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化け物

(サァ、セメテ傷ヲ治シテアゲヨ。手ヲカザシテ!)


  指示通りに鬼雨は手をかざす。手のひらを通じて、光が傷口を治していく。みるみるうちにおっさんの細胞が増えていき、傷口が塞がっていく。


「これが……お前の能力(ちから)なのか……レクリア!」


  リリィが覗くように後ろから見てくる。


「どうしたんだリリィ? そんなに珍しいのか? 」


「珍しいもなにも、それは眷族の印ですよ! 」


「なんだそれ?」


「眷族の印とは、その種族の能力を使えるということです! 今回はユニコーンですから治癒ですね。その能力は種族に選ばれなければ貰えない超レアなやつです!」


「ふーん、そうか。……あ、お前も怪我していたな。ちょっと待ってろ。あの2人を治してからお前も治す」


「………………」


  結果からして、2人の欠けた腕は治らなかった。


「クソっ! なんで、治らないんだよ!」


「鬼雨、あなたが出来るのは止血まで。再生はできない」


  全てがわかっていたかのようにリリィが話してきた。


「どういうことだ?」


「体から完全に切断されています。ユニコーンの能力は治癒。つまり、()()()()()()()()()()()()治せますが、離れているともう治癒の領域では治せません」


  理解は出来なくても結果で証明される。


「……わかった。リリィ、こっちへ来いよ 。治してやる」


「ありがとうございます……」


  おっさんと同じように手をかざす。今度はリリィの全体を光が囲み、内蔵などを治していく。


「どうだ?」


「おかげさまで、すっかり元気になりました」


  女の子らしい小さな力こぶに手を当て、元気のポーズをとった。


「リリィ、俺は一体なにをしたんだ?」


「……あの、3人は人狼化していたにも関わらず、一瞬でした」


  リリィ曰く、鬼雨が意識を失くした後、背中に翼が生えた。内側に赤色、外側が黒色。そして、変化に気づいた3人組は陣を取った。若者2人が前衛。おっさんが後衛だ。


  武器を取り出した瞬間に鬼雨が若者2人の間を通り、同時に右と左、2つの腕を引きちぎり、傷口から血を飲んで腕を枯らした。次に首に噛み付いて、血を吸い若者2人は死亡。


 その間、おっさんは攻撃したが、全て嘲笑うかのように軽々と避け、血を吸い終わった鬼雨が腹に手を突っ込んだというわけだ。


  これの戦闘が行われたのはたったの2分間だけだと付け足す。つまり、逆に言えば血を吸い、殺すのに2分もあれば充分だという事だ。


「………………………………」


 長い沈黙が続いた。それを破ったのは他でもない鬼雨だった。


「ほんと、どっちが化け物だよ」


「鬼雨……」


  いきなり倒れそうになった鬼雨をリリィが肩を貸して支える。


「すまない。リリィ……もう大丈夫だ。これからまた、動く前にやることやっていいか?」


  鬼雨は3人組を1人で担ぎ、近くの崖に行った。そして、半日たった日には戻ってきた。


ここまで読んで頂いてありがとうございまここまで長かったです。

これにてユニコーン編を終わります!

まだまだ、続きますのでよろしくお願いします!

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