お茶会
「エルミーナ!」
「あっマリエラ!」
側妃様のお茶会へ到着すると、偶然マリエラと一緒になった。
予言書を見に行ってから数ヶ月、交流を深めていた私たちはお互いを呼び捨てる仲になっていた。
あれから手紙のやりとりは続き、何度か自宅へマリエラを招くことはあったが、家庭教師の件や魔塔からの先生のことなども重なり、予言書は読めていない。
マリエラいわく、今回のお茶会の事は特に書いてなかったと言っていた。
今回は子供同士の交流ということで親の付き添いはない。
各自宅にに王宮からの迎えが来たりと、結構な手の込みようだ。
「心細かったからすぐに会えて嬉しいわ!」
「マリエラったら。私もよ。」
勝ち気に見えたマリエラは関われば関わるほど魅力的で、好奇心旺盛で、素直で頭もよく、裏表がない。
「席なども決まっているのかしら。」
「わからないわね。」
「近くが良いわ。」
「私もよ。」
交流会の名目上立食パーティーなのか、あからさまに王子達のところへ座らされたりはないと思いたいけど。
入口へ行くとテーブルの上の封筒を選ぶように説明があった。
私はほぼ手渡しのような感じだったが。
席次表が渡され、王子たちが番号に座ってからその後で私達が封筒を開け座っていくらしい。
一見、運次第のランダムに見えるが、私はほぼ選ぶことができなかった。
実際には選べたのは選べたが数枚差し出してきた中から1枚選んだだけだ。
透視能力で中の数字を読むと、9 10 12 15 16だった。
とりあえず9番を選ぶ。
席は円テーブルで、各テーブル8名ずつだ。
マリエラはランダムで3番を選んでいた。
簡単な透視の魔法で触れた対象のみ読み取ることができる。
なんとなく嫌な予感がしたため、飲み物を取るふりをして、別の子がテーブルに置いていた封筒と自分の封筒を入れ替えた。
28番か。マリエラとは離れてしまうことになるが、王子たちに囲まれたくないし、仕方ない。
お茶会開始まで、ドリンクを飲んでいると側妃様が現れる合図があり、皆一斉に頭を下げた。
「顔を上げて頂戴。今日はこれから同じ学びを迎える子ども達が不安なく通えるようにと開いた交流会よ。是非楽しんで皆と仲良くなって頂戴?席は入口のところで自分で、ランダムに選んだわね?いつもなら私達貴族は派閥や、位の近さで席が決まるわ。でも、学園では身分を重視せず皆一人の人間として、学びを受けるものとしていろいろな人と交流してほしいと思っています。だから今日はランダムな席にさせてもらったわ。」
微笑みながら側妃様が扇子で王子二人を手招きする。
「皆も知っての通り、私の息子のロバートと、ギルバートよ。ギルバートは皆と同じ学年になるの。是非仲良くしてほしいわ。そしてロバートだけど、先輩として色々皆にアドバイスをしたいと急遽参加になったのよ。ごめんなさいね。二人は余った封筒をもらったから、先にこの2人から封筒を開けてもらうわね
ちらりとこちらを見るロバート殿下と目が合ったような気がして慌てて逸らす。
ワクワクした顔で開けているギルバート殿下は、おそらく何も知らないのであろう。子供らしい表情でカードを取り出している。
ロバート殿下の方は子供にも関わらず胡散臭い笑みを張り付けながら封筒を開封していた。
「あっ!僕は11番です!」
ギルバート殿下が、答えると、ロバート殿下が
「僕は14番だな。ギルと同じテーブルだ。」
と微笑む。その様子に何人かの女の子達がほぅとうっとりした顔で見ていた。
王子たちがテーブルへ移動すると、側妃様の合図で皆が封筒を開けだす。
番号を伝えると席に案内されるようだ。
ちらほらと数名が座りだしたので私もちらりとマリエラを見ながら開ける。
「私3番ですわ!」
そう言いながら私の手元を見つめるためゆっくりと封筒を開ける。
ふと王子たちのテーブルを見ると、案の定、同派閥の者たちと、公爵令嬢、侯爵令嬢がすでに座っていた。
何がランダムよ。取り込みたい子達ばかりじゃない。
「私は28番ね。」
そう話、移動しながら再び王子たちを見ると、私の9番の席には私が番号を交換した子ではなく、あの水色の髪の男爵令嬢が座ろうとしているとこだった。
「あれ?」
「ん?どうかした?」
「あっいいえ。なんでもないわ。マリエラまた後でね。」
そう言って28番の席を探し、着席する。
ロバート殿下が、こちらを見て驚いたような表情を浮かべているのが見えた。
ロバート殿下もグルってことなのね。




