受け渡し
「本当なんですか?」
「本当よ、ね團君」
「はあ」
「だからね私、欲望のままに女を
襲ったり、女を食い物にする
男許せないのよ」
美咲は自分の過去を美也子に
話をして心が晴れた。
「美也子さん、新宿署には私の方
からお願いしておきます。
何かあったらすぐに連絡をください。
すべて私が引き受けます」
美咲の自信ある言い方を聞いて
見て美也子は笑った。
~~~~~~
翌日、ヘンケル株は噂が噂を呼び一挙に
500円が上がって終値がつき
亮は美也子に電話を掛けた。
「美也子さんヘンケルの株価2500円です」
「上がったわね」
「儲かりましたね。美也子さん」
亮は計画通り行った事で嬉しさを隠し切れなかった。
その夜、田中から美也子の元に電話があった。
「いやー思ったより高値が付いちゃったなあ、美也子さん」
「うふふ、先生お金の件よろしくお願いします」
「もちろんだよ、明日、10時に株の書き換えをしよう」
「分かりました。ではナダル証券で10時にお会いしましょう」
「そうか、その後にアカプリホテル2030号室でお金を渡そう」
美也子から明日の報告を受けた亮は森に電話をした。
「森さん、明日ホテルアカプリ2030号室で
田中が美也子さんにお金を渡します」
「了解」
亮は美咲にも電話した。
「明日、美也子さんがホテルアカプリ2030号室で
1億2500万円受け取ります」
「わかったわ。きっと今晩お金が
その部屋に運び込まれるわね」
「そうですね、よろしく」
その夜森が見張っている20時に駐車場に森田が入ってきて
大きな紙袋2つを持って2030号室へ入った。
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翌日12時に美也子と田中は2030号に入った。
「ありがとうございます、先生」
「助かったよ。こんなに株価が上がるとは予想もつかなかった」
「はい、それだけ人気があるんですね」
「うん、よし。じゃあこれが1億2500万円だ」
田中が紙袋を美也子に渡した。
「ありがとうございます先生、
たった2日でこんなにいただいて」
「大丈夫だよ、今日も株価が順調に上がっている」
「そうですね」
「美也子さんお金持っているねえ。
いったいいくら持っているんだ?」
田中はまた美也子を利用しようとして美也子の持っている
お金が気になっていた。
「国税がうるさいので金額は・・・」
「あはは、また今度こうゆう事があったらたのむよ」
「はい、儲かるのでしたら」
美也子はゆっくりと頭を下げた。
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田中の秘書の中山がお金の入った紙袋を持って
地下に駐車してあった美也子の車に積んだ。
「ありがとう中山さん」
「いいえ」
中山が駐車場のエレベーターに乗ると
隠れていた亮が出てきた。
「さあ行きましょう。銀行が閉まってします」
美也子は1億を亮の口座に戻し残った
2500万円を手に持って
悩んでいた。
「この2500万円どうする?」
「このお金をファッションショーの
お金にしましょうね」
「そうね。うふふ」
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夕方、麻薬取締法違反で川野がホテルで
逮捕された事を森から電話があった。
「亮、覚せい剤所持で川野を捕まえた」
「覚せい剤所持ですか?」
「ああ」
「おつかれさまでした、森さん」
亮は覚せい剤所持は執行猶予なので検察は入手経路から
他の人間関係もっと追及をするのだろうと思っていた。
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川野が捕まった情報は、手塚から森田に入った
「森田さん。川野さんは麻薬所持の
現行犯ですからもみ消せないですね」
「そうですか。でも何かおかしいですね。
何かじわじわと。周りが」
「そうか?」
手塚は森田が言っている意味が分からなかった。
「手塚さんとにかくお願いします。すぐに上京してください」
森田は田中に電話をした。
「先生にはご迷惑をかけませんから、ご安心を」
「うん」
田中は渋い返事をした
「川野専務はあくまで、麻薬所持で。
その他証拠はありませんから」
「わかった、金曜日には頼むぞ、森田君」
「はい」
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川野元専務の逮捕で、DUN製薬は大騒ぎなり
緊急役員会で團秀樹が口火を切った。
「社長は辞任すべきだな、新薬の情報が
2年間流れていたそうではないか」
秀樹は社長の川村に強く言った。
「はい、確かに」
「それでどれだけの損をしたと思っているのかね」
「はい」
「1000億だよ、幸い今回元専務の逮捕前で済んだが、
もし解任前だったら株価は暴落、倒産の危機だった。
経営責任をとりなさい」
「はい」
取締役は全員立ち上がり秀樹に向かって頭を下げた。
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金曜日午後、ヘンケル製薬の糖尿病薬の発表があった
画期的で今までに無い薬効は著しいものがありそれによって、
ヘンケルの株価は上がりストップ高となり
それに反し元専務の逮捕と言うスキャンダルで
DUN製薬の株価は暴落した。
月曜日、亮はヘンケル製薬の株15万株を
1株4100円で売りそのお金で、
暴落したDUN製薬の株を10万株買った。
翌日の火曜日、DUN製薬は社長が
辞任したため真田専務によって
新薬の発表記者会見が行われた。
それは浸透型インシュリン糖尿病の
薬と器具の発表だった。
「今までインシュリン注射を行っていた
場合は大変波があり不安定でした。
今回発表いたしますのは、パッチ型で常に
一日必要なインシュリンを皮膚から少しずつ
吸収され安定的に供給をします。
それとこれが押さえるベルトです」
それは、収縮性のある素材で
マジックベルトで固定するものだった。
この画期的な方法は、評価され。
翌日、DUN製薬の株価は新薬の反響でストップ高となり
亮は10万株を1株6550円で売った。
そこに美也子から連絡が有った。
「田中が私の事を話したら、どうなるのかしら?」
「ヘンケルの株をお金を立て替えて
買ったことによる利益ですからね。内緒です」
「そうね」
そしてDUN製薬は会社改革に取り組み
DUN製薬販売は、DUN製薬に吸収された。
代表取締役会長 團秀樹
取締役社長 真田義明元専務
新たに医療器具販売メーカーDMSが設立され
そこで糖尿用パッチベルトや様々な医療、介護機器が
販売される事になった。
数日後、ヘンケル製薬に臨床データ虚偽の疑いで捜査が入り
ヘンケル株は1000円代急落した。田中の一時期10億以上有った
資産は一挙に5分の1に減ってしまった。
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数日後マンションに直子と智子と葉子と森と早苗がそろった。
「みんな、今日で一段落しました」
亮はみんなに報告をした。
「ねえ、どうしてヘンケルに捜査が入ったの?」
智子が聞いた。
「元々あの薬は、浸透型薬だったんです。それを知らずに、ヘンケル社の
離床データは自分達開発した薬と合わせて提出したんです」
「なるほど」
みんながうなずいた。
「万が一あの製造法で注射をしたら、
血糖値が下がりすぎて一発で死にます」
「低血糖ね、危険だわ」
直子が言うと亮が答えた。
「1番大切なのは、腕輪だったんです」
「なるほどヘンケル社はそれを知らなかった訳ね」
智子が納得した。
「松本の研究所の人たちも知らなかったの?」
絵里子は研究所の人も知らないところで
研究されていた事が不思議だった。
「はい、今回は父と僕と一部の研究員の
トップシークレットで行われていて、臨
床データも守られていたんですよ、世界初の事でしたから」
亮がうれしそうな顔をして答えると
絵里子は薬の開発の期間を知りたかった。
「と言う事は、この研究は何年前から?」
「僕が学生時代の時ですから5年になります」
「はい?薬を作るのにそんなに時間がかかるの!」
絵里子は驚いていた。
「はい5年以上は当たり前です、ところで、
今回皆さんへのお礼を渡します。
今回の功績にみんなさんにボーナスをさし上げます。
直子さん、葉子さん、智子さん、
ここにはいませんけど裕子さんの四人。
一人500万円になります」
亮が2000万円の札束を前に出した。
「森さんと早苗さんには有りません」
「はいっどうして?」
早苗が怒った。
「仕事ですから経費は払います。それと・・・」
亮は森に2千万円の小切手を渡した。
「早速ですが。事務所は森さんの
部屋を出てこれで借りてください」
「おい、こんなに」
「僕の出資金と言う事で会社を設立してください。
早苗さん、経理の方しっかり頼みます」
「はい」
「亮、こんなにいいの?」
葉子が喜んで亮に聞いた。
「はい、自由に使ってください。ただ一時所得で税務署に
申告してください」
「私、貯金と買い物!」
葉子がはしゃいで言った。
「私も、でも生活変えたくないし」
智子はうつむいた。
「私は学資にします。エステの専門学校行くつもりよ」
直子は嬉しそうに言うと葉子が聞いた。
「直子ちゃん看護師やめちゃうの?」
「うん、辞める。亮はきっとみんなにお金を渡して
自立してもらおうと思っているんでしょう」
直子は亮の気持ちを察して言ったが
みんなは嬉しそうではなかった。
「はい」
葉子が聞くとすかさず直子が心配になって聞いた。
「そうよ、私達への手切れ金?」
「そういう意味じゃなくて今回みんなにがんばってもらった
お礼とこのままだとみんな結婚遅れるかなと思って」
「大丈夫よ亮、あなた以上の男性を
見つけたら、私達離れて行くから」
直子がしっかりと言った。
「そうか、それならいいです」
「智子ちゃん、亮以上の男性いる?」
亮はニコニコ答えると葉子は智子に小声で話した。
「いるわけないじゃない」
「そうだよね、うふふ」
二人はコソコソ話をして笑っていた。
「じゃあ、亮に利殖の元金として
預けておくから配当金を下さい
それなら税率も低いし結構使えそう」
直子が言うとみんながうなずいた。
亮はみんな計算高い事に驚いていた。




