どうしましょう
「さてとどうしようか」
彼に浮遊魔法をかけ木から降ろすのはやや負担が大きいが、かと言って、この体で木に登り、彼をかかえるなんてことはできないだろう
枝を切り、彼を落とすにしても下が川のため、落ちないように結局魔法を使うことになる
子供の体だから筋肉もなさそうだ
困った‥‥‥
木の下であーでもないこーでもないと、一人唸っていると、
「ううっ‥‥」
頭上から声がして驚いて見上げる
ゆっくりと瞼が開き、空色のきれいなブルーの眼とバチッと目があった
「エルミーナ!!」
目を見開き、起き上がろうとした少年が、バランスを崩す
「あっ!危ない!」
木からずり落ちそうになり、あわやというところで逆さの状態の足が枝に引っかかった
あ~落ちなくてよかった。心臓に悪い
「なっ!川?なんだ?木の上??」
暴れると枝も折れそうだ
そう思い見ていると落ちつかすように一度深呼吸をし、
ひょいっと逆さの状態から体を起こすと、くるりと回って近くの枝に掴まり体勢を整えたあと、するすると木から降りてきた
おおー!すごい!心の中で思わず拍手する
「エルミーナ?無事か?」
心配そうな顔で走って近づいてくる少年を見ながら、そっかー。私エルミーナっていうんだー。なんて呑気に考えていた
「エルミーナ??」私に近づいた後、彼が目を見開き息を呑んだ
ん?どうした?不思議に思っていると
「頭を打った?ケガしているじゃないか!」
真っ青な顔で今にも泣きそうな辛そうな顔をしながら私を見る
「あっ‥‥‥血の塊は付いていたけどケガは特にないよ」
そう返すと
「そうなの?血が付いてるから驚いたよ」
彼は、少しホッとしたような顔をしてみせた
「無事でよかった!足は動く?」
「うん」
「では少し場所移動しながら話そう」
少年はそう言いながら周囲をキョロキョロと警戒するかのように見渡し、おいでと手招きをした
そして私の目線に合わせるようにしゃがみ込むと
「エルミーナ!どこか今痛いところはある?事故の時のことは覚えてる?」
と、私に尋ねる
フルフルと顔を横にふると、頷きながら
「そうか。あれは多分僕を狙ったものだと思う。怖かったよね。巻き込んでしまってごめんね。」
と頭を下げた
彼の説明によると盗賊の振りをしていたが、雇われた者たちである可能性か高いという
馬車を止めたとき、男たちは2台動いていた馬車の中を覗き込み、後ろに乗っていた少年を窓から見つけると
「こっちだ!」と叫んだのだとか
ドアをこじ開けようとガンガン岩のようなものをぶつけ、隙間から手が入り、ドアの鍵を開けたところで急に馬車が動き出したようだ
そして前の馬車を避けるようにがけの狭い道を大回りで通ったため、脱輪し衝撃で乗っていた私がドアから外へ飛ばされたのだとか
とっさに私に手を伸ばし少年も一緒に落ちたらしい
彼は誠実なタイプなのか、上記のことを私にわかりやすく言葉を選びながら説明した
「多分君の護衛の一人かとっさに僕達を逃がそうと、前の馬車を避けて走らせようとしたんだと思う。馬車を逃がすように指示していたから。」
悲しげな顔で彼はそう話した
何か訳ありな感じだ




