1day
どこにでもある恋の物語だと思ったら、、何かがおかしいみたいです。
1~3分で読める短編小説なのでお気軽に読んでみてください。
6月4日
僕が想いを寄せる彼女はとても美しい。透き通った肌に麗しい髪の毛。彼女を形成するすべてが僕を魅了した。
中でも、彼女の潤った瞳は僕を惹きつける。どうすれば彼女は僕のものになるのだろう。なんて考えるのも今日で何度目なのか。僕の頭の中はいつも彼女のことでいっぱいだった。
でも、それは僕だけではないらしい。僕の仲間も皆口を揃えてこう言った。「彼女に惚れている」と。
ただ、彼らは僕より勇気があった。彼女に自分を選んでもらおうとアピールを欠かさない。あるものは彼女の負担にならないように努力し、あるものは彼女を優しく包み込んだ。
それでも彼女はすぐ飽きてしまうようで、彼らはすぐに捨てられてしまう。僕は彼女に魅了された仲間たちが手離されるのを何度もそばで見てきた。
6月28日
少しの月日が流れ、彼女はついに僕を選んでくれた。彼女を想い続けてどれだけ経っただろうか。僕は彼女と1つになった。
その後も僕らは共に過ごした。一緒に買い物へ行き、一緒にたくさんのものを見た。彼女といると世界が美しく見えた。彼女と共に見る景色はどれも素晴らしかった。
それでも、僕は知っていた。どれだけその日が充実していても、どれだけ楽しい時間を過ごしても彼女は決まって僕らを捨てるんだ。
あぁ、もっと一緒にいたいのに。
「ありがとう」最後に僕は言った。
彼女は、何も言わなかった。
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6月29日
「あれ、美咲今日はメガネなんだね」
『あ、おはよう。うん、コンタクト切れちゃって。今日買いに行こうと思ってるんだけど。』
「へ〜、ってあれ?この前も買ってたよね?コンタクトってそんなに早く消費するものなんだ。」
『うん、ワンデーコンタクトだから。』
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
小さな恋の物語、気に入って頂けたでしょうか。
感想を頂けるととても嬉しいです。