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状況把握


大体の状況は理解できたが、この子は命を狙われてるっていうことだ


問題は今からどうするかだけど

彼を狙ったのだとしたら、まず死んだかどうかの確認に来るのではないだろうか?


敵さんも探しに来るだろうし、もしかしたら味方が先に探しにくるかもしれない


味方のフリした敵もいるかも知れないし、出来れば中身が大人な私が協力してここを乗り越えたいところだ


が、いかんせんこの体の記憶がないため敵味方の顔がわからない


そもそも、私はどこに帰るのだろうか


つい先程まで家族といたはずなのに、まさかこんなことになるなんて


魂が輪廻を回るということが本当だったとは‥‥

亡くなれば植物のように土に還るだけだと思っていた


そういえば、昔勇者と旅を終えた後に会った異世界の聖女が、転生という異世界に記憶を持って生まれ変わる物語の話を良くしていた


紙ができたら物語を作ると意気込んでいたな


見ることなくマリアは亡くなったけど


でも、なんの因果かそしてエルミーナに転生したなんて


もしかしたら目覚める前のこの体の私は瀕死の状態だったのかもしれない

命が脅かされ魂が傷ついたことで、前世を思い出したのだろう。これが転生というものか?聖女の受け売りでよくわかっていないけど


どうして現在の方の記憶がないのかはわからないが、


どうも幼女くらいの体つきであることから恐怖のあまり自分を封印しているのかな


「エルミーナ?」


ふと声がかけられ顔をあげると少年と目があった

心配そうな表情だ


ところでこの少年は誰なんだろうか?馬車も同じなことからやはり兄なのだろうか?


名前すら思い出せない少年の顔を無表情で見つめる


「エッエルミーナ??ホントに大丈夫?あの高さから落ちて命が助かっただけでも運が良かったとは思うが、どこか痛い‥‥あれ?」


自分の体に痛みが無いことに気が付いたのか、急に体の確認をはじめる


ヒールは傷は治すが、すでについた血は無くならない


体の血を手で拭い、傷がないことに気がついたようだ



「なっなんで??」


ヒールで治したと言おうとして、記憶の無い状態で余計なことを言うのはやめようと口をつぐむ


「エルミーナちょっとごめんね」

そう話私の手の甲の血を拭き取り傷がないことを確認して目を見開いた


うん、きれいなブルーだなと、見つめていると


「エルミーナの傷もない‥‥目が覚めたも時、側に誰か居た?」


フルフルと首を振って意思表示をすると


「そうか‥‥」


と少年は考えこんだ5分ほどそうした時だろうか?


遠くの方で男のものらしい声が聞こえた

ビクリッと少年の体が揺れる

気配探知を使うと、成人男性が四人ほどこちらに向かっているのが見える

敵なのか味方なのか見た目だけではわからない

ガヤガヤとした気配と話し声が時々聞こえる


聴力強化の魔法を自分にかけ会話を拾おうと聞き耳をたてる


「ガキがこの高さから落ちたら助かるはずねーだろぉ!」


「だが、遺品でも見つけないと向こうは納得しないわけだわ」


「報酬もらわなきゃ割に合わないだろう くそ!話が違うしよ〜仲間何人やられたと思ってんだよ なんでもいいんだから探せよ」 


「服の切れ端でも、落ちた証拠があればいいんだからよ!女側の護衛もいたなんて、強すぎだぜ」


「早くしねぇと駆けつけた騎士の奴らがここに探しに来るはずだ。足止めもいつまで持つかわかんねーぞ」


「一番いいのは死んでるやつを見つけることだが、とにかく何か見つけて先に引き上げるぞ」


探しながらこちらに向かっているので歩みは遅いが、

どうやら盗賊が来ているようだ


話の内容からしても、少年の言うとおり雇い主がいるようだ


一瞬だけ男たちの怒鳴り声かすかに聞こえた事で、少年の顔もこわばっていた


トントンと肩を叩く


私を見て、はっとした顔をしたあと、

「僕が守るから大丈夫だよ」

と微笑んで見せる


この子なんていい子なんだ〜自分も怖いだろうに

息子たちのことを思い出しながら、思わず頭をなでたくなった

とりあえずなにか対処をしよう


少年と私の体を見る


頭を触ると私は後頭部に大きなリボンをしているのかわかった


少年は破れた上着でいいだろう


リボンを無理やり引き抜き、一緒に抜けた髪の毛とリボンにおでこの血の塊をゴシゴシと擦り付ける


「ねえ上着脱いで?」


「えっ?」


「いいから早く!」


少年から上着を受取ると、破れたところに指を入れ、穴を広げ、

「ちょっとゴメンナサイ」


と先ほどと同様に上着に汚れをつける


床に置き、上で数度ジャンプして汚したあと、先ほどの少年のいた木のしたに私のリボンを置き 川の見えそうなところに片方の靴を脱いで投げ入れる


1番近い枝に上着をエイヤ!と投げ引っ掛けると 


少年のところに戻り、唖然としている少年の手を引きながら

手短な木の裏に隠れた


気配を消す魔法を自分たちにかけ息を殺す


「エッエルミーナ!?」


驚きを隠せてない少年に、


「しっ!もう少し待って!静かにして!」


と指を唇に当てながら気配を消していると、男たちの声が近づいてくるのがわかる


少年にも聞こえる距離まで来たためか、グッ!と私を抱きしめるように少年が覆いかぶさり目をつぶる


ホントにこの子いいこーだわ


謎の感想を抱きながら、

少年の腕の隙間から様子を伺った


「あっ!兄貴!これ!」

一人の男がどうやらリボンと上着を見つけたらしい


「でかした!あーこの出血じゃ生きてないだろうな」


「木にひっかかっていたのか何かわからんが、川に落ちたんだろうな」


「兄貴!川の中に靴らしきものもありますぜ!」


「やっぱりな!流されちまったか!ガキ2人だったな?まあしかたない」


得意げな声を出し盗賊たちがリボンと上着を回収する


「靴はいいだろう!よし、急いで撤収するぞ!モタモタしてたら兵たちが来るだろうからな」


男たちは来た道を急いで引き返すのが見えた


ふー安心し一息つくと、未だ唖然とした顔をしたしている少年がこちらを見た


「エッエルミーナ?君は一体‥‥こうなるとわかっていてさっきの上着とリボンをよごしたのか?いや、流石赤熊の勇者と言われるお方の娘‥‥」


ぶつぶつと少年は呟く


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