ショーモデル
「ええ、お医者さん」
「三田病院の理事長ですか」
「えっ。知っているんですか?」
「ええ、ちょっと。付かぬ事お伺いしますが」
「お手当てでしょう。50万円+20万円です」
「プラス20万は?」
「領収書と引き換えよ」
「女優さんってお金かかるんですか?」
「ええ。自分で生活している女優は主役級だけ、
駆け出しの女優はスポンサーつきが多いわ」
「そうなですか」
「だって、京都で撮影があってギャラが10万出ても
交通費と宿泊代は自腹よ」
「プロダクションの給料は?」
「月20万円+歩合です」
「それだけですか・・・」
「ええ、プロダクションからは水商売は禁止されているし」
「それでスポンサーを・・・」
「芸能記者も了解していて、スポンサーとの
そんな場面は記事にしないわ」
「嫌じゃないですか?」
「S○Xの時の演技はできるわ、
それより彼らは女優を連れている
ステータスで満足なのよ」
「そうか、逆に密談は必要無いわけですね」
「そうね。うふふ」
「あの、それで森田さんとはどうゆう関係ですか?」
「先輩女優の紹介、スポンサーを探してくれるって」
「お礼は?」
「ううん、友達を紹介してくれれば良いって」
「紹介料は?」
「先方が一ヶ月分払うみたい、
だから相手は誰でも良いのよ、決まれば」
「なるほど紹介してくれた女優さんは?」
「知りたい?」
「はい」
「うふふ」
奈々美は横目で亮を見つめた
「それは、いずれ」
亮は誘っている奈々美の目を見て避けた。
「約束よ」
「はい約束します。女優さんの名前は?」
「佐藤いずみよ」
「そうですか」
佐藤めぐみ映画やTVに良く出てくる
20代後半の美人人気女優だった
「はい、そう言えば奈々美さん覚せい剤の経験は」
「注射はしていないわ、S○Xの時のちょっと飲むだけよ。
素面じゃきつい時も有ったから」
「もうやめましょうね、それ」
「ええ、でもあそこにいた三人はかなりやばいわよ
薬付けみたい、愛人より売春婦って感じ
森田さんは何人かそんな女を持っているみたい」
「佐藤めぐみさんは?」
「彼女は森田さんと付き合い長いみたい」
「今誰かの愛人している様子ですか?」
「国会議員の愛人をしているって聞いた事があるわ」
「やはり・・・」
「私ね、あなたの事初めて見た時から心臓がドキドキしていた」
「ありがとうございます」
「亮、女優も恋するのよ」
奈々美は亮に抱きついた。
「はい」
「何かあったら呼んで、これでも芸能人だから役に立てるかも」
「お礼に、洋服をプレゼントします。
銀座の美宝堂のブティックⅮへ行ってください、
奈々美さん名前を言えば判るようにします」
「本当」
「ええ、次は買ってください。あはは」
「スタジオⅮ知り合いなの?」
「ええ、まあ」
「ありがとう。松平さんがんばって
スポンサー無しの女優になるわ」
「がんばって、奈々美さんなら絶対一流になれます」
「あなた不思議な人ね。若いのに。何処かの御曹司みたい」
亮はそれに返事をせず、媚薬を取り出した
「これ、飲んでください、仕事が増えるかもしれません」
「ありがとう、本当」
「ええ、女の魅力が増しますよ」
「うふふ、素敵」
奈々美は女優ではなく
普通の女として亮が好きになった。
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夕方亮は木村涼子に連絡を取り
銀座三越の前で待ち合わせをした。
紺と白の横縞のニットのミニスカートに
白いブラウスに紺のジャケットの
清楚ないでたちでモデル立ちをしている涼子は黙っていても
歩行者が目を取られていた。
「済みませんお待たせをしました」
遅れてきた亮は目立つところに
木村涼子を待たせて事を深くわびた。
「いいえ」
涼子は首を振った。
「木村さん何か食べたいものありますか?」
「うーん」
「好きな物はありますか?和食、中華、
焼肉それともフレンチ?」
「フレンチがいいわ」
「了解です」
亮は電話をかけると涼子を美宝堂ビルの
ローラン・ギャロスに案内した。
「ここって、予約待ち3ヶ月じゃなかった?」
涼子は驚いていた。
「はい、3ヶ月じゃなくて6ヶ月です。
クリスマスは3年待ちだそうです」
涼子はなぜ亮がローラン・ギャロス
を自慢するか不思議だった。
そして案内された席は人が羨む窓際の席だった。
「良く予約が取れましたね」
席に座って銀座の夜景を観た涼子は夢のようだった。
「実はこのレストランは当日3席だけ空けるんですよ。
そしてオーナー用に
1席は常に空いているんです」
「本当?」
「ええ、内緒ですよ」
「分かったわ、私も使わせてもらおう。うふふ」
涼子は亮の秘密の情報を聞いてうれしかった。
「木村さん仕事はどうですか?」
「まあまあです」
涼子はそれほど仕事は無かったが
亮に対して虚勢を張って言った。
「ところで愛人の方は?」
「ええ決まったわ、薬品販売会社の社長さんよ」
「良かったですね」
「月20万円でもっと有名になったら
多く貰えるんだろうけどでも、
スポンサーがいればコレクションの
オーディションにトライが出来るから嬉しいわ」
「そう言えば、森田さんはとは付き合い長いんですか?」
亮は話を森田のほうに持って行った。
「この前、森田さんと初めて会ったんです。
モデル友達の坂井京子さんに紹介されて」
「坂井京子さんですか?」
「ええ、森田さんは才能があるのに
芽が出ない女性のために
スポンサーを紹介するボランティアのようなことを
しているらしいわ
ぜんぜんメリットが無いのにね」
「いい人ですね」
森田は男と女を結びつける事を
女性たちに対して正当化していた。
「ねえ、松平さん。彼女とうまく行っているの」
「もちろん、うまく行っています」
亮はニコニコと笑って答えた。
「そうよね、松平さんは愛人なんか要らないね」
「はい」
「お金いらないんだけどな。今度抱いてください。
このままだと自分を失いそう」
亮はその言葉を無視して料理を食べた。
「涼子さん、色々教えてくれてありがとうございます」
「いいえ、それでさっきの返事は?」
「今日のお礼の件ですが、今度、
ファッションショーがあるけど出ませんか」
「本当?」
「はい、ヤマト美容院の高級美容室マテリアの
オープニングファッションショーと
翌日のスタジオDのファッションショーです」
「それ聞いた事が有ります。代理店の人に」
「えっ?知っているんですか?」
「はい、近々オーディションがあるから、
合格させて上げるから付き合えって」
「それは嘘ですね。これを進めているのは、
モデルの代理人塚田美智子さん、ヤマトのジュディ社長、
電公堂の御神さんです。それブティックⅮ、美宝堂が協賛しています」
「私が聞いたのは、白鳳社の山中さんだったわ、
よかった真に受けなくて。仕事やると言われてやられた娘が多いみたい」
「頭にくるなあ」
亮は自分の企画を利用して悪さを人間が居ることに
腹にたった。
「ええ」
「連絡します、僕が責任もって」
「私の事嫌っていませんよね?」
涼子は亮に断られることがとても悲しかった。
「もちろん、ただファッションショーが
終わるまで待っていただけますか
僕が特別な感情をモデルさんに持ちたくないので」
「そうですか。いやだなおじさんの相手」
涼子は不満そうだった。
「これをステップにたくさんのオーディションに受かってください」
「はい、事務所に報告しておいて良いですよね」
「もちろんです」
亮は涼子に約束をした。
「じゃあ、約束よ」
涼子は立ち上がり亮の脇に立って亮の顔を両手で押さえ体をかがめ
キスをした。
それから2ヶ月後、亮がその約束を
果たしたかどうか定かではないが
涼子は次々にオーディションに受かり
有名コレクションに出演しトップモデルになった。
もちろん涼子は愛人業は辞めていた。
翌日の夜、亮は明日香と中華料理の孟林へ行った。
毎夜の女性との付き合いはかなりハードだが
森田の行動を調べたかった。
「中華料理で良かったですか?」
「うん、コラーゲンたっぷりのフカヒレの姿煮を食べたい」
「えっ。そ、それ高いですよ」
「うふふ、嘘よ。木本さんとデートできただけでもうれしい」
明日香はとても嬉しかった。
「森田さんとは長いんですか?」
「ううん、こないだが初めてレースクイーン仲間の
中嶋啓子ちゃんの紹介で」
「そうですか、中嶋啓子さんですね」
中嶋啓子は森が怪しんでいた女の一人だった。
「でも彼女やばいんだ。主催者の人や代理店の人と
レーサーともすぐやっちゃうの、薬もやっているみたい」
「ところで木田さん、愛人見つかりました?」
「ええ製薬会社の専務さんです」
「ヘンケルの戸田さんですか?」
「そうよ。知っているの?」
「まあ。それで?」
「うふふ、月々30万円。木本さんならただでもいいよ」
明日香は胸を突き出した。
「あっ、そうだ。僕の本名は松平です」
「そう、本名じゃないわよね」
明日香は驚かなかった。
「でも私あの戸田という男好きじゃない。
でも、抱かれなくちゃいけないの」
明日香は亮の手を握った。
「私を助けて!時々会ってお願い」
「どうしてお金が欲しいんですか?」
「芸能界で成功したいの」
「うん、解かります」
「レースクイーンってギャラが安いの、
それに芸能界で成功した人は少ないわ。
所詮見せるだけの女なのね、だから、
AVかヘアヌ○ド写真集出して終り。
その間に男を見つけるの」
「寂しいですね」
亮はそんな見世物のレースクイーンが気の毒になった。
「そんなの嫌!」
そこへ食事が運ばれてくるとそれはフカヒレの姿煮だった。
「松平さんこれ凄い、高いわよ」
「良いですよ、食べましょう」
「はい」




