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グッド・ジョブ媚薬 1部  作者: 渡夢太郎
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新入社員

「良いわよ。こんなお姉さんで良かったら、

でもこれは秘密だから

誰にも言っちゃだめよ」

「はい」

「ところで亮さん、どうしてエッチが上手なの?」

「実は先祖が徳川家の御典医、團正志斎でそれが、

大奥の女性達の性の処理の為に研究開発した秘儀で

豆返しと言うのです」


「そうか、徳川流直伝なのか~歴史感じる」

絵里子は今まで聞いた事のないリアルな徳川家の話を聞いて興奮してきた。

「高校の時、蔵の中の古文書を父から譲り受けて見つけたのです」

「そうか偉いね」


亮が恥ずかしそうに照れ笑いをしていると絵里子は話を変えた。

「それで大学を出てどうするの?美宝堂?

アメリカに留学して戻ったらDUN製薬で研究員をします」


「ご先祖様と同じお医者さんじゃないのね」

絵里子は亮に抱きつきキスをした。

二人は睡魔に襲われ気が付いた時は、すっかり外は

暗くなってベッドから見えるレインボーブリッジが七色に変わっていた。


「これから、時々私を抱いてね」

「はあ、いいんですか?」

それから亮は時々絵里子と密会をする事になった。


~~~~~~~

「うふふ、私亮さんの初めての女だったんだよね」

「ははい」

亮の頭には絵里子との事が頭に浮かんだ。

「今日は私を抱きたくて来たんだ」

「あまり大きな声で言わないでください、そうです」

亮は小さな声で言った。


「だめよ」

「えっ!」

亮は自分の考えが甘かった事に落ち込んでいた。

「ただ、見せたいものがあるから

お店が終わったら部屋に行こう」


「まだ時間が・・・」

「じゃあ、カウンターで飲んでいて、

お酒強くなったんでしょう。

 他に行っちゃだめよ」


亮が勝鬨橋のマンションに懐かしく思って入った。

チャイムを鳴らすとドアが開き女性が顔を出した。

「おかえりなさいませ。あら?」

女性は亮を見て不思議そうな顔をした。


「では奥様帰らせていただきます」

「はい、ご苦労様です」

女性は亮に気を使いそそくさと帰って行った。

「ただいま。絢香」

絵里子は三歳くらいの女の子を抱き上げた。


「ママ、誰?」

絢香は亮を指さした。

「あなたのパパよ」

「えっ?」

亮は意味が解らなかった


「ねえ私と最後に関係を持ったのは

いつか覚えている?」

「日本を発った4年前です」

「この子三歳よ」

「マジ」

亮は足元が崩れて行った。


第二章 新入社員


亮の職場、DUN製薬の営業部では

朝から女子社員が噂をしていて

落ち着きが無かった。

「今から新入社員が入ってくるわよ」

女子社員たちが騒ぎ始めた。


営業3課には三人の男が配属され

窓際に三人が並び挨拶をした。

「松平亮です」

「大橋純一です」

「木村悟です」

三人が挨拶を終えると課長の

渡辺が三人の肩を叩いた。


「当社は、営業部の中に3つの課があり我が営業3課は

主に病院に新薬を営業する課だ」

「あのう、普通の薬局への営業は無いんですか?」

亮は手を上げて渡辺に聞いた。


「市販薬の薬局への営業は子会社の

DUN薬品販売が営業をしている、

早速三人には先輩に付いて医療用の新薬、

新製品を営業してもらう。

とても大事なポジションだ。

三人ともよろしく頼むよ」


「宜しくお願いいたします」

亮が顔を上げて回りを見渡すとその中に、

一際目立つ美人大原智子がいた。

翌日、池袋近くにあるダイニングで歓迎会をすると、

亮はほとんど誰とも話をせず同僚の大橋、木村の脇にいた。

そこに、大原智子がビールを注ぎに来た。


「松平さん27歳なんですね。私24歳。ええと」

智子は指を折った。

「日本の薬学部6年アメリカで4年です」

「そうか・・・」

「アメリカのどこ?」

智子は体を乗り出した。


「アメリカのボストンです」

「ええとボストンって何があったっけ?」

日本にあまりなじみがない東海岸の

ボストンを智子はあまり知らなかった

「ええと大学とレッドソックス。とても古くて

静かでいい街です。ただとても寒いですよ」


「大学ってどんな大学があるの?」

「ラバー大学、ボストン大学、マサチューセッツ大学、

マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学、

ハーバード・ビジネス・スクール、

エマーソン大学、ボストン音楽院、

タフツ大学など約40校、人口65万人の

都市に学生が25万人住んでいます」


「わあすごい。それで何の勉強をして来たの?」

「経済学です」

「薬学部を出て経済学?」

智子の頭の中では経済学と薬学部はつながらず

首を傾げた。


「それでどうしてうちに入社したの?」

智子は亮が何を言っているか理解できなかった。

「でも営業より研究室向きね」

「ええまあ」

亮に興味がある智子は色々な質問をした。


「ねえ、家は何処?」

「目白です」

「近いわね。私は練馬よ。目白のどこ?」

「目白駅を降りて目白通りを渡った

住宅街のテニスコートの近くです」


「テニスやるの?」

「時々やります」

「社員旅行へ行ったらやろうよ」

亮に興味がある智子は遠回りに亮を誘った。

「今日これからどうするの?」

「9時には帰ります」

「そうなんだ・・・」

智子は詰まらなそうに木村と大橋のところへ行き、

結局亮はお開きの9時に帰って行った。


~~~~~

亮たちの最初の仕事は病院周りの営業で、

事務局へ行きアポを取って担当医

と会える時間が来るまで看護師が歩く姿を観て

色々な想いをめぐらしていた。


「看護師さんはふくらはぎが太い人が多い。うっ血のせいか?

立ち仕事のせいで老廃物が溜まっているのか・・・」

亮は看護師たちの為の着圧ソックスとマッサージを考えていた。


「毎日ご苦労様」

毎日来る亮に背が高くショートボブの美人の看護師が声をかけてきた。

「こんにちは」

亮は立ち上がって看護師に挨拶をした。

「営業うまく行っている?」

看護師は親しげに話しかけた。


「なかなか新薬は取引してくれませんね」

「そう、何か知りたいことがあったら

聞いてね。私内科の池田直子」

直子は胸を突き出し胸章を見せた。

「ありがとうございます」

亮は立ち上がり深々と頭を下げた。


~~~~~~

会社に戻った亮に大橋純一が声をかけた。

「松平さん、営業上手くいっています?」

「いいえ」

年上の亮に大橋が静かに聞くと亮は首を横に振った。

「たまには飲みに行きませんか?木村も一緒に」

「ええ」

亮は乗り気じゃなかった。


「良いじゃないですか、どこを営業したか情報交換もあるし」

亮はそう言われるとうなずいた。


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