木の上の少年
少年が見えるところまで近付く。
川に落ちないように気をつけながら木の下から顔を覗き込んだ
うーん12歳くらいかな?
下から見上げる少年の年齢はそれくらいに見える
もしかしたらもう少し下かもしれない
整った顔をしている
顔にかかる髪が時折揺れることから呼吸はしているようだ
この少年も高級そうな品のある服装をしている
目の色はわからないが、髪はブロンドだ
ふと自分の髪を取って見るが、銀髪だ。もしかしたら兄とかだったりするのかと思ってたが、違うのかな?
両親の髪色を知らないし、まだわからないけど‥‥
生い茂る木々と、自分の身長の低さから、見える範囲は限られているが、少年のいる木の周りにも枝が折れたものが沢山散らばっている
川の流れの先に馬車の車輪が一つ落ちて居たのが見えた
馬車が滑落したとしたら、もう少し破片や残骸がありそうなものだし、車輪が外れ、人がその反動で落ちたとしたら、もう少し崖に近いとこに落ちそうなもんだが。
うーんスピードでも出していたのだろうか‥
「でも絶対馬車の事故よね?‥‥‥多分」
やっぱり車輪が外れたのか、盗賊に襲われたかしたのだろうか?
しかし、自分と少年の、年齢を考えると大人も一緒にいたはずだ
周りを見渡しても大人らしき姿はない
あっ!もしかして子供で体重が軽いため飛ばされた?
ともかくこの子供がどのような関係の子供かはわからないが、一緒に事故にあい、崖の上から落ちたのとか?
なら大人が生きていれば迎えに来てくれるのかしら
下から再び見上げながら、まずどうやって少年を降ろしたらいいのか考えた
このままにしておくのは危ないし、怪我もしてるかもしれないしね
この少年と私の関係も知りたい
「うーんでもなぁ」
彼を浮かせることも出来なくはないが、今の自分には魔力の負担が少し大きい気がする
自分を浮かせるのと、他人を浮かせるのでは負荷も違う
うまくできなければ落としてしまうし、川に落ちたら引き上げる力はない
とりあえず、上から落ちたなら体も痛いし、見えない出血とかもあるかもしれないから、まずは治療かな?
魔力消費の少ないヒールを少年に向かってかける
眉間のしわが少し和らいで見えた




