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側妃様のパーティー2

アンジェラはなぜか目をキラキラさせ、うっとりとこちらを見ている。


マリエラみたいにうちのお兄様達の誰かのこと好きなのかしら?たまにいる三兄達のファンとか?


引きつりそうになる顔に力をぐいっと入れながら、聞き逃した自己紹介は諦めて、皆の自己紹介を必死に聞く。


このテーブルには、公爵令嬢の私を筆頭に、侯爵令息、伯爵令嬢一名、伯爵令息一名、子爵令息、子爵令嬢、男爵令息2名かいた。


男性の方が多い。子爵以下の人達は、えらく緊張しながら、私に対して自己紹介を述べてくる。


一応アレク兄様の婚約者候補というのが効いているのか、王家の血が入っているからか。そこまでガチガチにならなくても。と思うほどだ。


自己紹介は滞りなく終わり、皆で当たり障りなく会話する。


ユリアーノの席の様子は気になるが、見ないようにした。ロバート殿下とも目が合いたくないし。


席にいる公爵令嬢、侯爵令嬢もまた、ロバート殿下とギルバート殿下の相手として側妃様が考えている相手なんだろう。二人共確か中立派のところだったはず。 


皆の話を聞いているふりをしながら、ふふふと微笑み、他の事を考えていると、アンジェラが話しかけてきた。


「エルミーナ様も王立学園へ行かれる予定なのですよね?」


「一応そのつもりですわ」

「私!一緒のクラスになれるようがんばりますわ!」


「楽しみにしておりますわ。」


「ランカスター家の妖精と、同じ学年だなんて本当に感激で。」

目を潤ませ、顔を赤らめつつ、興奮しだしたアンジェラが身を乗り出してくる。


「妖精?なんですの?それ。」

思わず聞き返すと慌てたアンジェラが自分の口を押さえる。

「エルミーナ様の事ですわ。」


は?なにそれ。こちらは中身がそこそこいい歳のマダムですわよ。妖精って。

「妖精だなんて。はっ恥ずかしいですわ。」


「そんな!イメージ通りですわ!美術館の絵で拝見したときから私すっかりファンになって」


ん?ちょっと待って?いまなんと?


「私もお父様と見に行きました。」

「僕もです。」


何人か口々に言いだした。見に行く?なにを?


「見に行くとは??」


「美術館の絵ですわ?もしかしてご存知ありませんの?」


「えっ?」

私以外の人達が顔を見合わせ、驚いた顔をする。


美術館の絵と私に何が関係あるのか。


「昔ランカスター家が出資した画家がいまかなり有名な画家になったんですが、その画家が初めて描いた人物画がエルミーナ様なんです。」


横から侯爵令息が説明する。「2枚描かれて、一枚は公爵家に、一枚は美術館に飾られていると聞きました。」


「え?」


「その絵の名前が、ランカスター家の妖精。ですわ!」


なっなんと!はっ恥ずかしい!

驚きと羞恥で頬が染まる。


全く知らなかった。


「知りませんでしたわ。」

頰を紅く染めながら他の人を見ると、なぜかテーブルの皆の頬も紅くなっている。


私の恥ずかしい気持ちがうつっちゃったのかしら。


とりあえず、絵は今度見に行くとして話題を変えなきゃ。そう思っていると、


パンパンと側妃様が手を鳴らす。


皆が注目すると隣にいた男性が声を上げた。


「皆様お話中申し訳ありません。こちらに立食パーティー形式で、スイーツなどを用意しました。ぜひお召し上がりください。」


そういいつつ奥を指し示すと色とりどりのスイーツや、軽食、ジュースなどが用意されている。


「わぁ!」

同じテーブルの子ども達が嬉しそうに声を上げた。

そわそわしている。そりゃそうだ。まだ幼い子ども達だしね。


「どうぞお召し上がりください。」


声の合図と共に、周りのテーブル含め、数名の子ども達が急ぎ足でスイーツコーナへ向かう。


そこはやはり教育の差なのかしら。マリエラや、ギルバート殿下の席の令嬢令息などは慌てた様子はない。


私の隣のアンジェラはソワソワしているものの、我慢しているようだ。


我慢は良くないよ?


「アンジェラ様も行かれては?」


「え?いやでも。エルミーナ様と同じテーブルになったのに。立食パーティーになるなんて寂しいですわ。」


「では一緒に行きましょう。」


「え?嬉しいです!」


アンジェラとともに立ち上がると、一斉にテーブルの皆も立ち上がった。


もしかして私が立たないと行けなかったとか?

チラリと皆を見ると皆も私を見ている。


わかったわかった。私が先に行きますわよ。


なるべく優雅に見えるように微笑みながらゆっくりと動くと、皆も一緒に付いてきた。




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