婚約破棄は王女様の言う通り
私の名前はアリサ・バニング、景勝地として名高いスイーブの町を領地として持つ男爵家の三女です。
スイーブの町には上は王家から下は大商人まで我が国で余裕の有る家は全て別荘地を持っているため我が家はそれなりに潤っている。
そんな私には1歳年上の婚約者が居るが私はこの婚約が嫌で嫌で仕方無い。
婚約者のカールは婚約するまでとても優しかったが婚約後は私への当たりがとてもキツいのだった。
「愚図は黙って着いてこい」「見ず知らずの男にばかり愛想を振り撒くな」「俺以外の男と話すな」「お前など俺以外が結婚するわけ無いだろう」「この俺が結婚してやるのだから感謝しろ」
などと酷いことばかり言ってくる。
学園最後の夏休みはカールを無視して領に戻った。
そして毎年別荘で過ごす同い年の第二王女のエリザベスとは親友なので王家の別荘に避難してカールと会うことを避けている。
エリザベスとは同じ寝室で眠る程仲が良い私は、夕食後にエリザベスに愚痴を溢す。
「カールとの婚約をどうにか解消出来ないかしら」
「そんなに嫌なら良い方法を考えてあげるけど貴女確かメトルス帝国語が話せたわね」
「ええ通訳が出来るくらいだけど、本当にお願いね」
「お父様とお兄様にお願いしてみるわ」
その後は他愛もない事を眠るまで話し合った。
そして次の日は王様と王太子様と魔道通信機で何かを話し合っていた。
それから夏休みが終わる前に自宅に帰るとカールから何度も連絡が有ったと父から教えられた。
気にせず学園に戻るとカールに詰め寄られた。
「夏休みは何故家に戻らなかった」
「王女様の命でずっと王家の別荘に泊まっていたわ」
「それなら何故俺に連絡しなかった」
其処へ王女が現れ無事に解放された。
「何とか婚約破棄の方法が決まったわ」
「本当、有り難う」
そして学園が休みの日に私とカールは王城に呼び出された。
王様の前に召された私達に王からの命が下される。
「バニング家令嬢アリサとシトロエン家令息カールとの婚約は王命で婚約破棄とする」
「何故ですか」
「アリサ嬢はメトルス帝国皇太子へ嫁ぐエリザベスの筆頭侍女兼通訳としてメトルス帝国へと行くように」
「分かりました、はい喜んで承ります」
そして私は足取りも軽く王の前を立ち去るが、足取りの遅いカールに静かに近寄ったエリザベスが呟く。
「男のツンデレは需要が無いわよ」
そして学園卒業後私はエリザベス王女の筆頭侍女としてメトルス帝国へ旅立った。




