大人のパーティ
「なるほど、面白いですね。需要と供給ですね」
「ええ」
「儲かるのかな?」
「別な意味で儲けていると思います」
「別な意味?」
「松平さん私・・・」
みどりが何かを言いかけると離れて行った。
亮は手持ち無沙汰に回りを見渡すと
一人の足の綺麗な女性と眼が会い
女性は亮の所へ向ってきた
「こんばんは、私。木田明日香と申します」
「初めまして、木本亮です」
亮は丁寧に挨拶をした。
「お一人ですか?」
「ええ、女性が居なくなっちゃって」
「そうですか」
「木本さんは何のお仕事しているんですか?」
「製薬会社です」
「わあ、お若いのに」
明日香は紀子と同じリアクションだったので
亮は可笑しかった。
「すみません、僕は愛人より恋人が欲しいですね」
「うふふ、私恋人でもいいですよ」
明日香は亮の腕を掴んだ。
「良いんですか?」
「うふふ、愛人にならなくてもお友達になりたい感じです」
「ありがとうございます。明日香さんお仕事は?」
「私はレースクイーンをやっています」
「なんかかっこいいですね」
「ありがとう。でも意外と儲からないのよ、この仕事」
「そうなんだ」
「レースでもらえるギャラは日当なのよ、
昔は年契だったみたいだけど」
「じゃあ、どうやって収入を?」
「マニア向けの写真撮影会に出てはずかしいポーズをとっている」
「恥ずかしいポーズ?」
亮は変なポーズを思い浮かべた
「うふふ、服を着ているわよ。ボディコンか水着だけど」
「あはは、なんだ」
「だから、誰かの愛人になるしかないの」
「そう・・・・」
亮は何も言えなかった
「ねえ、木本さん私とこれから友達と付き合ってください」
「は、はい」
明日香と亮が握手をすると明日香のところへ男性が近づいてきた
~~~~~~~
「ねえ一人?」
亮はドッキっとして振り返ると
後ろから背の高い女性が声をかけて来た
「木村涼子です」
涼子は丁寧に頭を下げ亮も答えた。
「木本亮です。木村さん背が高いですね」
「176cmです」0.
「ええ」
「綺麗ですね」
「ありがとうございます」
「あなたもスポンサーを探しているんですか?」
「ええ、世界の有名コレクションに出たいんです」
「それってお金が掛かるんですか?」
「だって、オーディション受かるまで収入はゼロよ
それにオーディションは現地でやるし」
「そうか、大変ですね。今は雑誌?」
「ええ、ファッション誌の」
「残念ながら僕はスポンサーになれないかも知れないけど・・・」
「分かっているわ、でもあなたと話をすれば
いい事あるような気がする」
「ありがとうございます」
亮は自分のしている事が見えていたのかとドキドキした
「涼子さん、最近足に痛みがありませんか?」
「分かりますか?」
「はい、左右の足の長さが微妙に違います
高いヒールでウォーキングが大変だと思います。特に
早く歩く時に」
「そうそう、ハイヒールを履くと右足が痛いの」
「骨盤のゆがみがあるかもしれません。しかも冷え性だし」
「ええ、どうしよう」
「それに不感症でしょう」
「えっ、何で知っているの?」
「今度治してあげますよ。健康医学の勉強をしていますから」
「本当、約束よ」
「はい」
亮は直子に手招きをされてそこに行くと直子は目で合図を送った。
「あの、二人の女性内股に注射痕が有ったわ」
「本当?」
「さっきスカートの内側に見えたの」
「さすが看護師さん、それでどうですか?」
「注射痕が緑色していたのでまだ1、2日かな?」
「なるほど、緑、紫、黄色ですか」
「うふふ、亮も良く知っているわね」
「でも、内股に注射は痛いでしょうね」
「ええ、痛いと思うわ、でも一目をはばかる注射はそこくらいしか
無いわね。お尻に注射するのは一人では無理だから」
「なるほど、二人の女性の名前を聞かなくちゃ」
「了解調べる」
「亮、さっき私が話していた。彼、栗原建設の社長さんなんですって」
智子が話しかけてきた。
「あの中堅ゼネコンの?」
「ええ、彼が私を呼んでいるからお話してくるわ」
「うふふ、安心して彼から情報を取ってくるだけだから」
「はい、それが終わったら帰りましょう」
「わかったわ」
亮は小さく手を振った。
直子が亮の脇に立った
「お疲れ様、直子さん」
「あの、中島啓子と坂井京子は完全に体を売っているわ」
智子は亮の耳元で囁いた
「売春?」
亮は小声で答えた
「ええ、この後このホテルの部屋でやるみたい。
しかも、薬を飲んでいるわ 」
「薬?」
「ええ、ハートマークの付いたピンク色の錠剤」
「それってエクスタシー・MDMAじゃないですか」
「たぶん、そうね」
「智子さんそろそろ、ここを出る準備をしてください」
「はい」
亮は司会に挨拶を済ませると
外に出てロビーで森と合流した。
そこへ智子と直子と葉子が出てきて森を含めた
五人はすぐに二台のタクシーに乗り込み
渋谷の亮の部屋に入った。
「おいおい、なんてえ部屋だ」
森もみんなと同じ反応だった。
「亮、宮崎みどり、中嶋啓子、坂井京子、
小森奈々美さんが変だったわ」
葉子が言った。
「ええ、直子さんに聞いたんですけど、
中嶋啓子と坂井京子に太ももに
注射痕があったそうです、しかも智子さんは二人が
MDMAを飲むのを目撃したそうです」
「分かった、二人は捜査対象にしよう」
森が手を握りしめた。
「はい、木村涼子と木田明日香はやっていないと思います」
亮は自分と友達になりたいと言われてので好意を持っていた。
「ただの好みじゃないの」
智子が亮を睨んだ。
「あはは」
「森さん、これから皆さんから男達の情報を取りましょう
地位のある男性たちが集まるなんて相当信用の有る集まりです」
「うん、あのネットワーク凄いな。
主催者の事は俺の方でも調べてみる」
「お願いします」
「ところで智子さん、森田常務見ましたか?」
「ううん、いなかった」
「ねね、アシスタントのお兄ちゃんが薬くれたわ、
気に入ったらいつでも薬売ってくれるって」
葉子が手に持ったMDMAを見せて笑って言った
「ここの主催者を捕まえるか?」
森が亮に聞いた
「森さん、麻薬所持なんてたいした罪じゃないですよね」
「ああ、執行猶予だ」
亮は考えこんだ。
「今日は姿を現れませんでしたが森田と
ヘンケル製薬の関係が気になります。
ひょっとしたら新薬が絡んでいるかもしれない」
「そうなの?」
智子が亮に聞くと亮は頭にイメージが浮かんだ。
「はい、元々森田はDUN製薬の社員でした、
それが子会社のDUN製薬販売設立で本社の
営業部から出向したので本社とパイプがあるんです」
「なるほど、森田はそれを利用して
何か悪さをしていると言うわけか」
「森さん告発は後回で、もう少し調べてください」
「了解。面白くなってきた」
「正式に上に報告して調べることにします」
「おいおい、新入社員がそこまでできるのかい」
「はい、いよいよ父の出番です」
「親父さん役員なのかい」
「いえ、個人筆頭株主です。ですから
会社の利益を経営陣より考えている
んじゃないですか」
「そうか」
「ところで亮、女の子の連絡先聞いて来た?」
直子が亮に聞いた
「いや、聞いていません。もったいなかったかな?」
「大丈夫よ。みんな私に教えてくれたわ。連絡くれって」
「どうして?」
「亮が気になるんだって」
「はい」
「ねえ、お腹空いたピザ頼まない」
葉子が手を上げた。
「じゃあ、私ビール買ってくる」
智子と直子が財布を持って出て行った。
「ああ、みなさん終電があるうちに
帰ってください…お願いします」
「無理だよ。帰らないよ」
森は笑っていた。
翌朝森から電話があった。
「昨日はお疲れ様でした」
「森田のDUN製薬入社時から物産に移るまでの経歴をくれないか」
「解かりました」
「それとパーティの日に来た男たちの
名前が知りたい、直子さんたちに
探ってもらえないだろうか」
「わかりました。父からの了解を取りましたので
継続調査をお願いします。
必要な機材ありましたら購入してください」
「ずいぶん気前がよくなったなあ」
「あはは、アシスタント必要でし
たら、雇ってください」
「ほほう」
森は嬉しくなった
「事実が見えましたので」
「それはうれしい話だ、とこで今何処だい」
「マンションの近くのラウンド
ワンでボーリングやっています」
「いいなあ、楽しんできてくれ」
「はい、ではよろしくお願いします」
「うん」
ボールングが終わると四人でケーキ店に入った。
「亮、お父さんの命令でDUN製薬に入社したの?」
智子が聞いた
「いいえ、高校時代から入社するつもりでした。
ただ、DUN製薬に緊急の出来事が起きていると言う事で
アメリカで就職しようと思っていたんですけど
卒業してすぐに戻ってきました」
「ええと・・・」
智子が首を傾げた。
「アメリカは5月卒業なので卒論を早く
提出して4月に入社したんです」
亮は簡単に言った
「はあ、凄い。やはり亮は普通じゃないわ」




