営業
「なるほど」
亮は森田と戸田の関係がとても怪しく思えた。
「ただの紹介じゃないみたいだったわ、森田さんの女って感じ」
「どうして、その女性が看護師だって知っていたんですか?」
「私だって、いつも良い子いないかって探していて目をつけていたのよ。
ええと新橋病院の宮崎みどりって言ったかな」
「新橋病院ですか?」
「ええ、そうよ。でもあの病院には
最近凄い美人が入ったのよ池田っていう人」
亮は直子の話をされて笑いをこらえた。
「彼女ホステスやらないかしらナンバーワンになれるのに・・・」
「ママ、つまりうちの系列会社の森田さんが
ヘンケル製薬の専務と会っていたと言う事ですね」
「ええ、お父様にも関係があるでしょう」
「ありがとうございます。この件くれぐれも内密にお願いします」
「わかったわ、その代わりあなたの秘密教えて」
「なんですか?」
亮は自分の秘密と言われて心臓がドキドキしていた。
「あなたが帰った後うちの店どうなったと思う」
「どうしたんですか?」
「うちのホステス全員、あなたの事を聞きに来たわ、十二人全員よ。
しかも、あなたと付合いたいって」
「あはは」
亮はあまりの変な出来事に笑ってしまった
「おかしいでしょ。まるで媚薬を飲ませたように、
初美ちゃんなんか泣いていたわよ。自分に魅力がないんじゃないかって」
「わかりました。お答えします。実はある薬を飲んで僕の体から
フェロモンが出ていたんです」
「ええ、おたくの会社の?」
「いいえ。自分で作った物です」
「そう、私も変になったのよ。昨日は私の体も火照って」
「すみません」
「責任とって」
「でも・・・」
「私、まだ30歳なの。スポンサーは不能だし、
客と寝るわけには行かないし」
「スポンサーさんいるんですね」
「ごめん」
そういうと真知子は亮にキスをし
襲い掛かるように抱きついた。
「素敵、好きよ。亮ちゃん」
亮のテクニックはまさに古文書の通り
波打つように真知子を責めて行き
今まで感じた事の無いような快感に
真知子はあっという間に気を失った。
亮の胸に顔を埋めた真知子は
指で亮の乳首をなでながら甘えていた。
「ねえ、またこの部屋に来てくれる?」
「でも、この関係は・・・」
亮は悩んで言った。
真知子は亮の悩みをよそに少女のように
落ち着き無く話をして話した。
「どうしよう。今日仕事できるかしら・・・体がまだピクピクするわ」
「はやり夕方にするものじゃないですね」
「うふふ、このまま寝ていたいわ、それから一度店に来て
初美ちゃん指名くれないかしら彼女すっかり
自信をなくしていたから。飲み代は要らないから」
「はい、解かりました」
「ねえもう一回して」
真知子は亮に抱きついた。
亮は麻布十番を歩きながら、直子に電話を掛けた。
「ちょうど良かったわ7時に仕事終わったところなの」
「今日みどりさんと会う日で変更はないですよね」
「変更はないわ、みどりちゃんなら今ここにいるわよ」
「新橋駅に行きます」
~~~~~~~~~
「みどりちゃん、今から彼と食事をするの一緒にどうかしら」
直子はみどりに言った
「いいの?私も一緒で」
「いいの、彼、女好きだから。うふふ」
~~~~~~~
待ち合わせ場所の新橋の改札口へ行くと直子とみどりが
二人はおしゃべりをして待っていた。
「お待たせしました、松平亮です」
「はじめまして宮崎みどりです」
みどりはとても礼儀正しい女性で変な噂は信じられないような
地味な感じの女性だった。
「何が良いですか?フランス料理、和食、中華、焼き肉」
「私は中華が食べたいわ」
直子が言うとみどりがうなずいた。
亮は銀座松坂屋の裏にある猛林で食事をしながら、みどりを観察した。
「直子さんと松平さんまさに美男美女のお似合いのカップルですね。うらやましい」
「ありがとうございます。みどりさんお付き合いしている方は?」
亮のストレートな言い方にみどりは返事を少し戸惑って答えた。
「いません」
その伏目がちな目は寂しそうで
亮と目が会うと時々その目をそらす事があった
猛林の高級中華料理のおいしさに二人は驚き
みどりは別に変わった様子もなく、明るく会食をした。
亮たちはみどりと別れた後直子は亮に聞いた。
「どうだった?彼女」
「別に普通でしたね。ちょっと影がありますけど、普通でしたよね」
「うん今日は普通だったけど時々おかしくなるの、
目がトロンとしてミスを何回もするし好きな男性がいるみたいで
夢中みたいで彼の話を良くするし、病院の倉庫で知らない
男性とキスをしているのも見た事が有るわ」
直子のみどり異常なところを言った。
亮はみどりが異常な行動が心配だった。
「実はうちのライバル会社ヘンケル製薬の
専務とみどりさんがホテルに行った所を
見た人がいるんです」
「本当!」
「ひょっとしたら薬を使ってみどりちゃんを
動かしているのかもしれない」
「もし覚せい剤だったらみどりちゃん警察に捕まっちゃうよ」
直子はみどりを心配していた。
「僕はみどりちゃんを助けて上げたい、でもみどりちゃんが
薬をやっている訳では無く自主的なら何も言えない」
亮は悩みだした。
「亮、みどりちゃんとやってみどりちゃんの本心を聞いてみる?」
「そんな事をしませんよ。そんな悪い事」
亮は以前葉子から情報を取るために関係を持った事を
恥じていた。
「ねえ、今度はみどりちゃんを助けてあげて私の事を助けてくれたように」
必死に亮に頼む直子が気の毒に思った。
「わかりました、みどりちゃんを助けましょう」
「ありがとう、愛しているわ。亮」
~~~~
数日後,ジュディが滝沢をロサンジェルス校へ行かせ
滝沢は凄く喜んでいたと言う、これで滝沢の独立騒ぎは収まった
同じ事を裕子が嬉しそうに亮に連絡してきた。
滝沢が『やっと努力が実った、認められたよ』そう言っていたらしい
裕子も滝沢と関係が切れシャンプーの開発に専念できるようになった
それから2週間経ってシャンプーのサンプルができあがった。
そして、亮は銀座の店内でシャンプーの効能の説明を
客一人一人に説明を始めた。
そしてデータとアンケートを採集しシャンプー前と
ブロー後の保水率などをチェックして行った。
亮の出すフェロモンで美容院中の美容師の女性は
ちらちらとカウンターを覗き、亮の名前を聞いて帰る客は
数え切れなかった。
美容室で営業をしている亮はだんだん様になってきて、
女性客ばかりの銀座の店では
フェロモンを発散している亮が気になるらしく、
店の宣伝をするホステス達が増えてきた。
「亮、あなたのこのお店での存在は問題だわ」
裕子は客と従業員が亮に夢中になる姿気になっていた。
「そういわれても、仕方が無いですよ。データを取るためですから、
でもなかなか接客も面白いものです」
「亮、あなた女性相手の販売員か営業の経験あるの?」




