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図書館

「ではいってらっしゃい」


玄関への見送りのため、メイドとともに向かっていた私は廊下でジョンに会った。私が一人にならないようにお母様がジョンに頼んでくれていたらしい。


ジョンと手を繋いで見送りする


「ミーナ!大丈夫か?お父様が居なくて不安はないか?」


「兄様がいなくて寂しくて泣くんじゃないか?」


またクズグス言いながらお父様がジョンと私の手を外す。エド兄様が代わりに手を繋いだ。苦笑いしながらお父様とお兄様を見て


「ありません!お父様頑張ってください!お兄様も!」

とはっきり告げてニッコリと微笑む。そしてやんわり手を外す。まだグズグズ言いそうな気配に


「あ・な・た?エド?」

いつもよりドスの効いたお母様の声がした


「あっいや‥でっではお父様はいってくる!」


「あっいやミーナ!泣くなよ!」

やっとこさシュンと肩を落としながらも、父が兄と出ていった

グズグズしそうなので父と兄の見送りは玄関まででやめた。王宮に呼ばれているんだからはやく行ってほしい



その後、今度は母に連れられて兄二人が馬車に乗り込む。グスグス言いながらハグをしていたが、お母様の付き添いもあるので素直に従っていた


「では、ジョン、セバス、ミーナを頼んだわよ」


「かしこまりました」

二人が軽く頭を下げる

「ミーナ、なるべく早く帰るわ」


「じゃーな!ミーナ!何かあったら兄様に手紙をかけよ!」


「寂しくなったら会いに来てもいいからな!」



そう言うと馬車はすぐさま三人を載せて学校へと走り出した


騒々しい見送りだなそんな事を思っていると

「姫様は寂しくないですか?」

そう優しい顔でジョンが覗き込む


マジマジとジョンを改めて見た

あら?ジョンって結構格好良かったんだ、切れ長の目にすっと通った鼻、薄いくちびる、顔も整っている


まだ、恋愛沙汰には早すぎるエルミーナは好きな相手などは居なかったようだが、


アル兄様も憧れの兄様だっただけのようだし


もしかしたら婚約者候補なんて意味もわかっていなかったのかも知れないわね

そんな事をふと思いながら


顔はニッコリと笑って大丈夫だと返す



「図書館に行くんですよね?」

「うん」

そう言えば、ジョンは学校はいいのだろうか‥‥


図書館までの道を手を引いてもらいながらジョンを見上げる


ジョンは8歳くらいに見える


そんな少年が私の護衛、とはいっても、大人の護衛はちゃんと居て、見習い護衛だったのだけど、それにしてもおかしい


まだ子供じゃないの


エルミーナの記憶がある程度戻っていたとしても、4歳だから知らなかったり、記憶に残っていないことも多い


ジョンとの出会いって‥‥思い出そうとしてもはっきり思い出せない


なんとなくの記憶は、お茶会と泣いている男の子、そして意地悪そうな二人の男の子‥‥


しばらくうちで面倒見るという父の言葉‥


ん?なんだ??数年前だったからか、エルミーナは事情はわからないが、わかるのはいつからか一緒に住みだしたお兄様的存在ということだけだ


でも、ジョンが貴族であることはわかる


聞きたいけど、聞きづらいー!

これはお母様にさり気なく聞くしかないか‥‥



「さっ姫様ここですよ」


そう言うと、ジョンが図書室のドアを開けてくれた


「すごい!」

図書室はそれはたくさんの本で一杯だった


昔まだマリアだった頃は本は紙ではなく革だったこともあって、貴族くらいしか持てない貴重な品だった


師匠の元で、木版に大切な事だけを書き記し、後は何度も読んでほとんど暗記したものだ


すぅ~っと息を吸い込む



「はぁ落ち着くー!」


私が思わずそう言うと、


ププっ‥と肩を震わせてジョンが顔を伏せている


「ジョン?」


「すみません姫様!ちょっと不意をつかれて」


くくくくっ‥‥と必死で笑いを堪えようとしている


「何がそんなに面白いのやら‥‥」


ふぅーとため息をつくとさらに笑いを誘ったのか肩で必死にかおを隠している


若いわねー


「姫様はなんか最近一気に年寄りくさい感じになりましたね」


なっ!失礼な!目を見開いてジョンを見ると、


まだ笑いの余韻があるらしく口元がモゾモゾしている


ちょっと!ショックよ!


たしかに前世がおばさんだから影響受けまくりだけど‥‥


そう言えば4歳の頃の息子たちを思い出し、はっ!とする


マリアの影響が強すぎて、変に達観した子供になってるわ!

気をつけよう!


「そっそうかな‥ははは」


「いや‥中断してすみません」









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