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月夜譚 【No.1~No.100】

神隠し 【月夜譚No.67】

作者: 夏月七葉

 この町では、誘拐事件が多発しているらしい。最初は子どもばかりだったのが、最近では大人も突然姿を消すという。

 多くの人間は「誘拐」と称するが、その実態はどちらかというと「神隠し」に近い。得体の知れないこの現象に、犯人がいると思い込んで安心したいだけなのだろう。

 男は最後に町民が姿を消したという小川沿いに立ち、爪先で小石を蹴飛ばした。ぽちゃん、と音を立てて飛沫が上がる。

 これは面倒臭いことになりそうだ。痕跡もなければ、何の気配も残ってはいない。ただただ、澄んだ水が流れているだけだ。男は溜め息を吐いて、ポケットに突っ込んでいた両手を引っ張り出した。

 金がないから大きめの依頼を一つ回してくれとは言ったが、ここまで面倒な依頼を宛がわれるとは思わなかった。全くもって、意地が悪い。

 眼鏡をかけた嫌な野郎の顔を思い浮かべて、男は顔を顰めた。

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