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ヒロイン2

子供たちと挨拶を交わしながら、キョロキョロし過ぎないよう令嬢を探す


マリエラ嬢は案外しっかりしていたが、同じくらいの歳の子は皆まだ幼く思わずニコニコしてしまう歳下の幼子や、少し歳上で恥ずかしそうに挨拶してくる子、私に対してすでに取り入ろうとする子、何も考えてなさそうな子など様々だった



そういえば招待客は小規模で、何かしらに家紋に関わりがある子だと言っていた


ということは、先程の女の子は何かしらの関係者ということになる


兄と何を争っていたのかはわからないが


やや下を向きそんな事を考えていると、目の前に薄水色の髪が見えた 


「あっ」

顔を上げると目の前に先程の子が立っていた

少し会釈をする

「はじめましてエルミーナ・ランカスターです。あなたは?」

「ユリアーノ・トランチェスです。はじめまして。本日はお誕生日おめでとうございます」


ニッコリと微笑みながら挨拶をしてくるユリアーノの目が笑っていないことに気が付きゾクリとする


子供相手なはずなのに、少し後ろに下がってしまう程の圧力だ


まるで探るように私を見る


なぜだかゾクゾクするものを感じ、ピクピクひきつる顔を必死で隠す


「エルミーナ様とお呼びしても?」

かわいらしく首を傾げながら聞いてくる


「え?ええ。私もユリアーノ様とお呼びしてもいいかしら?」


「ユリアと呼んでください〜!ところで」

指を顎に当てつつ見つめてくる何かを思案しているようだ

「ところで、先ほどお話されていた方はマリエラ・カルロスであってます?」


唐突な呼び捨てに面食らう

トランチェス家は男爵家で、カルロス家は伯爵家だ

雑談の中とはいえ、よくも知らない私に対して呼び捨てにするのはいかがなものか?

そう思ったが、相手が同世代の子供であるということを思い出す


「えっええ。マリエラ・カルロス様です。ご存知ですの?」 

「え?ああ。いえ初めてです。エルミーナ様は仲がよろしいのですか?」

「今日初めてお会いしました。仲良くなりたいと思っています」

「仲良く…。ねぇ」

何か含みのある言い方に眉をひそめる


「何かありますの?」

思わず自分でも低い声がでた

私のその声に少し驚いた様子を見せる

「いえ?何もありませんが。何かマリエラ様からは言われなかったんですか?」

「言われる?挨拶と雑談しかしておりませんわ」

「そうですか」

再び思案するように目をくるりと動かす

同じ歳くらいなのにマリエラ嬢とは違った意味で落ち着いている


まるで中に大人が居るような


「エルミーナ様に少しお聞きしたいんですけど〜」

ふいにユリアーノ嬢が話だした


「え?あっはい」


「東京って知ってます??」


「ときよー?知らないです」


「ん?なら、テレビは?」

「テレビ??わかりません」

聞いたことない言葉の連続だ。何か話すたびにじっと見ていて不快になる


「なら、最近事故に遭いました?」

「え?」

先程のマリエラ嬢にも聞かれたが、事故の時に私がいた事はあまり公にされていない。


後に組織が壊滅していたことなどもあり、謎に包まれたままだ。背景に側妃様が絡んでいるかも知れないと、内密に調べられている


それなのに5、6歳の子がなぜ知っているんだろう


私の表情を読み取ったのか

「やっぱり。でも反応的に違いそう!うーんでも生きてるのよね。あの人も足を引きずってないし、どこで狂ったのかしら?話が進まないじゃない」


まるでそこに私がいないかのように思案する


「さっきから何を?」

不快さを隠さずそう言うと、

「あっ?独り言です〜まぁまた学校に行く年齢が来たら会いましょう〜それまで無事でいたら良いですわね〜ではぁ」


少し間延びのする話し方と、急に私に興味を失ったかの態度を出してそそくさとユリアーノ嬢は私から離れていった

終始気味の悪い視線に、じっとりと汗が出ていた



「なっなんなの?あの子」

無事でいたらなんて気味が悪いし、失礼な挨拶だ



「姫様!」

ジョンが小走りで近づいてきた


「先程の男爵令嬢は大丈夫でしたか?ミーナ様にひどいことをしませんでしたか?」

警戒していたのかジョンが声を潜めながら聞いてきた


「ええ。大丈夫」


「あの女には気をつけていてくださいね」


そう言うと、ジョンは再び持ち場へ戻る


そのうちユリアーノ嬢はどこにもいなくなっていた

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