電話
街に着くと朝だからなのか賑わっていた。周りの人は青い目に金髪といったいかにも外国。否、実際に英語を話している。
周りの道には車が走っており、両側にはスーパーや果物など、食料となるものが主に売っており、綺麗に並べられているのでどれも美味しそうだ。さらに奥にはパスタやビザといった店まである。
商品を眺めていると、お腹の鳴る音が止まないリリィが肉屋さんの前で突っ立てる。
「おい、リリィ! 行くぞ!」
リリィに声を掛けてみるが動かない。近ずいて顔を見ると、口の端から涎が少しずつ出てきている。
それよりも目がやばかった。執念そのものを感じるほどの鋭い目付きであった。
「お、美味しそう……ジュルリ……」
目が食いつくほど見ていたのはケーキだった。
見本として並べられているのはショートケーキやチョコレートケーキなど色とりどりに並べられていた。
「リリィ、俺達に今、必要なのはなんだ?」
「ご飯でしょ!」
「違ぁぁう! 答えは宿探しだ! お前は馬鹿か!」
いつもの事なので、もう、何とも思わなくなってきたが、いい加減このアホさを何とかして欲しい。
そんな時、バックから振動が伝わってきた。
「ん? なんの音だ?」
見てみると震えているのが1つあった。それは今まで未使用だったデジタルの腕時計だ。画面にはボスと表示されている。
「これ、どう見ても電話だろ? どうやって出るんだ?」
いろいろといじって見るが分からない。
そんな時、画面に触ると指紋認証が出てきた。
「これか?」
プッ。
画面から小さな針が出てきて鬼雨の人差し指に傷を与えた。人差し指から出てきた血は針を通じて画面の中に入っていく。
──認証を確認。通話を開始します。
突然、機会が話し出した。よく、聞いてみるとボスの声が聞こえた。
「もしもし、聞こえているか?」
「ボス! なんで全部リリィに任せたんだよ!」
「元気そうだな。理由か……お前はまだ組織に慣れていない。だからリリィに任せた」
言われてみればそうだが、任せる人をもう少し選んで欲しかった。
「ボス、あんたが持たせてくれたお金しかねぇが、ここじゃ使えなさそうだ。どこかで落ち着きたいんだがどうすればいい? てか、ここどこだ?」
「……そのまま真っ直ぐに行けば大きなホテルが見えるな?そこのスイートルームを用意しておいた。受付に私の名前を出せば通じるはずだ。そこで、少し羽を伸ばせ」
ここでプッと通話が切れた。
「え? ちょ……は? ……まじで?」
こうして、鬼雨はリリィを引っ張って連れて行くことになった。




