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グッド・ジョブ媚薬 1部  作者: 渡夢太郎
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美也子

「森さん、今どんな仕事を」

御神に自分の力になると言っていたが

仕事の内容はわからなかった。


「以前は警視庁に居て今は探偵業、浮気調査ばかりだ、

思ったより稼げないな。この通り営業も下手だし」

森は上司と喧嘩をして警察を辞めて探偵をしたが

営業の下手な自分に嫌気がさしていた。


「警視庁ですか。昔ボストンで

日本人女性佐藤敦子さんが

殺された事件がありましたね」


亮は突然全然関係の無い話をしたが、

森はその事件を鮮明に覚えていた。

「ん?そういう事件があった。


英語もできない俺に上司にボストン警察担当に

されて大変だった。ところがボストン

警察の人間が気を使ってくれて

わざわざ日本語でやり取りしてくれた・・・ん?

どうして急にそんな事?」


亮は学生時代ボストン警察からメール

でやり取りした警視庁の刑事は

目の前にいる森と一致した事がうれしかった。                                                                                      


「そうですか、浮気調査ですか」

「旦那の浮気の原因は女房にも有るんだよなあ。

この前、報告書を自宅に届に行ったらあまりにも汚い部屋で、

感じ悪かったから女房に説教しちまったよ。ははは」


「あはは」

森は次第に亮に感じのよさに溶け込んできた

「仁さんとはどんな仕事をしていたんですか?」

「クライアントの調査がほとんどだった。

それと女性イメージキャラクターの

男関係だ」


「なるほど、CM放映中にスキャンダルが

あったら大変ですからね」

「なにか、体を張る仕事あったら頼みますよ」

一瞬森の目が真剣になった。

「ええ、色々とお願いしたい事があると思います

父と相談してみます」


「そうですか、ありがとうございます」

さっきまで高圧的な森が亮に頭を下げた。


~~~~~

その晩、亮は吉井と今井課長を蝶へ連れて行った。

「松平さん、この店高そうですね」

吉井が店内を見渡しゴージャスな作りに

唖然としていた。


「松平君この店の経費は出ないぞ」

今井は小声で囁いた。

「大丈夫です。叔父が僕の就職祝で一回だけ

ここで飲んで良いと言われたので

期限が切れる前に、来ないと損ですよね」

 亮が今井を安心させるために嘘をついた。


「松平君良い叔父さん持ってるなあ、

こんな高級店来た事ないけど幾等くらい掛かるかな?」

今井心配そうに亮に聞いた。

「10万円くらいですね」

「そうか銀座も大したことないなあ」

今井はホッ胸をなで下ろした。


「課長一人ですよ」

「おいおい、30万円も良いのか?」

「はい。大丈夫です任せてください」

三人は中ほどのボックス席に座ると美也子が亮の脇についた。


「美也子さん。私たちのお客様はあちらです」

小声で吉井の方をさした。

「大丈夫よ、お客様はサンドイッチになっているから良いでしょう」

美也子が亮の耳元でささやいた。


「はい、わかりました。今日はママに言われたから

来ましたけど、僕の立場では来れませんよ」

「うふふ。もう来なくて良いわよ。

今日の帰り食事しましょう。約束よ」

美也子は亮に体を押し付け手を握った。


「いきなりアフターですか?」

「ええ、早くしないとみんながあなたを狙っているから」


「いらっしゃいませ」

絵里子ママが挨拶に来た。

「ヤマト美容室のマネージャーの吉井です」

吉井は緊張した面持ちで挨拶をした。

「話は伺っています。ぜひ新しい

お店のほうへ行かせていただきますわ」


「ありがとうございます」

吉井が話し終えると絵里子は亮に向かって言った。

「松平さん。あちらへ」

「はい」

絵里子が指差した方向の席にはクラブ華の順子が来ていて

亮は立ち上がってボックスへ向かった。


「失礼します。團です」

本名を言って深々と頭を下げると

順子が申し訳なさそうな顔をした。

「順子です。お座りになって」

「はい」

亮は順子の脇に座った。


「あのう、他のお店の方ですよね。いいんですか?」

「ええ、仲の良い店どうしてやっているのよ、

サービス向上の為に」

「そうですか」


「それより、團さんあなたとお話がしたかったの」

「僕ですか?」

亮は銀座のママが客と話をしたかったと

言う意味が解らなかった。

「銀座は日本のトップクラスの経営者と官僚、

政治家が来るわ。そこで情報交換と接待、

契約が行われるの、高い飲み代はその情報の代償よ。

だから自分の楽しみだけに飲みに

来る人はあまり居ないわ」


「そうなんですか」

「團さん、もし若い男がここに自由に出入りができて

私達が認めたら、その人はどうなると思う」

「さあ」

亮にとってはそんなたとえ話は面倒くさかった。


「1ヶ月もたたないで日本の中枢と知り合いになれるの」

「はい」

「それは、企業家の憧れよ」

「そうなんですか」

亮は自分は一介のサラリーマンで企業家とは関係ないので

順子の話を聞き流していた。


「ええ、そうよ」

「今までにそんな、人いたんですか?」

亮は自分のように若い男が一人10万円以上もかかる飲み代を

払えるとは信じがたかった。


「ええ、過去に何人かいたわ。興味ない?」

「すみません、あまりピンとこないんでけど」

「今度はあなたにしようかしら、うふふ」

「残念ながら、僕には日本をどうこうする野望はありません」

欲のない亮は順子の言う事がドロドロして嫌だった。


「じゃあ夢は無いの?」

「あります。僕の夢は今の研究を完成させる事と

愛する人を幸せに出来ればいいんです」

「あらもったいない。こんないい話はないわよ」


「僕は他の青年実業者のようなマスコミに祭り上げられた

脂ぎった男にはなりたくないんです」

亮はそう言って学生時代見た学生社長の高田義信を思い出した。


「そう、なんか分かるわ。私も嫌い」

順子が言うと亮が笑ってうなずいた。

「そういえばお父様は私のお店にも時々来てくれますわよ」

「そうなんですか?」

「ええ、今度うちの店にも来てね。

はいVIPカードボトル付きよ」

順子はカードを渡した。


「ありがとうございます」

亮はあまり嬉しそうな顔もせずカードを受け取った。

それから30分ほど話をすると絵里子が亮の脇に座った。

「どうでした?」

絵里子が言った。


「色々話を伺いしました」

亮は気のりせず絵里子に報告をした。

「亮さん、順子ママ何かいい話をしていたでしょう」

「僕には政財界の事は・・・。

でも順子ママはとても綺麗で素敵です」


「うふふ。ホント欲がない人ね」

「では、失礼します」

亮は立ち上がり吉井の席へ戻った。

~~~~~~~~

「絵里子ママありがとう。すごいわ。

目を見ているだけでもう、

ふらふら自分を抑えるのが精一杯」

「そうでしょう」


「ええ、いまにもあの胸に飛び込みそうだった」

「私も」

「でも彼はきっと動くわよ。愛する人のために」

絵里子と順子は亮の後姿を見て微笑んだ。


~~~~~~~~~

亮が美也子の隣に座ると今井が興味深そうに聞いた。

「松平君、何だった?」

「クラブ華のママを紹介されました」

「すごい、あそこも銀座で1位2位を争う高級クラブです」

吉井がおどろいて声を上げた、

亮が何者かわからなくなっていた。


「クラブ華の順子ママは銀座で

かなり力を持っている人なんですよ」

美也子が戻ってきた亮に嬉しそうに言った。

「松平君。吉井さんがすごく

喜んでいるよ。ありがとう」

今井が小声で話した。


「でも課長、この手で美容院の

営業をしたら潰れますけどね」

「そうだな。吉井さんに頑張って貰わないと、あはは」

「課長、吉井さんの隣にいる、

佐代子さんこの店のNo2だそうですよ」

亮が言うと今井が周りを見渡した。


「ほう、ところでナンバーワンは?」

「ああ、それは」

その時美也子が亮の腕をつねった

「さあ、ママに聞いて見ます」

「僕は美也子さんがNo1だと思うよ」

今井は美也子の肩を抱いて言った。


「ありがとうございます」

美也子は今井に礼を言うと美也子は小声で言った。

「松平さんどうする?アフター」

「あまり高くない所でお願いします」

「そうね。じゃあ私の部屋」

亮は露骨な誘いに驚いた。


「マジですか?」

「ええ」

「いいですよ。その代わり夜食は僕が作ります」

新橋で待ち合わせした二人は

タクシーに乗って麻布へ向った。


コンビによって買い物をする

二人の姿はまるで恋人同士で

買い物を終えると二人は腕を組んで

美也子のマンションに入った


「この食材どうするの?」

「まずこの鮭むすびをのりを巻かないで焼きます。

それをどんぶりに入れてダシ汁をかけます。

「なるほど、いい臭い」

「きゅうりとキャベツを塩もみ

残りのキャベツはゆでて

温野菜サラダ海老をのせて、

サウザンかけて・・・」


 「おいしそう」

「後はワイン、赤が良いな」

「お茶漬けとワイン?合わないわよ」

「いや、合います」

テーブルに並べて食事の

準備ができると椅子に座った。


二人はワインで乾杯をすると

美也子がお茶づけを食べた。

「本当、このお茶漬けおいしい、

この出し汁コンソメね」

「はい」


「塩もみにはパルサミコが

入っていって、うん美味しい」

食事を終えて亮は窓ベランダに向いて言った。

「静かで良いところですね。ここ」


「この街は外国人が多いの」

「そうですね」

「私、将来プロモーターやりたかったのだから

 外国の雰囲気が常に味わえるように」

「そうなんですか。てっきり店を

やりたいのかと思っていました」

美也子は首を振って亮に抱きついた。


「美也子さん、何処か悪いんですか」

「ちょっと、体がだるいかな。肩も凝っているし。

でもまだ28歳よ。この世界では年だけど」

「美也子さん、自分を押さえていますよね」


「ええ、寂しくて。ストレス溜まっている」

「大丈夫ですか?」

「大きな声で叫びたい、本音を言いたいなあ」

「お付き合いしている人は?」

亮の質問に美也子は返事をしなかった。


「そうか、ちょっとマッサージしましょうか?

これでも理学療法士の資格持っています」

「うれしいでもまって、シャワーを浴びてくる」

白いバスローブを羽織ってメイクを

落とした美也子は、幼く優しい感じがし

美也子の体は手入れが行き届いていて、

スタイル、つや申し分なかった


「うつ伏せになってください」

「はい」

亮は美也子の全身を触れマッサージをした。

「骨盤ずれていますね、首も凝っています」

そう言って亮は美也子の首と肩にを触った。

すると美也子の張りが取れ、

体がリラックスしてきた。


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