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狐火

 直径10mはある青色の巨大な狐火が鬼雨達の目の前で出来た。


「これは、ほんとに狐火なの……か?」


「ど、どうしよう、鬼雨。う、動けないよ……」


 リリィが助けを求めてきた。見てみると、尻が地面に付いており、全身は震え、涙目でこっちを見ていた。


「た、助けて鬼雨! 立てない! こ、腰が抜けちゃった!」


「はぁ!? こんな時に何やってんだ!」


 なんとか逃げようとリリィを抱えるが――、


「うふふ、逃げられるわけないでしょ。1目見れてよかったですわ〜。では、さようなら」


 九尾は挙げていた右手を下ろすと同時に、狐火がこちらに向かって来た。


 逃げきれない――


 そう悟った瞬間に世界がスローモーションのように見えた。周りが良く見えた。九尾の狂気的な笑み、リリィの泣き顔、そして――、


 思考が加速した。ここから切り抜ける方法を見つけ、行動する。その時には、狐火がもう目の前まで迫っていた。


「我慢してくれ、リリィ!」


 ガブッ。


 この行為は禁じ手。なぜなら、自分がいる暴走するかもしれない危険性がある行為なのだから。


 直後、大きな爆発が起きた。狐火は弾け、辺りは熱気につつまれる。


「へぇ……やりますわね」


「あ、危なかった……大丈夫か、リリィ?」


 鬼雨は狐火にあたる寸前で、リリィの首から血を吸った。


 暴走状態から血を吸うことによって落ち着くのではなく、血を吸うことによって無理やり暴走状態にさせる。いわゆる諸刃の剣だ。


 一瞬だけ羽ばたかせて、上空へ。


「うん、なんとか……それよりも鬼雨こそ大丈夫なの?」


「だめだ、まずい……。それよりも早く――」


 地上へ降りようとしたら、後ろから熱さを感じた。


「ッツ! しまった!」


「詰めが甘いですわね……ふふ」


 後ろには、さっきの物を半分にした大きさの狐火が鬼雨の両翼に当たった。


「うぁぁぁぁ!!」


 黒い翼に青い炎が付いた。メラメラと燃え、体に移ろうとしていく。


「このままじゃまずい! 鬼雨、ごめん!」


 リリィがサイコキネシスで付け根を無理やり引き剥がした。血が溢れ出てきて、止まらない。


「あぁぁぁ……はぁ、はぁ、ありがとう。助かったよ、リリィ」


「これもかわすとは……やりますわね〜あぁ、楽しいですわ。次は何しようかしら」


 九尾は不敵に笑いながら狐火を燃やしていた。

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