魔法と魔道具
殿下が見舞いと称して事故の確認もとい聖女の有無の確認に来てから、一月が過ぎた
ジョンはあれから数日後には学校へ復帰することになり、兄様達同様騎士科の寄宿舎から通っている
基本的に学校の寮から通うかどうかは希望者のみで、騎士科のみは寄宿舎から通う事は絶対だという
朝の訓練があること、規則正しい生活を送るため、
そして貴族出身者が自立した生活を送れるようになるためらしい
騎士になってから遠征の際に、着替え一つとして一人ではできないものが多く、問題になったのだとか
一番上のリチャード兄様は将来家を継ぐ予定で騎士科ではないが、お父様に劣らぬ私への過保護ぶりからお母様によって寄宿舎に入れられたそうだ
ジョンが学校へ戻ったのと同じくして、お父様の帰りも日を増すごとに遅くなり、王宮に泊まる日が増えてきた
お母様も私の誕生日のパーティーの準備に忙しくなり、私はというとすっかり時間を持て余していた
その事もあって家の図書室へ許可をもらって通っていたのだが、図書室に入り浸っていたため、あっという間に本も読み尽くしてしまった
本が今のような木の繊維からできたものに変わったのはここ50年くらい
公爵家ということもあり、本が充実していた。私が病死を迎えてから約100年程経っているようで、魔王が倒されてからは120年ほどの月日が経っていた
紙の本ができてから50年ほど
私が病死してから紙の本ができるまでの間の出来事は不明な部分が多いが、魔道具が普及しだしたきっかけは私が生きていた当初からあったようだ
瘴気が溜まれば魔王が復活することは当たり前の事実としてかたられているが、そもそも瘴気とは何か?
そこに焦点を当てた人物がいたらしい
その結果魔法が影響を与えていると考えたその人は、魔力の使用を抑えられ、瘴気を増やさない方法として魔道具による術の行使を考えたのだという
魔石を使用した杖の使い方はその人の尊敬する魔法使いが行っていたため、思いついたとかで、
そういう経緯もあって、街では魔石を使用した魔道具が色々発達しているのだとか
「はぁ〜街に出てみたいなぁ〜」
転生したのが事故直後だったことから、ここ一月半監視下の中引きこもっていたが、最近エルミーナが大人しく過ごしているのもあって監視も無くなり、屋敷内での自由な時間が増えてきていた
これは脱走のチャンスなのでは?そんな事を考えて
夜間皆が寝静まった後、何度か変身魔法や、浮遊魔法、隠蔽魔法など試していたが、変身魔法については数回は余裕で出来そうだし、どうにかしたら外に出れそうだ
しかし、5歳になるとはいえさすがに一人でウロウロしていたら攫われそうだし
ここ数日は脱走の計画ばかりを立てていた
ジョンがいたら共犯者にできたかもしれないのに〜
公爵邸の周囲の警備の穴を探したり、黒いフードを手に入れたりするうちに、あっという間に私の5歳の誕生日パーティーの日となった




