チェックメイト
「がはっ…………くっ、くくくっ、くはははははは!!!! 多少は驚いたが、痛くも痒くもない! この程度、なんの痛みも感じない!」
あれだけの落雷を受けてもなお、立ち上がり、不敵に、素敵に、悪意と殺意を持って笑う。
「よかろう……では、耐えてみよ!」
麒麟の角から電気が放電され、それが雷雲へと伝わる。空はゴロゴロと雷を鳴らし、雲から雲へと駆け巡る。
散らばっていた雷は渦を巻くように中心へと集まったいき、落ちた。
「ぐっ……。こ……この程度……一族を殺されたう、恨みに比べれば……な、何とも……」
先程と同じ威力、いや、それ以上の威力の雷撃を受けてもまだ立つ。そして、全身が痺れているにも関わらず、1歩、また1歩とこちらに近づいてくる。
「ゆ、許さない……絶対に!」
「…………ここまで落ちたか。悪に憑かれた妖怪風情が!」
麒麟は九尾に向かっていく。間は残り1m。九尾は痺れて動けない。それに対して麒麟は攻撃を構えている。
「い、い、いいですわ……次で終わり――」
「いいや、もう、終わっている」
――グサッ。
九尾の背中には麒麟の角が刺さっていた。
「なっ!?」
目の前にいた麒麟は小さな雷の泡の粒となり、泡のようになって空に帰っていった。
「チェックメイドだ」
「ぐぁぁぁあああああ!!!!」
麒麟は角から電気を発生させた。九尾の体内に直接電撃を浴びさせられた。これが意味するのは死に近い。
外がダメなら内から。誰でも思いつく事だが、それはいかに重要かが鬼雨にはわかった。
「な、なんて電撃だ……」
背中に刺された傷口からドバドバと血が溢れ出てくる。
「……なら、私はさしずめ王手といった所でしょうか」
「!?」
それでも九尾はそこに立っていた。手はいつでも殺せるようにと爪を伸ばし、鋭く研ぎ澄ませている。
「……仕方なし、人格を変えてやろう」
「!?」
「そ、そうはさせませんわ!」
爪と角がぶつかり合う瞬間、辺りは光に包まれた




