新しい先生
「あははは」
こうなったらごまかし笑いだ。
ルドルフもといルドルフ先生は手を離さず嬉しそうに私を見つめ、
いつもおっとりなバーバラ夫人が今にも倒れそうな顔色で私を見つめ、
お母様はどうしたらよいのかとオロオロしている。そ
カオスってこういう事言うんですね。
先生いい加減手を離してよ。おたくのお母様なにか勘違いされておりますよ。
はぁ〜とため息を再びついた。
「うふふふ。そういうことだったのね」
あの後お母様とルドルフ先生により改めて契約書をかわした。
その際に色々説明したことでなんとか誤解は解けたよう。
「そんなに古代文字って難しいのね。知らなかったわ。たしかにうちの図書室にも昔の古い本も置いてあるけど、手に取ったことがなかったわ。ミーナったらすごいのね。」
普通に感心したような声色でお母様が言った。
「表紙が読めただけなの」
昔の記憶を思い出してから目立ちたくないのにうっかりしすぎて目立ってしまっている。
まだ5歳という年齢ということもあって、余計に目立つのだろう。
年齢が上がれば平凡な私は埋もれていくと思うが、過度な期待をかけられるのは怖い。
お母様はおっとりとして受け止めてくれるが、内心どう思っているのかは不安だ。
バーバラ先生もルドルフ先生も過大評価しすぎて。
「そういえば。あなたに側妃様からお茶会の招待状が届いたわ。」
「え?」
危ない!お茶を吹き出しそうになったよ。
「お父様が帰宅したら相談してみるけれども、直接届いたから断るのは難しそうなの。」
「私アレク兄様の婚約者候補なのにですか?」
「ええ。表向きは未就学でもうすぐ学校へ通う予定の同世代の子たちを集めて、子供同士の交流会というものだから断りにくいの。」
「それは確かに。」
「第三王子で側妃様の次男である殿下は、貴方と同じ学校に通うようよ。でも仲良くするなとは言わないわ。同じ学年になるんですものね。あなたが誰と仲良くなっても私達はあなたの味方よ。」
もしアレク兄様に今何かあって代わりに王太子になるとしたら、第三殿下ではなく第二殿下だろう。
とすれば後ろ盾が欲しいのは第二王子の方だ。今回就学のための交流会だけど、もしかしたら顔を出すのかしら。
なんだかめんどくさいことになりそうね。
どちらにしろ行かなきゃ行けないのだし、考えても仕方ないか。
「わかりました。」
「またドレスなどは一緒に準備しましょうね。」
なんだか記憶が目覚めてから色んなことが起こるわ。




