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作家というもの

「生きた証を残したい。」

そういってペンを握った

何も知らぬお前


行きた証

そんなものに固執して

いったい何になる?

お前はどうせ死ぬ

その先など誰もわからぬ


現し世より美しいのか

みにくいのか

快いのか

苦しいのか


どちらにせよ

お前はお前がのこしたものが

どうなるのか

見ることはできないだろう


虚しく

哀しく

無駄


うるさい

だまれ

何も知らぬくせに


無駄か

虚しいか

哀しいか


だが

それに命を燃やすのが

芸術家というものだ


評価されるかも

残るかも

何一つわからないというのに


書き

描き

奏で


此の世に刻みつけるのが

作家という

絵師という

奏者という


芸術家という


いきものだ


私たちは

他人の評価がほしい

行きた証がほしい

だが

それよりも

なによりも


書き

描き

奏で

たいのだ!


すきなことをして

生きていたいのだ

それに命を燃やしたいのだ


評価されずともよい

それは嘘だ

評価はほしい


金はいらない

それは嘘だ

金も欲しい


みにくい欲は

この身に宿り続けている

俺達は

お前らの考えるような

高潔な人間じゃない


誇りがほしい

高潔な信念が

誰もが崇めるような矜持が


おれたちは

欲張りなのだ

夢見がちなのだ

この世のみにくさを知ってもなお無邪気な

子どもなのだ


苦しく

虚しく

楽しく

心地よい


そんな生き方が

したいのだ


己のペン一本で

此の世に挑みたいのだ

愚かな願いをもつ

無邪気な子どもなのだ

それを望むのだ


それが

愚かで

無邪気で

欲張りな

作家という

いきものなのだ

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