美咲の功績
「赤坂です」
「おお、私のマンションのすぐ近くだ」
亮が行ったロイの部屋は亮の部屋
以上に広いマンションだった。
「凄い部屋ですね」
「一人には広すぎる。掃除が大変だ」
「そうですね」
ロイは冷蔵庫からビールを出した。
「日本のビールは旨すぎる」
「あはは、そうですね」
亮とロイがしばらく話をするとロイの顔が真剣になって来た。
「團、薬への投資をどう思う?」
「薬によります。日本の薬のマーケットは1億ですから
病気によります」
「なるほど」
「薬は国によって認可の基準が違いますから
よほど患者が多い薬じゃないと
輸出がライセンス契約が出来ませんね」
「つまり薬による訳か」
「はい、薬は臨床に数十億円かかりますからね。
それで効果が無ければまた作り直しです」
「なるほど」
「例えばワクチンなんかは対象者が
多いので数はさばけます
治療薬は患者の分だけですね」
「うんうん」
「例えば成人病だと完治せず死ぬまで飲み続けますから
かなりの量がさばけます」
「なるほどわかった」
ロイはニコニコ笑った。
「ところでDUN製薬の株価を
調べたが株価が落ちているな」
「あはは、お恥ずかし」
亮は笑ってごまかしたが、
その大きな要因は情報漏洩だった。
「ところで、團のところはお金は必要ないのか?」
「銀行からの借り入れでやっているようです。
それと團でなくて亮と呼んでください」
「では私はロイでいいぞ」
「はい」
「亮、ありがとう。今日のお礼は後で返させてもらうよ」
亮とロイは玄関で握手をした。
翌日の朝、亮は森と早苗と打ち合わせをする事になった
「今日は大事な報告がある、内田めぐみの件だが」
森が話をすると早苗は報告用のノートを見て話し始めた。
「それは私が報告します」
「内田めぐみは会社訪問でDUN製薬へ行っています。
中で誰と会ったかはわかりません。その後、
6:30に新宿のリプトンホテルで松田と
会って1021号室へ入りました。
その後すぐ松田が出てきました」
「内田めぐみはホテルに一人残ったわけですか?」
亮は首をかしげて早苗に聞いた。
「はい、朝まで出てきませんでした」
「一緒にいた相手は?」
「それが、客室の前では張れなかったので」
「なるほど」
「その翌々日も内田めぐみはリプトンホテルに入っています」
「つまり松田さんが誰かを紹介したわけですね」
亮は話をまとめた。
「はいおそらく」
「わかりました、お疲れ様でした」
亮は早苗に頭を下げた。
「はい、松田がその日誰と会ったか調べてみます」
「僕の方は相手の特定ですね。内田めぐみさんの名前を
訪問者名簿で調べてみます」
亮は思いついたように立ち上がって
金子紀子に電話をかけた。
「紀子ちゃん、今大丈夫ですか?」
「ええ、今学校です」
「内田めぐみさんの件でお願があるんだけど」
「今隣りにいるわ」
紀子は小声で囁いた。
「彼女が今どんな人と付き合っているか探ってくれますか?」
「うん、いいよ メールする」
紀子は快く頼みを受けてくれた。
亮は森と早苗のいる席に戻ると
亮は森と早苗に向かって話をした。
「森田は最近ヘンケル製薬の戸田と会っている」
亮は行き先が気になった。
「何処ですか?」
「銀座のクラブ華だ」
「そうですか、何かの利益が絡んでいそうですね」
亮はクラブ華に関して絵里子に相談しようと思った。
「うん、それで中嶋啓子と坂井京子の件
だが浜松町のヘンケルの
社宅マンションで森田と会って森田が先に帰っている」
「二人と松田さんの関係は?」
「松田とはあの二人は会っていないな」
亮は森に言われて松田のルートはやはり
内田めぐみしかいないと思った。
「そういえば森さん、松田さんがかなりの数で会社の
ホストサーバーにアクセスした痕跡がありました」
「情報を盗み取るためだな」
森は松田がDUN製薬の漏洩の
主犯である事を確信した。
「DUN製薬は森田の方が決着すれば、
松田さんを窃盗罪で告訴する予定です」
「新薬の情報はヘンケル製薬に渡ったかな?」
「いいえ、松本市の研究所からはセキュリティが
かかっていて情報は一切出ていません」
「そんなに安全なのか?」
「はい、友人のロビンが作った
セキュリティソフトを使っているので
その点は安全なんですけど」
そこに亮の元に紀子からメールが届いた。
「こんにちは、めぐみちゃんの付き合っている人、
DUN製薬の専務さんです。月20万円だって。このあと会える?」
「OK、マリオンに4:00に」
亮は紀子のメールに返事を返した。
「森さん。めぐみの相手はDUN製薬の川野専務です」
「そうか、松田が会社の情報が取れないので
女を使って川野専務から取っているかもしれない」
「困りました、森さん川野専務を探ってくれますか?」
「了解」
「それと森田のバックはわかりました?」
「わからん、かなり警察の上層部だ」
森が言うと早苗は手紙を亮に渡した。
「そうそう、原さんにこの封筒を渡されました」
「こんにちは亮」
森田の交友関係が分かりました。
1.厚生労働省副大臣宮城県選出の田中誠一
2.警察庁OBの手塚
現在:宮城県の防犯協会会長
:モータースポーツ促進会会長
で結構金をばら撒いているわ。がんばって。
美咲
手紙を見た亮は
「森さんわかりました。国会議員の田中誠一と
警察OBの手塚さんだそうです」
「おお、大物だな、それよりその情報は原さんか?」
「はい、黙っていてすみません。
実は原さんは僕の大学の同級生なんです。
この前、早苗さんの二次会で会って
うちの会社の相談をしたんです」
「亮さん気を悪くしました?」
早苗が心配して聞いた。
「いや、警察のキャリアが仲間
ついているとなにかと安心です」
「私も憧れの原さんが味方ならうれしい」
早苗は亮と美咲の関係をまったく疑わず喜んでいた。
「そうだ。森さん今度原さんと一緒に食事しませんか」
「いいね。美人キャリア」
森は将来警察庁の幹部になる美咲と一度会ってみたかった。
「私も行くわ」
「もちろんです」
亮は早苗に答えた。
亮は森たちと別れると美咲に電話をした。
「美咲さんありがとうございます。助かりました」
「よかった、役に立って」




