精霊の気まぐれの謎4
気がつけば食事も下げられ、いつのまにかお茶の準備がされていた。お父様と殿下達は魔塔について話しを続けていて、ところどころお母様が質問をしている
ジョンもそれを真剣に聞いているようだ
周りを見ながら私用に作ってくれたのであろうミルクたっぷりの甘めのミルクティーを手に取る
どうやら私の出番は終わったようだ
とりあえず、聖女とかなんだか祭り上げられなくてよかったー!などと内心ホッとしていた
そもそもまさかこんなに魔法のレベルが下がっているなんて思っていなかった
魔石を使って使いたい魔法を使うという本の内容も、現在の魔法の使い方として正しく記載されたものだったということになる
一体いつからこんなに魔法が廃れたのだろう
4人が真剣に話しているのをところどころ聞きながらも魔法について思考がズレていった
そもそも私が魔法を習うようになったきっかけは、
力が弱い代わりに魔法で騎士であった父や兄たちをサポートしたいと自己学習しだしたのがはじまりで、
あっさりと初級魔法なら使えるようになったのもあり、両親が家庭教師を雇って本格的に学ぶ事になった
それが当たりだったようで、もともと想像力豊かで魔法との相性もよく魔力の多かった私は、修行とともに魔法の腕を上げていった
当時でも珍しい全属性魔法使いだったのだ
全属性とは火、水、風、土、闇、光のことで、そこから水であれば氷、火であれば錬金など派生した属性はあったが、基本はその6つ
そんな私でも全く使えなかったのが聖属性で、光属性の派生になる。聖属性は珍しい虹色の魔力を持った人が魔法を使うことだと言われていて、この魔力を持った人には、魔物があまり近づこうとしない
魔王封印もこの魔力が必要だ
だから虹色の魔力の人間は唯一無二の存在といわれ、聖女だけのものだと考えられていた
魔王の時代に虹色の魔力を使える者が居なければ、儀式をしたりしなくても、必然的にこの世界に何者かの力によって他の世界から呼び寄せられていた
ちなみにこの聖属性の魔法のみははっきりと使用者が明確であったが、
そもそもの魔法の属性についての区分は難しく、
火魔法しか使えないと思われていた人が、生活魔法である飲み水は出せたりすることもあり、もちろん逆も然り
魔塔の中でもこの属性の区分については意見が分かれるところで、属性など無いというもの、属性がもっと多いのだというもの、髪の毛や目の色で属性が変わるというものや、祖先や親から受け継ぐといったものなど様々な意見はあった
属性の区分は私に魔法を教えてくれた先生から教わったもので、一般に知られたものであったと思う
力の強さや使い方などは本人の魔力容量などによってかわる
いかに魔法を効率良く使うか、自分の使えない属性を使用する方法など当時から研究はされていたので、本にあったような、魔石の使用はもしかしたら研究の結果なのかもしれない
その結果属性の区分がなくなったのだろうか?
ヒール使用で聖女だと騒ぎ立てるのは、もしかして聖女に関する記述なども間違って遺されているのだろうか?
そういえば、私が会った聖女はすぐにペコペコと頭を下げる小柄な黒髪のかわいらしい少女だった
どうやって会ったのか、などの記憶は曖昧だ
優しくて話も気があったのは覚えているが、仲間のロイに邪魔されて滅多に会えなかった
魔王を倒してから私達も平和になった世界で結婚して子育てをして亡くなるまでの時を過ごしているので、若い頃の話を思い出すような感覚だ
今は覚えていることも多いが、エルミーナの成長と共に忘れていくのだろうか?
「姫様お疲れですか?もう眠たいですか?」
じっと動かないまま思考にふけっていた私にジョンが声をかけてくる
「そろそろエルミーナも疲れたかな?エルミーナと話しした件などについては僕から魔塔の方に報告します。一応父にも話は通しておきますので、無理に魔塔のものが押しかけてくることは無いとは思いますが、もしかしたらジョンや他の護衛騎士の話を詳しく聞きたがるかもしれませんので。その時は」
「無論、私の方で対応します」
「ではそのように」
どうやらアレク兄様とお父様の話もついたようだ
このままお城へ帰るというので、見送りすることになった




