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助けるために

「魔法……。……使える者がいたのですか。これはお宝を拾いましたね」


ドワーフとエルフの姿が消える。壁に叩きつけられていたローズが折れた槍を杖にするように立ち上がる。目の奥の光は消えておらず、重傷をにおってこそいるものの死にはしないという傷だった。


「が……これ……は……?」

「ジルクならあそこですよ」


ヤギが顔を壁の方へ向ける。そこには横たわり、息すらしてないように見えるジルクの姿があった。


「ジル……ク……!」


槍を杖のように扱い、ふらふらとした足取りでローズはジルクに近寄っていく。だが近づくにつれ、その有様を目にできるようになり、眼の光が少しずつ消えていく。


両手両足は形を留めておらず、どうなっているのか分からないぐにゃぐにゃぶり。首こそ折れていないものの身体の中はミキサーでかき混ぜられたようになっており死に体という言葉すら軽い。

死体と言っても何らおかしくない傷だ。ローズが希望を失いかけるのも仕方のないことだった。


だがローズは気づく。まだジルクの息はほんの僅かだが続いている。

おそらくダメージを負う寸前に回復魔術を展開し、その効力が発揮したのだろう。そうでなければ即死している傷だ。


「死な……せ……は……しない」


ローズはかつてジルクに渡した腕輪に目を向ける。罅が入ったそれにはジルクの魔力が詰まっている。そしてそこには防御魔術が刻まれている……だけではなかった。


腕輪にかつて刻まれていた魔術は二つ。状態異常に対する守りと……回復魔術。瀕死になったらせめて立ち上がれるようにと刻んだものだった。


だが腕輪は瀕死になったからといって自動発動するような代物ではない。それができるのはドワーフくらいのものだった。

事実、今のジルクには回復魔術はかかっていない。腕輪の力は使われていなかった。


「ジル……ク……」


ありったけの魔力を腕輪に込め、回復魔術を起動させる。だがローズはダメージから無理やり起き上がるだけでも魔力を消費する程に傷を負っている。

それは死に近づくのに等しい行為だった。だが彼女は止めない。それこそが正しい行為なのだと信じているから。


「わた…しを……助け……てくれ……ジ……ル……」


ローズの意識はその言葉を最後に、暗闇の底に落ちていった。


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