第1話 朝、目が覚めたら姉が居た(3)
ボク達は、美紀がたまに行くと言う、大学から少し離れた所にある店へ行った。
美紀に連れて来られた店は、『マッキントッシュ』という女性専門店だった。女性専門店とは言っても、男子禁制という訳じゃなく、男だけの客は遠慮してもらっているってところだ。だから、お客は女の子同士かカップルしか居ない。そのせいもあって、かなり落ち着いた雰囲気で、ボクは結構気に入った。ホント、デートをするには最高の店だ。ここなら邪魔も入らず、ゆっくりと話ができる。
食事を終えてコーヒーを一口飲むと、美紀が切り出してきた。
「さっきはごめんなさい。貴司が、他の女の子をアパートに連れ込む訳ないって判ってたのに、嫉妬なんて妬いちゃって、私ってバカみたい」
美紀は上目使いに、済まなさそうに言った。
あは、嫉妬やいていたのか。そうだよな、でなかったら、怒ったりしないもんな。
嫉妬やかれてたと思うと、結構嬉しいものがあるな。美紀も気が強いだけじゃなくて、やっぱ可愛いじゃないか。
そう思ってしまうと、美紀のちょっとした仕草も、可愛く見えてくる。
コーヒーカップを両手で包むようにして持って、ボクのことを窺う美紀が、とっても愛しく思える。
「判ってくれればいいんだよ」
「うん。私は貴司のこと、信じているから」
美紀が、ジッとボクを見つめている。だけどその瞳は、ボクを信じているようには見えない。
「…………」
ボクには、その沈黙が重い。
ヤバイ、話題を変えなくっちゃ。
「でも、ホントにどうやって部屋に入って来たんだろう。昨夜も、ちゃんと鍵を掛けたはずなんだけど、やっぱり掛け忘れたのかなぁ」
ホント、これだけは未だに判らない。
確かに、『昨夜は、ホントに鍵を掛けたのか?』って聞かれたら、ちょっと記憶がないから『掛けた』と言い切れないけど、毎日の日課だから、忘れるとも思えないんだよな。
「ホントに、気を付けなさいよ。貴司は腕力がある方じゃないんだから、相手が強盗だったらどうするつもりだったの?」
「どうするもこうするも、そしたら今頃はここに居ないよ。相手が強盗だったら、きっと今頃は警察の解剖台の上だな」
「貴司! そんなこと言わないの」
美紀は、本当に心配してくれてるんだな。美紀を、安心させてやらないと。
「ごめんごめん。でもまぁ、大丈夫だよ。今朝だって鍵はちゃんと掛けて来たし、夜だって忘れずに掛けるから」
「ホント?」
「ああ、大丈夫」
「なら、いいんだけど」
疑う美紀に力強く答えると、やっと安心してくれた。
「ねぇ。疑ったお詫びに、夕飯作って上げる。何がいい?」
美紀は罪滅ぼしのつもりか、いつになく嬉しいことを言ってくれる。でも……。
「昼飯喰ったばかりで、夕飯何がいいって聞かれてもなぁ。そうだ、なんかレパートリー増えた?」
「別に増えてないけど」
ボクが期待して聞いたのに、美紀は素っ気なく答えた。
ったく、少しはボクのためにレパートリーを増やしてくれよ。とは言っても、美紀の性格じゃ、仕方ないか。
「じゃあ、いつものハンバーグを頼むよ。やっぱハンバーグは、美紀の作ったヤツが一番だからな」
これはホント。美紀のお袋さん直伝らしいんだけど、ボリュームがあって旨いんだ。それに特製ソースまで作るんだから、結構本格的なんだ。
「判った。じゃあ、買い物に付き合ってね」
「ああ」
ボク達は、マッキントッシュを出ると駅に向かった。
即かず離れず、いつものように並んで歩く。狭い道の真ん中を、前から腕を組んだカップルが来たりすると、左右に別れてカップルを避ける。傍目から見たら、きっと恋人同士には見えないんだろうな。それが、ちょっとだけ寂しい。
なんとなく二人の時間を過ごした後、ボクのアパートから一番近いスーパーに入った。
七月半ばの、まだ三時を過ぎたばかりだから外は暑い。だからスーパーに入った瞬間の冷気が、すっごく気持ちいい。
いつものこととはいえ、美紀は篭も持たずにスタスタと入って行くから、ボクは仕方なく篭を持って美紀の後をついて行く。
はあ……。たまに感じるこの距離感。付き合い始めて一年以上も経つのに、まだ縮めることが出来ない距離がある。このことに、美紀は気がついているのかな?
美紀は躊躇うことなく野菜売場に行くと、玉葱の品定めを始めた。
しばらく美紀は玉葱の入った袋を取っ替え引っ替え較べていたけど、突然ボクに声を掛けてきた。
「ねえ、貴司。相変わらず、自炊はやる気ないの?」
「お前、知っててそういうこと言うのか?」
「知ってるも何も、居酒屋でバイト始めて何カ月経つのよ。少しは料理が出来るようになっても、いいんじゃない?」
「料理を運ぶのと、皿洗いがボクの仕事。アルバイトは、調理しないの。だから何カ月バイトしようが、料理はうまくならないんだよ」
「でも、少しは料理を覚えたでしょ?」
「全然。相変わらず、焼飯と味噌汁ぐらいなもんだよ。それよか、美紀はどうなんだよ。レパートリーは増えたのかよ」
「当然よ。少しずつだけど、人前に出せる料理は、ちゃんと増えてるわよ。でなかったら、貴司になんか作って上げないわよ」
「すると何か? ボクはモルモットか?」
「まあ、そう言うことになるかな」
「お前なぁ」
「でも、ちゃんと食べられるものを作って上げてるでしょ」
「まぁ、確かにな……」
やっぱり、口じゃ美紀に勝てないな。何か違うぞって思っても、返す言葉が見つからない。
ボクが口篭ったせいか、美紀は玉葱を見比べながら、独り言を言った。
「こっちの玉葱の方が大きいんだけど、頭のところが青いのよねぇ」
「青くたって、いいじゃないか。別に、食べられない訳じゃないだろ」
「それはそうだけど、青臭くなるのよねぇ」
美紀はしばらく二つの袋を見比べていたけど、結局小さいけど、青くない方を選んで篭の中に入れた。
それから挽き肉や玉子、パン粉代わりの食パン、それに牛乳を篭に入れるとレジに向かった。だけど、レジの側まで来た時、美紀が足を止めて聞いてきた。
「貴司、中濃ソースとケチャップはある?」
「ケチャップはあるけど、ソースは切らしてる。ウスターソースならあるけど」
「ウスターだと、コッテリした舌触りが出せないからダメ。と言うことは、ソースは買わないとダメか。……ところで、ケチャップはいつのやつ? 自炊しない貴司が、ケチャップを使い切って、新しく買ったとは思えないんだけど」
美紀が、『なんでもお見通しよ』って視線をボクに向けてくる。
美紀のこういう視線に、ボクは弱いんだよなぁ。
「当たり。前にハンバーグを作ってくれた時のが、まだ残ってる」
「うーん。ちょっと古いけど、まっ、大丈夫かな。ちょっと待ってて」
一瞬考え込んでから一人納得すると、美紀はソースを取りに行った。
一通り買い物を終えると、ボク達はアパートに向かった。無論、スーパーの袋はボクが持ってる。
しまった!
アパートの近所まで来た時、ボクは厄介なことを思い出した。
ちゃぶ台や食器、片してなかったんだ。
美紀に夕食を作ってもらう前に、食器類を洗わなくっちゃな。うー、気が重い。
嫌なことを思い出したら、途端に声のトーンが落ちてしまった。美紀の声も、なんだか遠くから聞こえるようだ。
まったく、これだから皆に『嘘のつけないヤツ』って言われるんだよな。精神状態が、すぐ声に出ちまう。
ボクがそう思った途端に、美紀が怪訝な顔で聞いてきた。
「どうしたの、貴司。急に落ち込んじゃって」
「あ、いや。ちょっと嫌なこと思い出してね」
「嫌なことって?」
「今朝のこと。まだ部屋の中、片してないの思い出したんだ。だから料理する前に、食器とか洗わないといけないんだよな」
ボクが憂鬱な気分で答えると、美紀が明るく言った。
「なんだ。そんなことだったら、私がやって上げるわよ」
「お、そりゃ助かる。家事って言われることは、全部苦手だからな」
「何言ってんのよ。食器洗いなんか、毎日バイトでやってるじゃない。それに貴司の場合、苦手なことがあるんじゃなくて、得意なことがないんでしょ」
「あ、そういう言い方って、ないんじゃないか?」
「そお? そんなこと言うなら、なんか得意なことあるの?」
美紀が、澄ました顔で聞いてくる。
「う――。そうやって改まって聞かれると、得意なことってないんだけどさぁ」
「でしょ。だから、私の言う通りでいいのよ」
「まったく、美紀には敵わないよなぁ」
他愛ないお喋りをしているうちに、ボク達はアパートに着いた。
ボクは鍵を開けようとして、鍵が回らないのに気がついた。
「おかしいなぁ……」
試しに、反対側に回してみる。
カチャ。
鍵が回った。と言うことは……。
ノブを掴んで回してみると、思った通りノブは動かなかった。
ボクはもう一度、本来の方向に鍵を回してみる。
カチャ。
やっぱり。
ノブを回すと、扉が開いた。でも、今朝は間違いなく鍵を掛けたぞ。
「どうしたの、貴司」
扉の前で、いつまでもグズグズしているボクを不信に思ったのか、美紀が聞いてきた。
「おかしいんだ。今朝、ちゃんと鍵を掛けたはずなのに、鍵が開いてたんだ」
「泥棒?」
美紀の顔が、一瞬にして不安の色に曇る。
「かもしれない。……ちょっと、下がってて」
ボクは、美紀を扉から遠ざけると、ゆっくり扉を開けた。
ほんの少しだけ開けると、中の様子を窺う。
部屋は荒らされてない。タンスは閉まったままだし、畳みの上に服が投げ出されてもいない。ちゃぶ台の上だって、綺麗に片付いてる。
綺麗に片付いてる? そんなはずはない。ちゃぶ台の上は、食器が朝のまま残っているはずだ。なのに、なんで部屋が綺麗に片付いてるんだ?
ボクは一気に扉を開けると、部屋の中に入った。
「あら、遅かったわね」
部屋に上がった途端、女性の声がボクを迎えた。
「!」
声のした方を見ると、そこには今朝の女が居た。
「あ! なんでお前がここに居るんだよ。それに、どうやって入ったんだよ」
「部屋を片付けようと思って……」
ボクの怒鳴り声を聞き付けて、美紀も部屋に入って来た。
「どうしたの? 誰か居るの?」
ヤバイ!
そう思ったけど、もう遅かった。今朝の女が美紀を認めると、話し掛けていた。
「あら、貴司の彼女? はじめまして、あたしは貴司の姉の、香と言います。よろしくね」
ニッコリ微笑む彼女に、最初美紀は驚いていたけど、次第に顔を赤くして真っ赤になった瞬間、彼女に怒鳴った。
「あなた、一体誰よ! ひとりっ子の貴司に、お姉さんが居る訳ないでしょ!」
本当はちょっと違うんだけど、面倒臭いから美紀にはひとりっ子と言ってあるんだ。まずかったな、これじゃ話が余計拗れちまう。
「コイツが、今朝勝手に部屋に上がり込んでた人だよ」
とにかく、美紀にはこの女の正体を正直に話した。嘘をついたところで、すぐにバレるのは目に見えてるからな。
「勝手にだなんて、失礼しちゃうわね。姉が弟を心配して、アパートに尋ねて来ちゃいけないって言うの?」
まだ言ってやがる。いい加減、コイツもしつこいな。
「だから今朝も言ったろ、ボクの姉貴はボクが産まれる前に死んでるんだ。だから、君がボクの姉貴である訳がないんだよ」
ボクの言葉に、美紀が驚いているけど、今はちょっと無視。
ボクは心の中で美紀に手を合わせると、彼女のことを睨み付けた。
「そんなこと言ったって、仕方ないじゃない。あたしは間違いなくあんたの姉で、幽霊なんだから」
「ゆ、幽霊!?」
やっぱり、美紀が素っ頓狂な声を上げた。
「ほら見てみろ。君が幽霊だなんて、誰も信じやしないよ」
ボクは、彼女を窘めるように言った。だけど、彼女は少し困った顔をすると、こともなげに言った。
「どうしたら、あたしが月島香だって、信じてくれるのかしら」
「何をどうしようが、信じる訳ないだろ。第一、その名前を語るのはやめて欲しいな。『月島香』は、死んだ姉貴の名前だったんだから」
ボクが産まれる前に死んだから、別に姉貴のことをどうも想っちゃいないんだけど、死人を冒涜するようなことはして欲しくない。
「ねえ。貴司は、ひとりっ子じゃなかったの?」
美紀が、怪訝そうな顔で聞いてきた。
この際だから、死んだ姉貴のことを、ちゃんと話しといた方がいいな。
「ひとりっ子のようなもんだよ。本当は、二つ歳上の姉貴が居るはずだったんだけど、ボクが産まれる前に、火事で死んだんだ。だから、ボクは姉貴に会ったこともなければ、話したこともないんだ」
「そうだったの……。ごめんなさい」
「いや、いいんだよ。ボクも、ちゃんと話してなかったのがいけなかったんだから。ボク自身、普段から姉貴が居たんだって意識、まるでなかったからね」
そう、ホントに姉貴が居たはずだなんて、意識したことがない。そりゃ確かに、頼りになる姉貴が居たらなって思ったことはあるけど、姉貴が生きてたらなって思ってた訳じゃないんだ。
そもそもボクの姉貴だったら、もっと清楚でお淑やかなはずだ。なのにコイツときたら、そんなものとは全く無縁なんだから。
ところが、ボクの言葉を聞いてむくれたのが居る。そう、この訳の判らない女だ。
「そういう言い方って、ないんじゃない。それじゃ貴司はあたしのこと、完全に無視してたってことじゃない」
「そりゃそうさ。何処の誰とも判らない人のことなんか、意識する訳ないじゃないか」
頬を膨らませて拗ねる彼女に、ボクは容赦なく反論した。
そんな彼女のことを可哀相に思ったのか、美紀がボクに言ってきた。
「ねえ、貴司。香さんって、従姉かなんかじゃないの? 香さん、そうでしょ?」
「違う、絶対に違う。従姉に香って子、絶対に居ない。……と思う」
確かに従姉には居ないけど、はとこだのなんだのって、一族郎党全部引っ括めたら、ちょっと自信がない。
ボクが言い淀むと、待ってましたとばかりに、彼女は畳み込んできた。
「確かに従姉じゃないけど、血の繋がりはちゃんとあるのよ。意地悪な貴司は認めてくれないけど」
どうやら、彼女は美紀を味方につけようとしているらしい。美紀も気が強いとは言っても、人がいいからな……。
「貴司。香さんが本当に従姉なら、あたしは香さんを泊めてあげるのに、反対はしないわよ」
とうとう美紀は、彼女の味方についてしまったようだ。でも、今朝は彼女のことで怒っていたこと、忘れてもらっちゃ困る。なんとか、話題を変えないと。
「そんなことより、どうやって手に入れたか知らないけど、合鍵を出してもらおうか」
ボクはそう言うと、彼女に向けて手を出した。
しかし、彼女は澄ました顔で、こともなげに言った。
「あたし、合鍵なんて持ってないわよ」
「そんなはずないだろ。合鍵を持ってないんなら、どうやってボクの部屋に入ったんだよ」
「だから言ってるでしょ、あたしは幽霊だって。幽霊にとって、壁や鍵の掛かった扉なんて、意味がないのよ」
「そんなこと、誰も信じる訳ないだろ。合鍵を置いて、さっさと出て行ってくれ。でなかったら、こっちも強行手段に出るからな」
「強行手段に出られるもんなら、やってみなさいよ」
彼女はまるでボクをからかうかのように、悪戯っぽく言った。
クソ、人のことバカにしやがって。女性相手に手荒な真似はしたくなかったけど、こうなったら、本当に強行手段に出てやる。
ボクは右腕を伸ばすと、彼女の左胸に触った。そして左腕も伸ばすと、両手で彼女のお尻に触ろうとした。しかしその刹那。
「エッチ!」
パチン!
怒鳴り声と共に、ボクは左頬を思いっきりひっぱたかれた。
「何すんだよ」
ボクは頬を押えると、怒鳴り返した。
「何するんだじゃないわよ。女の子の胸に触るだなんて、失礼じゃないの!」
顔を真っ赤にして、涙目で抗議する彼女に、だけどボクは言い返した。
「胸に触ったんじゃない。シャツブラウスの胸ポケットに、鍵を隠してないか調べたんだ。第一、強行手段に出られるものなら出てみろって言ったのは、君なんだぞ」
「そんなの関係ないわよ。胸を触ったことに、変わりはないんだから」
ひっぱたかれた頬も痛いけど、美紀の射抜くような視線はもっと痛い。マンガなんかによく登場する、口より先に手が出るようなステロタイプの彼女じゃなくて、ホント助かった。
「判ったよ。悪かったよ。ったく……。美紀、悪いけど、彼女が鍵を持ってないか、調べてくれないか」
「ちょっと、調べさせてもらうわね」
ボクが頼むと、美紀は彼女の顔色を窺いながら、ジーンズのポケットをおずおずと調べ始めた。
しばらくすると、美紀は彼女から離れた。
「鍵は持ってないみたい。香さんの言う通り、ポケットには何も入ってないわよ」
「判ったでしょ。あたしは、合鍵なんて持ってないの」
彼女は勝ち誇ったように言ったけど、それでボクが納得した訳じゃない。彼女に出て行ってもらうことに、変わりはないんだ。
「鍵を持ってないってのは、判ったよ。けど、君がボクの姉貴だって、認めた訳じゃないんだから、出て行ってくれ」
「…………」
彼女はジッと、無言で抗議の視線をボクに向けてきた。でも、ボクだって負けちゃいない。言うべきことは、きっちり言ってやるんだ。
「これから美紀と、二人っきりで食事をするんだ。だから、君は邪魔なんだよ」
ここまでハッキリ言ってやれば、いくら図々しい彼女でも判ってくれるだろう。
するとボクの言葉を聞いた瞬間、彼女の表情はパッと明るくなり、納得がいったという口振りで言った。
「なんだ、そう言うことぉ。美紀ちゃんと二人っきりになりたかったんなら、最初からそう言ってくれればいいのに。気が利かなくて、ごめんね。じゃあ、あたし、ちょっと出て行くから」
彼女はそう言うと、ボクと美紀の間をスルリと抜けて部屋を出て行った。
……ったく、一体なんだったんだ?
香が出て行って、一安心と言ったところです。
ところで、鍵の掛かった部屋に、香はどうやって入ったんでしょうね?
ヒントは、ピッキング工具を持っていなかったことかな?
無論、合鍵も持っていなかったんだけどね。
でも、香が合鍵を肌身離さず持っている必要性はないんだよね。