応王族だから少しだけ使えるけど」


「この人凄い怪我してるから」


私が指差すと王子が困ったように答えた


「ごめんねエルミーナ。魔法で傷を直せるのは魔術師や協会の中でも極少数で、僕には使えないんだ。

光魔法の魔石があれば少しくらいは治療できると思うけど。帰ったら急いで医者を呼んで診てもらおう」



「そっそうなんですか」



なんですとー?魔法で傷を治せる人が少ない??

光魔法のヒールなら冒険者になってすぐ皆覚えるほどの初歩的な魔法だったはず!


もちろん不適合はいるし、人によって効果に違いがあって、熟練度や魔力の質や量で治療できる怪我の程度は変わりはしたけど 


王族だからてっきり魔力量も多いし、複数属性を使えるものが多かったから、てっきりできるものだと思いこんでた


「実は世界の何処かにどんな傷でも治せる聖女様がいるという伝説はあるけど。


僕たちが起きた時に血の跡はあるのに傷はないから、もしかしたら本当に居たのかと思って驚いたんだけど‥‥


精霊の気まぐれかもしれないね」


精霊の気まぐれ‥‥極稀な確率で起こる事項のことだよね?えっ?


「姫様〜ご無事で良かった。僕のことを心配してくれてるんですか?姫様さえ無事なら僕は嬉しいです!でも、心配してくれるなんてやっぱり姫様は優しい!」


少し乱れてきた息を吐きながら少年が嬉しそうに言う



だめだ!このままじゃこの人危ないかも!


我慢強いのか辛さを感じさせないが、唇の色は青く、右手の先の色も紫色になっている。かなり酷い怪我だ

私が治すしか‥‥


「あっ!姫様皆が来たみたいです!」


少年がそう言うと、ざわざわとした音ともに


「殿下ー!!!」

きれいな女性の騎士と、男の騎士が四人ほど駆けつけてきた


「殿下!よくご無事で!」男の騎士の二人は白い鎧を着ていて、どうやら王子側の護衛の騎士らしい

王子と状況をやり取りした後一旦前の街へ移動しようと話をしている


あ~なんとか助かりそうだそう思いボーっと皆の後ろに突っ立っていた


「うちの姫様に怪我させたやつは、やすやす逃せませんよ!」

時折少年が声を荒げている

結局怪我もひどいし、私達と共に少年ははそのまま街へ移動後帰還するらしい


上に一台ある馬車と、護衛の使用していた馬数頭は無事らしい


とりあえず馬車で私達は移動するということになった

この話し合いの間にもジョンと呼ばれた少年の顔色が悪くなっているのが気になった


はやく治療しなきゃ!


「では上まで戻るのに我々が抱えますので!」と、護衛と王子達が話し合っている隙をみて、私は少年の後ろに立ち、静かにヒールをかけた


うちの護衛は誰が私を連れて上がるかで揉めているため気が付いていないようだ


あっ!しまった‥‥


ジョンの怪我が見た目以上で治療にごっそりと魔力を使ったらしい


ヒール後フラフラとめまいがしたと思うと、視界が暗転した



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ